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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■二十四節気:芒種 2016年6月5日(日曜日)
概況:
ヤクシマシャクナゲやフジ、白モッコウバラ、ヤマボウシ、ハクウンボクなどが次々と満開で甘い香りを放ち、ハナアブやハナバチが飛び交う。5月末にはヤマブキ(山蕗)が大きく育ち収穫してキャラブキにした。シジュウカラ雛が巣立ちを迎え、カッコウが鳴きホトトギスの声が延々とソフィアート・ガーデンにこだますると、毎年恒例の梅仕事やラッキョウ、杏の季節が到来する。忙しさに少し億劫になる。6月5日に関東甲信越は梅雨入り。まだ雨は少ない。
樹木:
民家の庭先でノダフジの藤棚が長くのびて甘い香りを漂わせている。山のフジも木にまきついて木の頂を紫色に染めている。ヤマボウシの総苞片が徐々に薄緑から白みがかってきた。今年のヤマボウシの花はものすごい数である。ソフィアート・ガーデンのハクウンボクも今までの最高と言える花数で、アブがぶんぶん飛んでいる。花後は星形の白い花が散り敷き、地面が真白になるほどである。そしてこれから咲くエゴノキも、見たことがないほどたくさんのつぼみがある。今年は異常に花木の花付きが良い。なぜであろうか。玄関先にアーチにしているクレマチスモンタナはそろそろ終盤、同じく玄関先の白モッコウバラは満開で、とてもいい香りがする。ツルバラのアンジェラやトレジャートローヴのつぼみも非常に数が多い。アンジェラはピンクの派手な花が咲き始めた。これからはバラの季節である。
山野草、山菜、園芸種の草花:
今年はやめようかと思ったが、ソフィアート・ガーデンのフキの海を見ていると、どうしても手が動いてしまい、200本ほど収穫してしまった。野生のミツバも沢山収穫して湯がいて冷凍にした。固くなる前に、どうしても5月のうちに収穫したくて、少し無理をしてしまったが、この時期を逃すと来年まで一年待つことになる。おいしいもののためには多少の無理も仕方がない。
野鳥・生きもの: ソフィアート・ガーデンでは、カッコウやホトトギスの声が延々と響く。この声を聞くと、楽しいけど面倒なラッキョウの酢漬けや梅シロップづくり、梅干しづくりの季節の到来を感じる。
また6月初旬は、軽井沢の野鳥たちの巣立ちの季節でもある。私スタッフMの誕生日の頃、毎年、野鳥たちも次々と巣立つので、心の中で小鳥たちと一緒に誕生祝をしている。
広い世界に飛び出した雛たちのかわいい声を聴きながら「おめでとう!どうぞ元気でがんばってね」と祈る。
今年も、家の南側に掛けた巣箱に、シジュウカラ夫婦が営巣中でせっせと虫を運ぶ。親鳥は小さな虫をくわえて近くの枝にとまり、「ツチ!」と一声鳴く。すると静かだった巣箱から一斉に「ワニャワニャワニャ」と雛のざわめきが聞こえる。親鳥が、実に慎重に、左右上下に巣箱を狙う敵がいないことを確認して、すっと巣箱に入り込むと雛の騒ぎは一層大きくなり(クレッシェンド<)、そして小さくなる(デクレッシェンド>)。たぶん最も騒がしいヒナが大きく口をあけて親のくわえた小さな青虫や蜘蛛の子を受け取ったのだろう。他の雛はちょっとがっかりしてシュンとしているに違いない。しかし親はちゃんと皆にいきわたるように上手に配分してすべての子を育てるし、一番体の小さいチビさんが、実は元気にたくましく育ったりするものである。スタッフMは決して巣箱を覗いたりはしないが、何度も雛の巣立ちを見守ってきた経験と妄想力で、その中で繰り広げられるドラマが透けて見える(ような気がする)。(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第47話「7つの子」
虫:
ソフィアートガーデンの小屋の梁(材は軽井沢産の巨大なセンノキ)に、またキクイムシが出たので業者に対応を依頼する。薬剤は環境負荷の弱いものを用いているせいか、クモやその他の虫には影響がないようで、薬剤で対応した後もあいかわらず小屋は虫天国である。衣類の敵、カツオブシムシもいる。虫に詳しい人によれば、成虫は花粉を食べているため害がないが、問題は幼虫である。旺盛な食欲でウールやシルクなどの動物性繊維に穴を開けてしまう。特に高級なカシミアの衣類が大好物である。ガーデンの小屋は作業着ぐらいしかないが、自宅の衣類に被害が及ばないよう、カツオブシムシを小屋から自宅内に持ち込まないように気をつけている。
その他:
3年ぶりに薪ストーブの煙突掃除をしてもらった。焚き方がうまいか薪が良いせいか、と褒められたが、実際に煙突内に煤はほとんどたまっておらず、さらさらとした石炭のようなものが少し出ただけであった。懸念した鳥侵入防止の網の目詰まりは特にないようであった。普段はパートナーが薪ストーブの世話をしており、薪は良く乾いているものも、それほど乾いていない含水率が大きいものも組み合わせて使っている。よく燃える雑木で火力を強めてから含水率の大きい(乾燥が不十分な)薪を入れるなど結構工夫しているようである。ストーブの扉の部品をメンテナンスしてもらい、庫内を丁寧に掃除してもらって、今後も3年に一度程度の掃除で十分であると言われて、ほっと一安心である。(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第93話「小鳥と煙突」、 前回の煙突掃除の記録 2013年9月9日)
その他2:
スタッフMは日頃はほどほどに健康で大病はしないが、先日体調を崩して2日ほど入院してしまった。医師には過労を避けて安静にするように指導され、いつまでも無理を重ねていい年齢ではないと気づき、これからは何事も健康第一で楽に生きようと心に誓った。と言いながら、退院した次の日にはガーデンのフキをたくさん収穫してキャラブキや蕗の煮物を作り、病院で同室だった方々へのお見舞いにしたり、私を何度も見舞っていろいろと必要なものを差し入れてくださった近所の方におすそ分けした。病院の医師や看護師、その他の皆様にお世話になり、4人相部屋で同室になった方々とは一日中いろんなおしゃべりをして過ごした。大学時代に4人部屋の寮生活だったが、それを思い出して結構楽しかったのも事実である。しかし点滴とハーフ食(おかゆと小皿半分の煮物)はもう今回限りにしたい。軽井沢病院の病室から見る景色は最高だが、食事は自分が作るのが一番おいしいと思っているスタッフMとしては、とにかく家に帰って自家製パンを食べたくて仕方がなかった。幸い後日の検査では異常はなく、今まで通り活動している。普段はこだわりがなく適当テーゲーですぐ飽きる性格だが、自分が関心あることには異常な集中力を発揮して体力気力の限界まで没頭してしまう凝り性のところがある。そのため慢性的に肩や首が凝り、体調が悪くなったのかもしれないと反省した。突然の異変に驚いたが、その後は歪みがとれたかのように気分がすっきりとしている。長年の地殻の歪みから解放されるために大地の地震動がおこるようなものだったかもしれない。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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