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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2014年11月30日(日曜日)
概況:
11月初旬の寒さはゆるみ雨が降るも、浅間山の頂には積雪を見る。浅間に積もると麓の軽井沢の降雪も間近なので、車のタイヤをスタッドレスに履き替える。落葉樹はすっかり葉を落としたので歩く場所だけ落ち葉を片付ける。小鳥たちのためにフィーダーを出してヒマワリの種をプレゼントすると、カラ類の混群がすぐ訪れる。旅行者はすっかり減り、道路も街も空いていて過ごしやすい。人の数より野鳥や野生動物の方が多いに違いない、初冬の軽井沢である。
樹木: ソフィアート・ガーデンの落葉樹はすっかり葉を落とした。歩く場所や駐車場だけ落ち葉を片付け、山野草やスミレなどのある場所は早春までそのままにしておく。そのほうが土が少しは暖かくなって山野草も守られ、雪も溶けやすい。年が明けて3月の終わり頃、春先にクロッカスやスミレが咲き始める前に、落ち葉のフトンを片付けてあげれば良い。片付けた落ち葉は庭の各所で小山にしておく。その場所は暖かいのか雪が降っても溶けやすく、虫が落ち葉の山に潜り込んで冬眠するため、冬はツグミなどがよく虫をあさって落ち葉をポイポイとかき分けるのが見られる。
山野草、山菜、園芸種の草花:
常緑のリュウノヒゲとその黒い実が目立つ。オオバコの葉が枯れて消え、実をつけた穂だけが幾本も地面から立ち上がっている。まるで大地から毛が生えているようである。冬枯れの地面が、大きな生きものの背中のように見える。
野鳥:
そろそろソフィアート・ガーデンでも、小鳥たちのためにフィーダーを木の枝に掛けてヒマワリの種を入れた。ソフィアート・ガーデンに行くたびに、最近、彼らが近くの枝に止まってなんとなく目で催促している様子だったので、こちらも期待に応えなければならないと気がせいていた。これで一応の義理は果たしたので一安心である。さっそくシジュウカラやコガラ、ヤマガラやゴジュウカラたちが目ざとく見つけて飛んできた。ひととおり、皆が順序よく自分の分をくわえてお気に入りの枝に持ち帰り、食べたり貯食したりしながら短時間だけ滞在して、皆でどこかに飛んで行った。冬の混群の時期、カラ類たちは種を超えて行動をともにする。そして一つの場所に長居することなく、行動範囲を広く巡回しながら皆で食べ物を見つけていく。厳しい冬を生きる小鳥たちの智恵である。
今年もカヤクグリが登場した。冬になるとどこからともなく庭に現れて、慣れた様子でデッキに出入りしたり、地面をつついたりする。極めて地味な小鳥であるが、我が家の冬の庭には欠かせない味のあるキャラクターを醸し出している。
虫:
ソフィアート・ガーデンの小屋のカマドウマの大群は相変わらずである。11月の初旬の寒さが一転して暖かくなったため、虫も生き返ってしまったようだ。
その他:
この時期になると木の葉も枯れるが、すっかり街も枯れてしまう。樹も街も道路も、寂しいことこの上ない。冬の軽井沢は、商業者にとっては客足が途絶えて大変な時期だと思う。それでも軽井沢駅前の巨大ショッピングエリアには大勢の買い物客で賑わい、寒い夜空に豪勢な花火を打ち上げて客を楽しませていた。
私スタッフMは、人がいないが小鳥たちがたくさんいる冬の軽井沢が大好きである。ついに私の季節がやってきた。真っ青で明るい空と、冷たく澄んだ空気の中、嬉しくてしょうがない。薪小屋も満たされ、日頃コツコツと作った、保存食のストックもたくさんあり、寒さが来ても平気である。しかし今年の2月のような1メートルの大雪だけは勘弁願いたい。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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