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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■二十四節気:処暑 2016年8月23日(日曜日) −最終回−

概況:
今年は台風が多く22日には台風9号が関東地方に上陸、各地で被害が出た。軽井沢は被害はない。ヤマボウシは早くも赤く実りヒヨドリやスズメバチがおいしそうに食べている。お盆はミンミンゼミ、夜は秋虫の音色が響く。軽井沢は雨や霧が多く比較的涼しいが、出張先では36℃以上の酷暑続きである。お盆を軽井沢で過ごす人々で街はハイシーズン真っ盛り。県外ナンバーの高級車がスーパーなどにひしめく。花火が上がりお祭りの太鼓の音が霧の夜空に響く。

樹木:
すさまじい数のヤマボウシの実が赤々と実る。いつもは9月の初旬頃の風景であるが、今年は早い。私どもの軽井沢の庭ではヤマボウシの実が赤くなるのと台風襲来はセットである。その点では日柄は早めとはいえ季節通りである。台風の後は赤いヤマボウシの実が大量に散らばるので庭掃除が欠かせない。
自宅庭には、私どもがこの土地を購入して家を建てるよりずっと前から巨大なヤマボウシがある。堂々とした樹姿で、高さも枝周りも数メートル以上ある古木である。その樹はとても優秀で、毎年ヤマボウシとは思えないほど大きなおいしい実を大量に実らせる。大部分は野鳥やスズメバチなどが食べるが、私どもも手が届く分は収穫してジャムやヤマボウシ酒にする。知人や近隣の方にヤマボウシジャムをプレゼントすると、おいしいジャムができることにまず驚かれる。ヤマボウシジャムは天然の甘さに上品なお茶の香りもして、トマトピューレのような味わいもあり、スタッフMは大好きである。ヤマボウシジャムは一般に流通するほどメジャーではなく、まれに道の駅などで販売されているものを見かけたこともあるが、かなり高価である。ありふれた木ではあるが、おいしい実が成るものはめずらしいかもしれない。(ヤマボウシジャムについて 参考:ソフィアート・ガーデン物語 第59話 「お茶の時間 6」 )
今年は出張続きでヤマボウシを収穫する暇がないので、メジロやヒヨドリ、スズメバチなどに謹呈したいと思う。世の中にはさまざまな人がいるが、軽井沢に住みながらも自然の草木が嫌いな人もいてヤマボウシの実成りに苦言を受けたこともあったが、時の流れとともに人的環境も変化して、今では豊かな実りを心から楽しみ、宝石のような実を野鳥が楽しそうについばむ姿を穏やかな気持ちで眺めることができるようになった。
ツリバナの実も赤く開き始めた。タマアジサイの花もほぼ咲き終わり、ハギの花も終盤。白バラの返り咲き、ムクゲの花が賑やか。

山野草、山菜、園芸種の草花:
ミズヒキの赤い花穂、ギンミズヒキの白い花穂があちこちで伸びている。歩くとズボンに赤や白の花粒が付く。秋の花シュウメイギクが背高く伸び、つぼみが見えてきた。同じく秋の花シュウカイドウも鮮やかなピンクの花のつぼみが出てきた。

野鳥・生きもの:
ヤマボウシの実が赤くなり、ヒヨドリが庭に頻繁に訪れるようになった。ヤマガラやシジュウカラは、私どもが出張続きで不在がちであったせいか、庭に遊びに来る姿が見られなくなった。とはいえ鳴き声は聞こえるので、そのうち私どもの姿を遠くから見つけてすぐに遊びに来てくれるだろう。

虫:
お盆のころからミンミンゼミの声が聞こえだした。いつものごとく、数は少ない。夜は秋虫の音が大きくなった。出張の道中(東名自動車道)でも夜は山から鈴虫の涼しげな音が響く(外気温は日中35℃以上あるので涼しいわけではない)。

その他:
今回をもって観察記録を終了するにあたって、数値でまとめてみることにした。 『軽井沢 樹木と野鳥の庭 100種の樹木と生きもの観察記録』は、文字数30万字、400字詰め原稿用紙に換算すると750枚になる。掲載写真は2460枚である。また、この観察記録の前に書いた『ソフィアート・ガーデン物語(全120話 + 2話)』は、文字数32万字以上、400字詰め原稿用紙で800枚以上。掲載写真は690枚ほどである。 この二つを合計すると、文字数62万文字(400字詰め原稿用紙1550枚)、写真3150枚である。我ながら半ば呆れつつも、根性はまあまあだと思った。
『ソフィアート・ガーデン物語』がスタートした2012年4月は、2011年3月11日の東日本大震災や福島第一原子力発電所事故など日本社会を覆った苦難から1年を経て、経済もまだ底冷えが厳しい時期であった。 2008年のリーマンショックから2012年ごろまで、振り替えると日本の経済や政治、社会にはなんとも言えない暗さが漂っていた。その明かりが見えない真っ只中にあって、弊社もスタッフM個人も、時には厳しい状況に直面することがあるが、社会とともに暗く落ち込んでいるわけにはいかない、という意志の力を奮い起こして日々、いきいきと明るく楽しい気持ちを大切に活動してきた。きっと世の中の多くの人々も、困難な状況を抱えながらも一人ひとりが命の輝きを、世を照らす明るい光として社会に灯してこられたのだと思う。
こうした2012年から2016年の激動の4年間を『ソフィアート・ガーデン物語』『軽井沢 樹木と野鳥の庭 100種の樹木と生きもの観察記録』の62万文字を書くことによって、スタッフMは、樹木、草花、野鳥、虫、その他さまざまな生きものから、とても大きな贈り物(気づき)を受け取ることができた。

すべての命は尊い輝きをもち、相互につながり、その働きはすべての命になんらかの形で伝わっていく。
イメージの力は他の生きものにも伝わり、自分自身の住む世界を徐々に変えることさえできる。イメージは言葉から生まれ、繰り返し考え、語り、書くことで力を与えられる。心と調和した正しい言葉で望ましいイメージを育てることができる。

ここ軽井沢の清浄な大気に包まれて身近な自然と向き合い、樹木や生きものたちを無心に観察し続けるうちに、こうした数々の気づきが私の心の中で芽生えた。そして自分自身の思考と感情、感覚と直感にこだわり続けて記録していく中で、自然からのメッセージとしてはっきりと立ち上がってきたように思える。支離滅裂で稚拙な文章ではあるが書くことを通して得られたものは大きい。なにより最大の収穫は、いま、ここで「そうあろう」と決意することによって、どこにいても、いつでも深い感謝と幸せを感じることができるという「心の自由」に気づいたことである。

これからは、外にある自然の「観察」から、内なる自然との「調和」へ。探究のテーマは尽きることがない。

軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures