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■第69話 「お茶の時間 7」 2012年8月2日

ラズベリーのよう 信州産プルーンのアーリーリバーが店頭に並び始めました。そして、酸味と味の濃さのバランスがジャム作りにはぴったりの信州産ブルーベリーも終盤の晩成種が出回るようになりました。

軽井沢の暑さのピークともいえる梅雨明け後の時期は、2階にある事務所スペースに家の熱気が集合します。暑さより寒さ対策のほうが必要な軽井沢においては、普段は温かくて良い仕事環境なのですが、さすがにこの時期は少々暑いです。

こういう日はガーデンの小屋で仕事をすると、はかどります。日中はもちろんガーデンの小屋で仕事ですが、夜に帰宅して夕食後、2階のオフィスで仕事を再開すると暑さに我慢できず、再びガーデンの小屋まで戻って仕事をすることもあります。ちなみに夜のガーデンは、ムササビの「グルルル」という鳴き声が聞こえます。

白と黒のモノトーン 日本全国が猛暑に包まれ、軽井沢でさえ気温の高い7月末でもソフィアート・ガーデンの夜は涼しく、窓を開けるとひんやりして肌寒いほどです。扇風機も(当然エアコンも)ない小屋ですが、暑さと仕事で頭がオーバーヒートするこの時期は、ガーデンに助けられています。

今回のお茶の時間は、暑い日の話題にふさわしいかどうかわかりませんが、真冬の厳寒期のことでも話題にしながら、気分的にひんやりしてみましょう。

軽井沢のほとんどの季節は(特に秋から初夏にかけては)寒さの対策が必要で、特に厳冬期は水道の水が凍るほど寒くなります。太平洋側の気候に近く、冬場の雪はあまりありません。たまに大雪(と言っても積雪は60センチほどですが)が降りますが、それも近年のことで、昔はあまり降らなかったとか。氷点下10度以下に冷え込むこともよくあります。
一日中、零度を上回らない、いわゆる「真冬日」も冬場は多くなります。

春の雪は重いです そのため凍結に対する備えが必要です。道路も凍ってスケートリンクのようになりますので、車のタイヤはスタッドレスかチェーンが必須です。そして家の水回りにも凍結防止のための装備をします。

普通は外の水道管にあらかじめ「凍結防止帯」という電熱線ヒーターの入った水道管カバーをつけておき、外気温が零度に近づくとヒーターが自動について水道管の凍結、破損を防ぎます。設計、施工によっては、冬期に全ての水道管で凍結防止帯の電気ヒーターを使い続けると、電気使用料が高額になってしまうようです。

前もって、このあたりの十分な考慮をしておかないと、ランニングコストの面で思わぬ出費を強いられるでしょう。そうした金銭を無駄だと思う人は、水道管から水抜き作業をしなければなりません。別荘利用者などは、季節の利用が終われば、水抜きを自分で(もしくは管理業務を委託しているところに金銭を出して依頼して)行います。

私どもは電気代を節約するため、凍結の心配のある冬場は、ガーデンの小屋は毎日水抜きをして帰り、使う際に水道栓を開けるということをします。水抜き作業は慣れれば簡単ですが、これを外部に頼むとずいぶん高額になるようです。こうした別荘管理業務は地元の人の収入源でもあり、あまりノウハウを公開してもらえないものですが、私どもの自宅と小屋の建築に関わった会社から請け負った水道設備会社は、私どもが作業できるように丁寧に教えてくれました。ありがたいことです。

寒緋桜はすでに葉桜、ブーゲンビリアも咲く・・・ 出張などで何日か小屋を使わないときは零度以下に室内の温度が下がり、水道の蛇口から水抜き後に残った若干の水がつららとなって垂れている姿に出会えます。こうなると、水道栓を開けても、凍っている間は何も出ませんので、しばらくドライヤーなどで水道栓を温め、薪ストーブで部屋全体を人が活動できる温度まであげるうちに、ようやく水道管の氷が溶けて通水し始める、という状態です。

もし、この水道関係の作業を怠る(忘れる)と、最悪は水道管の破裂などで家中が水浸し、という恐ろしいことになります。幸い、一度もその事態を経験したことはありませんが、よく別荘地などでは聞く話ですし、実際に厳冬期の後、少し温かくなった日には、散歩していると水抜きを忘れたために水が滝や噴水のように湧き出しているお宅を見ることがあり、見かねて役場に連絡することもありました。

自宅は設計と工法を寒冷地向けに十分工夫しましたので保温性能が高く、冬場でも面倒な水抜きを経験したことがありません、庭の外水栓だけは、寒冷地向けの水抜き水栓にしており、ひねるだけで水抜きが完了しますので、水道管の凍結を心配したことは全くありません。しかしガーデンの小屋を含めて、特別な工法を採用しない場合の普通の建築物は、こうした冬の水回りの面倒がありますので、地元の人はともかく、外から来て通年軽井沢に住まう人の中には、冬の寒さと厳しさで参ってしまう人もいるようです。

軽井沢の冬は明るい晴れの日が多い しかし私どもは、その厳しさも含めて、冬の軽井沢が大好きです。東信地区は全般に冬の晴天率が高いので、お日様を十分に取り込む設計を考慮しておけば、冬の室内は意外と暖かです。太平洋側の気候と同様、冬の天気は安定しており、風も穏やかです。

葉を落とした木立のシルエットで縁取られた軽井沢の冬の空はどこまでも青く、凜として空気が透き通り、大地も凍るほど寒い中、陽気で元気な小鳥たちが運動会を繰り広げ、遊びにきてくれる素晴らしい季節です。

かわいい野鳥たちを見ていると、寒さに負けそうな私どもまで元気になります。小鳥たちに誘われガーデンに出て、ヒマワリの種を乗せた手を伸ばすと、仲良しの小鳥が手に止まってプレゼントを受け取ってくれます。
指先に触れた小鳥の細い足は、凍り付く木の枝のように冷たいのですが、まんまるの羽毛から温かい体温が伝わり、これなら氷点下でもへっちゃらだと思わされます。野鳥の優れた体温調節には驚かされます。

山のネズミでドングリや虫を食べます 顔がコワモテです














人間は軟弱ですので服を着込んだりストーブや温泉などで暖まるしかありませんが、彼らは寒ければ柔らかな羽毛をぷっと膨らませるだけで大丈夫。なにしろ防水性能もあり自分の体温を暖かく包み込む、おしゃれなダウンジャケットをまとっているのですから。

すてきな薪ストーブと関連商品が並ぶ 真夏に真冬の話、しかも薪ストーブの話をすると季節感がないと呆れられてしまいそうですが、実は7月下旬に、最高気温が14度しかない日があり、その日は湿気飛ばしも兼ねて小屋で薪を焚いてしまいました。

なんだかんだで年中活躍する薪ストーブですが、つかの間の休みである夏は煙突掃除の季節です。何年かに一度はストーブ施工業者の人に依頼して、高い屋根に登っての煙突掃除を頼まなければいけません。

「眺めて良し、使って良し」、の薪ストーブは、使わない今の季節は、鋳鉄と石でできた本体に触れるとひんやりと気持ちが良いものです。これはこれで、夏の涼しさに役立っていると言えるかもしれません。

ソフィアート ・ ガーデン物語
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4


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