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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2015年2月9日(月曜日)

概況:
3日の節分、4日の立春を経て、日差しの明るさの質が変化した気がする。ここ10日間の最高気温は4.9℃、最低気温が氷点下10℃以下の日は3回、真冬日は3回。比較的暖かい日もあるが屋外は容赦なく寒い。土日はスキー客が多いが、平日は人がいない。軽井沢での客商売は、この時期は客足が途絶える上に光熱費がかさむので大変であろう。2月は長期休暇の店も多い。軽井沢の2月を楽める人は、人生の苦しい時期でさえ楽しめる人ではないかという気がする。

樹木:
ソフィアート・ガーデン100種500本の木のエピソードを紹介していく。今回はブナについて。ブナはブナ科ブナ属の落葉高木。コナラやミズナラ、シラカシやアラカシのように、どんぐり(実)がつく。ユネスコ世界遺産の白神山地に代表されるような、日本の冷涼な土地の落葉広葉樹の森林のイメージはブナ林であろう。10年以上前になるが、峨峨温泉という静かな秘湯を気に入って何度か行き、古い湯治棟に滞在した。そこの宿の人がトローリーバスを運転して送り迎えしてくれるときに、道から見えるブナ林のことをいろいろ教えてくれた。ブナ林は保水力があり、豊かな水資源をもたらし、清らかな水とブナ林は切っても切れない関係であると言われる。ブナに限らず、木々の葉をたっぷりと纏った山肌は、腐葉土で肥沃なふかふかの土となり、保水力を持ち豊かで清い水資源につながるであろう。ブナは、雪の多い東北地方などでは自生しているが、軽井沢にはブナの自生はあるかどうかは私は分からない。軽井沢で樹木観察を続けているが、山で見かけたことはない。しかしイヌブナは自生しているようで、自宅の庭にもよく実生で生えてくる。いずれも葉脈が繊細なプリーツスカートのような襞状で、綿毛が生えている。ブナの黄色やオレンジの黄葉は見事である。ソフィアート・ガーデンには、自宅から移植した実生のイヌブナ、そして他所から購入したブナの苗木から育てたブナが何本かある。ソフィアート・ガーデンは比肥沃で適湿な土地であるため、ブナの生育には適している。軽井沢は雪が少なく厳冬期に地面が凍るため、ブナは難しいという人もいるが、ソフィアート・ガーデンでブナを植えている場所は自然に堆積した腐葉土で肥沃でふかふかしている上、日当たりが良い(凍結の少ない)場所なので、特に問題なく元気に生育している。

山野草、山菜、園芸種の草花:
追って記載。

野鳥:
小鳥たちは器用に狭いところを飛翔するため、時に、何かにぶつかって怪我をすることもある。特に窓ガラスなどに青空が映り込み、小鳥がぶつかって怪我をしたり命を落とすこともある。家造りにおいては、小鳥たちに怪我をさせないよう私どもは最大限に注意を払っている。幸いソフィアート・ガーデンでも自宅の庭でも、小鳥たちは元気いっぱいに活動している。しかし、時には心配事もある。
先日、いつものようにガーデンに行くと、先に行ったパートナーがガーデンの小屋の入り口で何かに驚いた様子である。急いで私も行くと、オスのシジュウカラがドアの横で身動きせず、ちんまりと座り込んでいるのが見えた。最初は、ひなたぼっこをしているのかと思い、そうっと遠くから見守った(以前、自宅の庭では、安心しきった小鳥たちが目を開けながら半分寝て(?)おり、アクビしていたこともある)。しかし、そうではなさそうである。微かに緩慢に首だけは動くものの、どうやら目が見えない様子である。
以前、老衰した小鳥が似たような様子でいるのを、庭でみたこともある。試しにパートナーが、そっとヒマワリの種を近くに置いてみた。しかし、少し首を動かすだけである。怖がらせないように、そのまま遠くから望遠で写真を撮って拡大映像で表情を確認すると、目が赤く腫れているのがわかった。老齢と言うより、何かにぶつかって脳しんとうを起こしているのではないかと思った。あるいは目に怪我をしているかもしれない。
昼間とは言え、氷点下で体が冷えないように電気ストーブを離れた位置に据えて、ほのかに暖が取れるようにして、喉が渇いたら自分で飲めるように小さな容器に水を入れ、またバターも少しのせて、シジュウカラが動かずに取れるような位置に置いた。遠巻きに見守りつつ回復を祈った。この辺でよくウロウロする猫などに襲われないように、このまま動けないようであれば自宅で保護して怪我が治るまで世話をしようと箱などを用意していると、その間に少し動けるようになったようで、数センチ先の薄暗い狭い隙間にすっと入った。ここなら猫などに狙われず安全である。シジュウカラが小さな首をうなだれて、孤独に回復を待つ姿に、どうぞ早く回復しますようにとこちらも祈りつつ見守った。
しばらくの間じっとしていたが、だんだん意識が回復してきた様子で首を動かすようになり、やがて目をぱちぱちさせながら辺りを見回し、ついには隙間から出てきて、私のほうを振り返り、近くの木にさっと飛び去った。
小鳥の生命力の強さ、そして危機でもパニックにならずにとっさに最善の行動を取れる本能に感心した。その姿は、以前、シジュウカラが煙突から小屋のストーブの中に入り込んでしまい、中で静かにじっとしていた時のように、冷静であった。(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第93話「小鳥と煙突」
翌日、フィーダーを置いてシジュウカラたちの様子を観察していたら、どうやら同じ個体らしき模様のオスがいた。フィーダーに取りに来ることはなく、ひたすら周りのカラ類たちを羽を広げて威嚇していた。まだ、目が良く見えないのか心配であったが、たぶんあの様子だと力強く生きていくだろうと期待をもった。

虫:
寒いので虫はいない。

その他:
家の中が暖かいので、油断して軽装で外に出ると、本当に寒い。土日のスーパーは子連れのスキー客などで賑やかであるが、平日は人もいない。立春を過ぎても、軽井沢は冬まっただ中、あと2ヶ月は冬である。今年は原油価格の大幅な下落で灯油が安くなり、それによって寒い地方では大変な恩恵があると思う。年々、電気の使用量を減らしているにもかかわらず、何故か電気代は高くなっているが、灯油などの燃料代は、確かに今年は安くなったと実感する。
寒いから、という訳ではないが、ウイスキーの話題をひとつ。パートナーは学生時代からウイスキーを愛好している。飲むときはストレート(私は水で香りを引き立てる)。氷は決して入れない。昔からニッカ派(というよりスコッチ派)で、いろんなものを集めている。写真はパートナーが今から30年前に買った未開封のニッカ、キングスランドウイスキープレミアムである。他にも未開封の30年前のベル20年物など。よく保存していたと感心する(呆れる)。
また、独身時代から(結婚後はスタッフMも)よくスコットランドに旅に出ては蒸留所巡りをした。スコットランドで一番小さな蒸留所(エドラダワー Edradour)が楽しかった。アイラ島には行かなかったが、最近はアイラのお酒(ラフロイグ Laphroaig)を気に入ってよく飲んでいる。この香りは正露丸好きのスタッフMにとっては、とても芳香である。薪ストーブから漂ってくるタール臭に似た、ピートモスのいぶした香りである。20年ほど前にスコットランドで泊まったB&Bで、茶色い色のついた上水に驚いたが、今思えば、これはスコットランドの大地はピートモスで覆われているが故の色であろう。(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第112話「香りを楽しむ」
ところで信州東御や上田は日本の中でも朝鮮人蔘のトップ生産地であるので、朝鮮人蔘が比較的安価に入手できる。2年物が安く手に入ったので、試しにラフロイグのクォーターカスクに漬け込んでみた。強烈な個性同士で、心も体も温まるおいしいお酒になるであろう。(参考:6年物の朝鮮人蔘の写真はこちら

軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

凍結で道路の轍が恐ろしい ソフィアート・ガーデンの小屋の温度 ソフィアート・ガーデンに積もる雪(氷) アオゲラ
カワラヒワ アトリ ツララのしずくを飲むシジュウカラ
小屋の入り口でシジュウカラが シジュウカラの回復を待つ シジュウカラの回復を待つ
毎年ツララの木ができる場所 寒いソフィアート・ガーデンとスタッフM 今週の自家製クルミパン お酒 高知の親戚からいただいた大きな文旦


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures