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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2014年1月5日(日曜日)

概況:
2014年新春の軽井沢は例年より過ごしやすく、年末年始には最高気温6℃と厳冬期らしからぬ暖かさに、小鳥たちからは春のようなさえずりまで聞こえてきた。最低気温は氷点下9℃前後で、正月はめずらしく強風が吹いたものの、たまに粉雪が舞う程度。軽井沢駅周辺の商業施設やスキー場は車も人も大混雑。冬のリゾート地として軽井沢の人気の高さをうかがわせる。正月休みを別荘で楽しむ人も多く、別荘地に暖かな明かりが灯り子供たちの声が賑やかである。

樹木:
ソフィアート・ガーデン100種500本の木を紹介していく。今回はアセビについて。 アセビはツツジ科ツツジ属。軽井沢周辺で自生しているかどうかはわからないが、軽井沢の住宅地などで庭木としてよく見かける。
背の高さほどで濃い緑の葉が茂るため、目隠しとしても使える。ソフィアート・ガーデンでも自宅でも、数本アセビを植えている。軽井沢のような冷涼な土地では、日当たりは良い場所の方が花の付きが良い。樹木で覆われた緑陰のような場所に植えると、葉を落として枯れてしまうこともある。
アセビの花や葉には殺虫成分がある。また草食動物が毒性を嫌って食べるのを避けるため、鹿などの食害にあわない木としても知られている。そのため漢字で「馬酔木」と書かれる。もっとも、鳥にとっては毒性がないようで、ソフィアート・ガーデンでは花の時期、メジロたちが白い花の蜜をおいしそうに舐めていた(もちろんメジロたちは元気である)。また、人にとっても有用な庭木である。白やピンクの花はかわいらしい上にとても香りが良く、寒冷地における貴重な常緑広葉樹であり、虫も付かず手入れが楽である。寒冷地では成長も遅く、自然に小ぶりな樹形を保つため、軽井沢の庭木としては管理をほとんど必要としない。以前、箱根の庭園で、人の背丈を超える巨大なアセビの林に驚いたが、もともと箱根はアセビの自生地である上、気候も温暖なので生育も盛んなのだろう。

山野草、山菜、園芸種の草花:
ソフィアート・ガーデンの山野草や山菜を紹介していく。今回はカキドオシについて。
カキドオシはシソ科カキドオシ属。丸い葉と長く伸びる茎で、踏むとミントのようなさわやかな香りがする。初夏に薄紫の小花が咲いた後は、ぐんぐん地を這って伸び、隣の垣根を越えてしまうほど(カキドオシ:垣通しの名の由来)である。どこにでもある雑草扱いだが、野草茶としてとても優秀である。ソフィアート・ガーデンを訪れた友人にその話をしたら、教養のある、しかも植物の仕事をしている友人でさえ「えー!(雑草の)カキドオシをお茶にするの!?」とびっくり顔(呆れ顔)。意外に薬効成分の高さとおいしさは知られていないのかもしれない。漢方薬の「連銭草(れんせんそう)」や民間薬の「カントリソウ」(子供の疳の虫に効く)としても有名である。また義母(医療が専門)によれば、カキドオシ茶は糖尿病にも良いそうである。スタッフMはソフィアート・ガーデンのカキドオシを毎年花の時期に採取して、薬効よりおいしさ重視で野草茶を作って愛飲している。きれいな土地で育ったカキドオシを自然乾燥したお茶は、買ったミントティーより断然おいしいと思う。春の柔らかい時期なら、摘んでごま油で炒めてもおいしいおかずになる。昨年はイノシシの大群が踏み荒らしたためカキドオシの採取は諦めたが、今年はまた収穫しようと思う。
食用にする場合の参考サイト:独立行政法人国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性」カキドオシ

野鳥:
ソフィアート・ガーデンの小鳥たちは、お正月の時季外れの暖かさに(最高気温6℃台)さえずりの練習をしている。ゴジュウカラは「フィフィフィフィ!」、ヤマガラは「ツンツン、ピー(速度記号Largoで)」、コガラは「フィーフー、フィーフー(フルートのように美しく透る声で)」などと、思い思いに鳴いている。もうすぐ春、と錯覚しそうになるが、これから氷に包まれた1,2月という長い厳冬期である。こうした美しいさえずりを毎日のように聞ける頃(4月下旬以降)には、ガーデンの小鳥たちは営巣の準備に追われて縄張り争いで忙しくなり、人間などと遊ぶ暇がなくなる。

虫:
しばらくガーデンの小屋を使って暖めていると、いままで冷凍保存?されていた虫が生き返り、再び小屋の中で活動を始めた。寒い水場で息絶えているかにみえるカマドウマに、部屋を暖めて水をかけるとたちまち生き返って元気に飛び跳ねる。昆虫というものは植物のように、暖かい環境で適度な水があればすぐに生き返るものかと、その生命力にはいつも感心してしまう。

その他:
年末から正月にかけて、穏やかな寒さであったが、さすがに真冬日の今日は寒い。昨日、駅前のショッピングセンターに出かけたところ、周りの客が震えながら口々に「寒い」を繰り返し、気の毒になった。軽井沢の1月は、一日中、氷点下を上回らない真冬日が当たり前であり、夕方には氷点下数度以下に下がることもめずらしくない。寒さを通り越して痛さを感じるほどである。真冬の軽井沢に観光などで訪れる場合は、氷点下数度程度に対応できる衣類や凍結路面で滑らない足元(人も車も)を用意しないと楽しめないと思う。参考までに昨年の大寒(1/20)の頃は連日氷点下13℃以下、一日の平均気温は氷点下7.7℃であった。まれに氷点下20度近くにもなる(観測史上1位は1936年3月1日の氷点下21.0℃、一昨年の節分2012年2月3日に氷点下18.6℃)ので、冬装備は万全にしておいたほうが良い。


軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

寒い日の離山(霧氷) このような風景はまだまだ先です 雪の多い冬は大変
春のアセビの様子 アセビの種 アセビの樹形
駅前のショッピングセンターは初売りで大賑わい
こんな凍結道路は恐ろしい(プリンススキー場前) 鳥取県のお正月に欠かせない、ぜんざい(写真は栃餅入り) 今年もよろしくお願いします 今年もよろしくお願いします


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures