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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2015年5月19日(火曜日)
概況:
雨上がりのまぶしい日差しに植物は輝き、見る間に大きくなる。ヤマツツジが満開。ルリソウが咲く。17日には晴天の中、軽井沢ハーフマラソンが開催された。ソフィアート・ガーデンではキビタキやヒガラの美声に混じって、18日にホトトギスの初鳴きを聴いた。自生する山ウドは食べ頃、天ぷらや酢味噌和えでいただいた。フキも大きく葉を広げ、収穫間近。スーパーではいよいよラッキョウが姿を見せた。梅仕事、ラッキョウやフキの保存食作りの季節ももうすぐ。
樹木:
すべての木々は、この時期、一年で最も美しい緑に包まれる。どの葉も柔らかくて瑞々しい、虫の気持ちで眺めれば「おいしそう」である。
どこもヤマツツジが満開、ライラックやフジの紫色、ハナボケのオレンジ色の花も満開である。
ソフィアート・ガーデンのヤクシマシャクナゲが薄ピンクの蕾から白い花を広げた。今年は花が少ないが、暗めの葉色に白く輝く花は清楚で、まさに貴婦人の花である。ヤマボウシの花もそろそろ薄緑色から白みがかってきた。自宅のヤマボウシはいつものように花が非常に多い。ソフィアート・ガーデンのほうは今年は控えめな花数である。ガーデンの南東に広大に広がる低地のミツバウツギの林も満開である。ミツバウツギの白い花は上品な良い香りがする。エゴノキの蕾もふっくらとちいさな雫のように垂れ下がってきた。ハクウンボクの蕾もめだってきた。勝手に自生してきたコゴメノウツギの蕾もたくさんついている。森の灌木や中低木は葉が出そろい、高木のニレの葉がそろそろ出てきた。今年はあまり種を見ない。去年はニレの種で地面が埋まるほどであった。そのせいか、沢山のニレの実生苗が育っている。また、コナラの実生苗も無数にある。そのまま放置するとソフィアート・ガーデンはニレだらけになってしまうので、適宜切ってしまう。
山野草、山菜、園芸種の草花:
14日に雲場池から旧軽井沢を散歩したら、いつもの場所にルリソウがたくさん開花していた。マイヅルソウも日当たりの良い場所では一部開花。旧軽井沢の別荘地ではマイヅルソウが群生する苔庭を見かける。旧軽井沢のとある別荘のモミに囲まれた薄暗い道路沿いに、ヤマトキホコリが群生していた。これは軽井沢ではあまり見かけない。戸隠ではよく見かけた。ソフィアート・ガーデンにも少しある。
ソフィアート・ガーデンのサクラソウ、シロバナエンレイソウはまだ美しいが、そろそろ終盤。クワガタソウが咲き出した。ガーデンに複数自生しているウドは太く瑞々しい茎を伸ばし、食べ頃になったので収穫した。葉先や細い茎は天ぷらに、太い茎はそのまま皮をむいて、生で酢味噌あえに。皮は味噌汁に。ソフィアート・ガーデンの山ウドはアクもなく、薫り高くすばらしい。ヨモギも天ぷら納めで食べて、あとは干してヨモギ茶にした。今年は、普段はあまり生えないソフィアート・ガーデンのスギナも、お茶にできるほどたくさん生えたので、こちらも干してお茶葉をつくっておいた。また、いつものカキドオシ茶も干してつくっておいた。山の恵みに感謝。
野鳥・生きもの:
最近はソフィアート・ガーデンのデッキでお茶をする。お茶の時間には、目の前の木にフィーダーをかける。常連の小鳥たちにも、お茶の時間をご相伴していただく。今、来てくれるのはゴジュウカラのつがいと、ヤマガラつがい、たまにシジュウカラつがい。ゴジュウカラのつがいは、かわいらしい小さなささやきを交わしながら一緒に飛び、目の前で(フィーダーのヒマワリの種を!)求愛給餌で口渡しで食べる。冬から初夏にかけて最も数の多かったコガラ達はみかけない。きっと、ソフィアート・ガーデンの南東に広がるミツバウツギの林で営巣中で忙しいのであろう。
自宅裏の泉の里や離山、旧軽井沢を散歩すると、今年はキビタキの声が多いと感じるし、姿もよく見かける。オオルリの声もよく聞こえる。旧軽井沢の別荘地で散歩中に「ジッ!、ジッ!」や「ブッ!ブッ!」いう蜂のような声が聞こえたので、キビタキだと思ってカメラを用意したら、案の定、目の前のフェンスに黄色い鮮やかなオスのキビタキが止まった。以前、気の強いキビタキに、ブツブツと言いながら突進されかけたスタッフMの経験(?)が生きる瞬間である。
虫:
自宅の和室にアリが10匹ほど列を作りかけていたので、いつもはアリ避けにチョークを用いるのだが手元になく、試しに洗濯用のアルカリ性のセスキ炭酸ソーダの粉末(木製品や畳は使用すると黒ずむので注意)を、アリが歩いている窓枠に置いてみた。すると効果があったのかアリは居なくなった。庭のバラの葉に幼虫がつくようになった。虫は庭を訪れるたくさんの野鳥たちとスズメバチが、そのうち残らず食べてしまうので、スタッフMは庭では虫を見かけても放っておく。
その他:
14日は台風の影響で暑くなった。パートナーがその日出張していた前橋では日本一の暑さで32.5℃だった。軽井沢でも27.4℃を記録したが、湿度がその時間は15%(一日の平均湿度は36%)と、カラリとした空気で暑さは感じなかった。しかし翌々日の16日は雨で最高気温も20℃を下まわり、湿気飛ばしも兼ねて薪ストーブをゆるゆると焚いた。この時期に限らず、梅雨も薪ストーブはたまに活躍する。この時期の薪ストーブは雨の日の洗濯物や野草茶の乾燥にも役立ち、暖房と言うより心地よい除湿器や空気清浄機のような働きをする。ところでこのところの雨と日差しと気温で、すべての植物が見る間に生長している。ソフィアート・ガーデンも、葉っぱによる太陽の「遮光率」あるいは「緑陰率」なるものを仮定して、一年で最も暗い6月を100%とすれば、今やすでに90%を超えている感じがある。5月は0%から100%を一気に駆け上がる、木の勢いに満ちあふれた緑の季節である。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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