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■第59話 「お茶の時間 6」 2012年7月12日

胸の黒いネクタイが太いのがオス、細いのがメスです 梅雨の晴れ間も終わり再びの雨模様です。自宅の2階にあるベランダにつけた巣箱に、遅めに営巣したシジュウカラは、なかなか巣立ちを迎えません。

巣箱のすぐ近くには洗濯物の干し場があるため、外に出ると親鳥から「キチキチキチ」と抗議され肩身の狭い私としても、一日も早い巣立ちを願っているのですが、ヒナたちの大きな声が聞こえてくるので、巣立ちはこの週末(例によって日曜日)あたりでしょうか。

今回のお茶の時間は、果物をお茶のお供にしてみましょう。パートナーの故郷、鳥取県の倉吉(くらよし)市から届いたスイカやメロンです。親戚に栽培農家をしている家があり、いつも見事な果物を味わうことができます。

椅子の上はスタッフMとパートナーではありません 鳥取スイカは日本のみならず、とある外国でも有名です。ひところドバイの富豪が世の注目を集めたことがありますが、ドバイでは一つ3万円ほどで鳥取県の大栄(だいえい)スイカが扱われたそうです(ブランド名は「ドバイの太陽」)。大栄スイカは日本の大都市圏ではスーパーなどに並びますが、皮の厚い倉吉実生(みしょう)スイカ(ブランド名は「倉吉極味(ごくみ)スイカ」)は輸送に丈夫で糖度が高く味が良いため、高級品として百貨店などで高値で販売されます。

スイカの皮はもったいないので捨てません。成分としてもカリウムやシトルリンを多く含み、高血圧や動脈硬化を予防し健康に寄与するものです。赤い部分はフレッシュジュースに使うと甘くておいしいですし、白い部分は甘みのある瓜そのものですので、漬物にしたり味噌汁などに野菜として使います。せっかく苦労して育てられ、送って貰ったものは味わいつくし、捨てる部分は外皮の緑の硬い表皮だけです。表皮は土に埋めて肥料にします。

アジサイと一緒の時期に咲く ちなみにメロンも、真ん中の種を包むふわふわのジューシーな部分は、種を外してフレッシュジュースに使うと、メロンジュースとしておいしく、捨てるのは惜しい部分です。

スイカやメロンは、種の周りや真ん中に最も強い甘みがありますので、切り分けるときには工夫が必要です。

スイカやメロンだけでは水っぽいので、クラッカーやパンにジャム、といういつものお茶のお供も登場します。今回のジャムはヤマボウシです。毎年9月にはヤマボウシの実がたくさん収穫できますので、冷凍庫に保存してまとめてジャムにします。
先日パートナーが杏の加工をしている間、私はこのヤマボウシジャムや、完熟梅のジャムを作っていました。自宅とガーデンもあわせると、結構な量のヤマボウシジャムができあがります。

何キロもとれるので保管も場所を取ります ヤマボウシの実は大きなサクランボのように枝からぶら下がり、赤く熟した実は蜂や野生動物の大好物です。

山に自生する木ですし、花の風情が良いので庭や街路樹として好んで植えられます。一般的に実は果実酒にするぐらいですが、ヤマボウシでジャムを作ると言うと驚かれることが多いです。

当地では「子供は山で木に登って食べるけど、大人は庭や街路樹のヤマボウシの実を蹴っ飛ばしている」という邪険な扱いを受けがちな、ありふれた山の味覚です。

種が多く外皮がざらついているので、口当たりを良くするためにも、裏ごししてからジャムにします。甘みは強いのですが酸味がないため、酸味を加える意味でレモンや杏、梅などを混ぜると味が引き締まり上品でおいしいジャムになります。

仕上がりはトマトを甘く濃くフルーティーにしたような味で、ジャムの甘さを抑えればトマトピューレの代わりに使えそうです。またジャム加工の際には、お茶の葉を焙じるときの香ばしい清潔な香りが漂い、砂糖を加える前は甘み以外にもお茶に似た若干の渋みもあります。

ヤマボウシジャムはレモンと混ぜるのがおすすめ ヤマボウシジャムを販売していることろはほとんど見たことはなく、群馬県の旧・六合(くに)村の物産館で一回だけ見かけたぐらいですが、めずらしさもあるのか、小瓶で高い金額だったように記憶しております。

ヤマボウシジャムには不思議な力があり、時間が経っても冷蔵庫のような冷温で保存すれば痛まないという経験をしております(3年間で大瓶を食べきってしまいましたので、それ以上は不明)。

トマトの赤い成分リコピンは、抗酸化物質で老化防止に有効だそうです。

いつか事実を調べてみたいのですが、ヤマボウシの赤い実にもリコピンのような成分があるのではないか、また香りと渋みから想像するに、お茶のタンニンやカテキンのような成分もあるのではないか、などと想像しております。

実際には赤みがかった紫です こうしたありふれた山の木の実は、意外に未知の薬効成分を持っていることもありますので、ひょっとしたらヤマボウシには天然の防腐剤のような作用が有り、不老長寿の妙薬かもしれない、などと妄想して楽しんでおります。

収穫の際には、落ちた実は拾わず、木になっている実を一つひとつ丁寧に収穫バサミで集めるので結構大変ですし、裏ごしの労力がありますので、さすがに毎年は作る気になりません。でも不思議な魅力を持ち、なにより自宅で収穫できる木の実としておいしいので、こうして時おりジャムにしてみるのも一興です。

ヤマボウシはスズメバチや野鳥が大好きな木の実なので、最近少し疲労気味のスタッフMも、彼らのような美と健康と元気をいただけるかもしれないと密かに期待してみます。

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