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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2014年6月13日(金曜日)一部、東京

概況:
梅雨の中、ソフィアート・ガーデンでは、ヤクシマシャクナゲのピンクがかった白い花が雨に濡れて満開。クレマチスや白モッコウバラも雨の中で美しく咲く。道端の紫色のムラサキツユクサやアヤメ、ピンクのムシトリナデシコが鮮やか。東京では梅雨の晴れ間の強い日差しがまぶしく汗ばむ気候。急変する天気に対応して日傘と雨傘を兼用してさす人も見られた。都会の緑地ではドクダミやクチナシの白い花、バラも咲き、元気に繁茂する草木が雨に洗われ旺盛。

樹木:
ヤクシマシャクナゲは軽井沢ではちょうどこの時期、梅雨時の6月初旬に咲く。蕾はピンク、花はほんのりピンクの差した白。その姿は貴婦人のような美しさである。高山で咲くので、文字通りの高嶺の花である。私スタッフMは、このヤクシマシャクナゲが好きであり、ソフィアート・ガーデンには40年生ほどのヤクシマシャクナゲが何本かある。葉の裏にふさふさの白い綿毛が生え、綿毛も形状もウサギの耳を思わせる。比較的大きくて荒い木姿、青みがかった濃い葉の色に、薄ピンクの蕾と純白の花。自然の色の組み合わせの妙にはいつも感心させられる。自分が一番美しく見える配色を知っているかのようである。
自宅の玄関と車庫の軒先にはクレマチスと、白モッコウバラを誘引している。クレマチスは終盤、そして今は白モッコウバラが満開である。白モッコウバラが咲くと、雨の中とはいえ、玄関先に甘い香りが漂う。
東京では、丸の内ブリックスクエアの広場のガーデンはたくさんのビジネスマンや買い物、散策する人々が憩う場所であり、彫塑などのアートや草木が上手に配置され、おしゃれな建物や店舗空間と調和して、よい雰囲気を醸し出している。スタッフMも東京駅近くを通る際には植物観察スポットとしてよく立ち寄る。6月初旬、このガーデンにはまだたくさんの種類のバラが咲いていた。スタッフMが植えてみたかったバラ、ジャクリーヌ・デュ・プレ(有名な女性チェリスト、デュプレにちなんだバラ)に似たバラもあり、写真を撮ってみた。
また都内の公園では、クチナシの白い花が咲いて甘い香りを放っていた。

山野草、山菜、園芸種の草花:
軽井沢の民家の庭先では、園芸種のムラサキツユクサやアヤメの群生が咲いていた。道端には、鮮やかなピンクのムシトリナデシコがあちこちで群生していた。これは雑草扱いするにはあまりに鮮やかで美しい花である。植物の粘液にハエなどが付着してしまうことからの名称のようだが、食虫植物のハエトリソウなどとは違い昆虫を消化吸収することはない、と解説書やインターネットサイトの植物紹介記事に説明されている。
都内の公園ではドクダミが繁茂して白い花が咲いてた。

野鳥:
東京都内の公園では、梅雨の晴れ間の熱い日差しに、水たまりで集団で水浴びするスズメが見られた(下の写真)。

虫:
軽井沢の森林の中ではストーカー虫(顔の周りをしつこく飛び回る小さな羽虫)やヤブ蚊に付きまとわれて、屋外活動が困難である。

その他:
信州産「竜峡小梅」が店先に並んだので、今年もこの小梅で梅エキスを作ってみた。梅エキス作りは時間と根気がいる梅仕事であり、工夫してだいぶ早くできるようになったとは言え、やはり一日がかりである。(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第46話「梅雨の恵み −梅仕事−」)

霧と小雨のソフィアート・ガーデンで不思議な出来事があった。ある日、ソフィアート・ガーデンの小屋で過ごしていると、もの悲しいような鳴き声が森の遠くから響いてくる。「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき 」・・・スタッフMの頭に、ふと小倉百人一首が浮かんだ。「鹿の声だろうか?」。私は鹿の声は未経験である。軽井沢には(最近こそ見かけるようになったが)本来、鹿はいない。しかし、春に一才の雄ジカもガーデンの中で見かけたことだし、あの鹿がまたいるかもしれない。もっとも秋ではなくても鹿は鳴くのだろうか・・・などいろいろと思いを巡らした。
その後、帰宅しようとガーデンから道に降りてきたところ、鳴き声が案外近くから聞こえてきたので振り向くと、近くの農業用水路の中で、一頭の子鹿が落ちてキュンキュンと鳴いているではないか!
用水路が深いため登れないのだろうと、パートナーと思案して、何本か太い倒木を組み合わせて足場をつくって子鹿が登れるようにしていると、私どもを見つけた子鹿が、泳いでいるのか川に流されているのか、どちらともつかない動きで近寄ってきた。助けてあげようとしたパートナーをすり抜けて、そのまま小さな橋の下に入ってしまった。そこでパートナーが川に降りて助けようと、長靴を小屋に取りに戻り、私は子鹿が橋の向こうに流れてくるのを待って、倒木で足場を組んで待っていた。すぐに数分してパートナーは戻ってきたが、肝心の子鹿は忽然と姿を消してしまった。数メートルほどの小さな橋の下でおぼれているのかも、とパートナーが覗いても、子鹿はどこにもいない。
私どもは小一時間ほど川の向こうまで探しに行ったが、流れていれば引っかかって居るであろう場所にも、どこにも姿は見えない。すっかり狐につままれたようになってしまった。想像するに、子鹿は泳いで遊んでいただけで、私どもに無邪気に近寄ってきたものの、倒木を差し出されて驚き、橋の下にしばらく隠れて、私どもが居る場所の反対側からひょいとジャンプして用水路から出て、森の中にさっさと帰って行ったとしか考えられない。
冬の間、狐もソフィアート・ガーデンの近くで見かけることがあるが、何メートルもの距離を軽々とジャンプする。川もひとっ飛びで向こうまで渡ってしまう。小さな体では考えられないほどの跳躍力や身のこなしに、野生動物の強さというものを思い知ることがある。


軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

白モッコウバラとクレマチスモンタナ ヤクシマシャクナゲ 子鹿
アヤメ ムシトリナデシコ
丸の内の梅雨の晴れ間 丸の内ブリックスクエアの広場のガーデン バラ・デュプレ?
東京梅雨の晴れ間 クチナシの白い花 スズメの水浴び
梅エキス作成中 梅エキス作成中2 梅エキス完成(後ろは小梅塩漬け等)


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures