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■第107話 「冬の恵み」 2012年12月26日

クリスマスの前後から、軽井沢の冬の街がなんとなく賑やかになります。静まりかえった別荘地にも点々と明かりが灯り、正月に向けて庭の掃除や手入れをしている様子が見られます。軽井沢を郷里とする人の帰省もあるでしょうが、別荘で正月を迎える人はたくさんいるようです。

白からグレーのグラデーションになる 軽井沢で生まれ育ったのではなくとも、親やそれ以前の世代から別荘などで軽井沢に縁があって、この地を愛する人々にとっては、軽井沢は大切な「故郷」なのでしょう。別荘地で、盆や正月に軽井沢に親族が大勢で集まる様子や、正月休みを家族水入らずで過ごす光景をよく見かけます。

故郷から離れて仕事や生活の拠点を構えている人が年末年始を郷里で過ごすための帰省ラッシュは風物詩となっています。この時期は飛行機や新幹線などの交通機関は満席で、車も大渋滞することが多く、移動には苦労します。

私どもも正月を郷里で過ごすこともありますが、大混雑や渋滞が苦手ですので年末年始の時期をずらして帰省することが多くなりました。最近は年明けの仕事の準備もありますので、正月休みはマイペースで過ごすことにしています。

巨大な豆で食べ応え抜群! 冬は薪ストーブを焚くついでに、ストーブトップで豆を煮ますので、正月の豆料理の準備には手間がかかりません。黒豆の他、軽井沢名産の大きな花豆も用意しました。パートナーの故郷から、山陰のお雑煮に欠かせない丸い栃餅、小豆などをもらいましたので、久しぶりに正月はおいしい栃餅を味わおうと楽しみにしています。また、柚風呂の柚もたくさんもらいましたので、お風呂に浮かべて体の芯から温まります。郷里からの、うれしい冬の恵みです。

私どもからは郷里の親族や知り合いに、冬になると、おいしい「サンふじ」を送ります。私どもが最近ひいきにしている生産農家のりんごは、農薬を極力減らして葉を取らずに十分な光合成をさせ、樹上で完熟させる「葉取らずりんご」です。抜群の甘さと美味で、他にはないおいしさです。とても喜ばれ、毎年定例の贈り物になっています。果樹のおいしい信州ならではの、冬の大きな恵みです。

葉の光合成がおいしさの秘密 この時期は、郷里や親戚から送ってもらった食べ物で、勝手口のある納戸や玄関室があふれかえります。リンゴや洋梨、干し柿やみかん、そして長芋やカボチャなどが箱単位で保管され、たとえ「兵糧攻め」にあっても大丈夫と思えるほどです。雪や渋滞をものともせずに、おいしい味覚を届けてくれる運送業のみなさんにも感謝しています。

このように、納戸や玄関室は冬の間の大切な食料保管場所になります。私どもは、基本的に部屋を細かく区切らずに、家のどこでも同じ温度になるようにしましたが、勝手口のある納戸と玄関は、あえて温かい居住スペースとは戸で仕切りました。
こうすることで屋外の冷気を屋内に入れないための緩衝地帯になります。

玄関室や納戸には土間があり、薪ストーブの暖かい空気が入ってきませんので他の部屋よりも温度が低く、また暖房による過度な乾燥もないため、野菜や果物の保存に最適な温度と湿度を保つことができます。そのため野菜や果物を保管する場所として重宝します。

そしてソフィアート・ガーデンの小屋は、使わないときには零度近くまで室温が下がりますので、小屋全体が氷温冷蔵庫として活躍します。薪ストーブで温度を上げてしまうと室温が20度近くになりますが、床下や土間の納戸は冷蔵庫の温度以下ですので果物や野菜の保管庫として使えます。実際、小屋ができて最初の冬は、春先まで冷蔵庫なしで過ごすことができました。

雪と空がまぶしい 冬の恵みのもう一つは、明るい日差しです。冬至を過ぎて、これから日照時間も少しずつ長くなっていきます。よく晴れた夜間は放射冷却で気温は下がりますが、日中は日差しのおかげで、どんなに寒い日でも屋内は温かく、明るく心楽しく居られます。

冬の斜めの日差しは部屋の中まで差し込み、庭で大運動会を繰り広げる小鳥たちの様子が、床に伸びた影絵でも楽しめます。

透き通ったツララも、太陽をきらりと受けて七色のスペクトルの光を帯びます。明るい日差しで小鳥たちの羽毛が輝き、庭は幸せのカプセルに包まれているかのようです。

冬の浅間山はいつにも増して迫力があります。浅間山を縁取る真っ白い雪の稜線は、まばゆい光を放ちます。くっきりした白の稜線が青い空を背景に浮かび上がり、目の前に山が迫ってきます。春から秋の軽井沢は、霧や霞をまとう柔らかい空気感に満ちていますが、冬は一転、容赦ない冷気できりりと引き締まります。

すがすがしいまでの裸の大地と樹木。
冬は何もない、だから底抜けに明るい。

冬の恵みは「(たくさん)ある」ということだけではありません。「何もない」 ゆえの強さと明るさ、そして小鳥たちが何もない青空に描く自由な飛翔こそ、私にとって一番の冬の恵みです。

ソフィアート ・ ガーデン物語
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4


メモ(本文とは直接の関係はありません)
ソフィアート・ガーデン物語にお越しいただき、ありがとうございます。
次の第108話は、1月4日頃になります。皆様、良いお年をお迎えください。

 
 
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