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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■二十四節気:夏至 2016年6月21日(火曜日)

概況:
今年の梅雨はしっかりと降る大雨が続く。梅雨時の葉の生い茂る暗い森には木々も下草も白い花がよく映える。これから日本全国に猛暑が控えているというのに、すでに軽井沢の植物界はなんとなく秋を感じさせる。植物の生長はピークを超えて下り坂を迎えている。よく見ると落葉が始まっている。1000メートルの高原と他の温暖な地域とでは夏至を境に植物の有様が逆転していく。キビタキ、ウグイス、ホオジロの声がするが、それ以外の小鳥たちは静かである。

樹木:
エゴの白い花、バラ、ニンドウが満開で柔らかな甘い香りを放つ。ヤマボウシの花も真っ白。この時期、森に咲く花は申し合わせたように白い。葉の茂った暗い森で目立つ色は、なんといっても白であろう。濃い霧の中でも、白い花はぼんやりと光るように見える。
植物は(ここ軽井沢では)6月の初旬までに、しっかりと葉を広げ花を咲かせ、夏至に至って、花を咲かせた後は実を結ぶために、光合成に不要な葉を(あるいは役目を終えたのか)自分で剪定するかのように、はらはらと落としていく。寒冷地である高原の軽井沢は冬は長く春は遅い。そして一瞬の夏を終え、早い秋、そして長い冬を迎える。高原の植物は、平地の同種の生長から成熟を、短い時間で猛スピードで駆け抜ける。
5月に芽吹いた植物はひと月の間で爆発するかのような生長をみせ、6月初旬には緑濃く生い茂り次々と草木は花々を咲かせる。高原の5,6月は、まさに百花繚乱である。 そして夏至を生長の頂点として、今度は成熟という秋支度に向かって植物は急速に舵をきる。6月の初旬までに花を咲かせた後の木は、夏至を境に葉を落とし始める。 とうに花を咲かせたマユミは、早くも葉が庭に舞い落ち、うっそうとして暗かった庭が徐々に明るくなってきた。

山野草、山菜、園芸種の草花:
6月の中ごろ、シャクヤクやコアジサイが満開。水を含んだ涼風に、清潔で豊かな香りが漂う。高級フレグランスも再現できない、自然の香りの芸術である。花は誰に媚びることもなく、ただ一人、高貴にたたずみ芳香を漂わせる。こうした花々の香りを深呼吸することが、ソフィアート・ガーデンでのスタッフMのひそかな趣味である。アジサイの青い花が大きくなってきた。オウゴンシモツケもピンクの花が満開。 地面をスゲの細長いしなやかな草が覆い、チジミササがグランドカバーのように覆う。ドクダミの白い花が梅雨に洗われて清らかである。 レンゲショウマの丸いつぼみが上がってきた。ハギが長く伸び、その先にたくさんのつぼみがつきはじめた。平地では秋の花であるハギは軽井沢では夏に咲き、8月の終わりには秋虫の声も聞こえ始めるようになる。もう2か月もすると、今度は秋が到来してしまう。それまでに生長、成熟しようと植物も必死である。

野鳥・生きもの:
この時期、離山の自宅庭では一年中で最も鳥の声が少なくなる。あれほど庭に満ちていた小鳥たちの雛の声が消える。巣立った雛たちはどこへ?森の中のソフィアート・ガーデンではカッコウの声は聞こえなくなった。そのかわりキビタキ、ウグイス、ホオジロの美声が幾重にも広がる。特にキビタキの響きは別格である。見渡す限りの無数の木の葉が音響反射板のような働きをするのか、冷涼な霧がキビタキの伸びやかで震えるような響きに満たさる。「私」の全身は耳になり、一切の存在が消えて響きだけがあるという、不思議な感覚になる。

虫:
虫天国。藪蚊が多い。

その他:
豊田市美術館でデトロイト美術館展が開催されていたので鑑賞した。モネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、マティス、モディリアーニ、ピカソほか。今回の絵画展でセザンヌの魅力にあらためて気づいた。また私スタッフMの好きなカンディンスキーもあった。 日本の美術館にはめずらしく全作品の写真撮影が許可されており、沢山の人が名画に群がり腕を伸ばしてスマートフォンやタブレットを絵画に近づけ、一斉にカシャカシャ音を立てて撮影する姿が見られた。しかも、すべての作品を生真面目に流れ作業のように撮影する。視線を集めるのに慣れている名画たちも、この奇怪な光景に苦笑しているのではないか。美の世界を堪能するには観る側の美意識も試されるはず。一人一人が美的世界の演出に加わり、場にふさわしい立ち居振る舞いを意識することによって絵画展の質もより高まるだろう。

軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

オクタマコアジサイ(6/11) 自生のニシキウツギ(6/11) ウメシロップづくり
芳香のシャクナゲ(6/15) ソフィアート・ガーデンのヤマボウシ(6/15) ソフィアート・ガーデンのエゴノキ(6/15)
自宅庭のカルミア(6/15) ソフィアート・ガーデンのピンクエゴ(6/15) 自宅の垣根に繁茂するニンドウ(6月中旬)
自宅庭のバラトレジャートローヴ(6/15) 自宅庭のバラアンジェラ(6/19) 自宅のバラトレジャートローヴとアンジェラのコラボ(6/19)
キッチンの窓から見たバラトレジャートローヴ(6/15) オウゴンシモツケの花(6/19) 自宅庭にて
シジュウカラ親(6/5) シジュウカラ雛(6/13) シジュウカラ雛(6/13)
出張風景 豊田市の駅前商業施設にツバメの雛 豊田市美術館デトロイト美術館展
東京丸の内の緑陰 東京丸の内の緑陰 東京丸の内アジサイ


 
 
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