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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2015年4月3日(土曜日)東京
概況:
3月最終週から4月第一週の軽井沢は最低気温-1℃程度、最高気温は3月31日に21.8℃と初夏並みである。所用で訪れた東京都心ではソメイヨシノが満開、そよ風に花吹雪が舞い散る。4月第一週は晴天に恵まれ花見日和で百花繚乱の皇居東御苑や二の丸庭園は大勢の日本人や外国人で賑わう。上智大学沿いの土手の桜も満開で多くの学生や社会人の宴席が開かれていた。どの庭園でもシジュウカラのさえずりが響く。人も野鳥も皆、春の短い旬を大いに楽しんでいる。
樹木:
皇居のソメイヨシノやシダレザクラ、レンギョウやヤマブキなどが満開で、緩やかな風に桜吹雪が舞い散る。ヤマモミジが薄緑色の新芽を広げて赤い花との対比が美しい。二の丸庭園の雑木林はコブシの花が咲き、クヌギが芽吹き、ヤマツツジも咲き始めている。カスミザクラやウワミズザクラの開花はまだ先の様子。二の丸雑木林の風情は、初夏の軽井沢を思わせる。二の丸庭園のツツジの大刈り込みは春紅葉で赤から緑のグラデーションの彩りに覆われる。アカボシシャクナゲも開花〜満開。ヒカゲツツジはまだ開花していないが、蕾が大きくなっていた。まさに百花繚乱である。
山野草、山菜、園芸種の草花:
皇居ではシャガの花が満開であった。以前、スタッフMが皇居を散歩しながら植物を観察していたら、庭園を管理している人が話しかけてきて、シャガは皇后陛下のお好きな花であることを教えてくれたのを思い出した。皇居二の丸雑木林のスミレは薄紫で葉が丸っこく、ブーケのようにまとまって咲いている。ソフィアート・ガーデンのスミレによく似ている。大手門から二の丸雑木林に向かう日当たりの良い草地に咲くスミレは、濃い紫で葉が小さく尖り、雑木林のスミレとは違うスミレであった。(下記に写真掲載)
野鳥:
皇居の二の丸庭園はたくさんのシジュウカラやメジロの声が響き合う。花見の人で賑わうため、いつもヤマガラたちが水浴びをしている場所は鳥の姿は見えなかった。こう人出が多いと野鳥も落ち着かないであろう。三の丸尚蔵館では「鳥の楽園−多彩,多様な美の表現」と題する展覧会が催されていたので見学した。出展の花鳥図刺繍壁掛(昭和3年)にはさまざまな鳥が刺繍で描かれ、ソフィアート・ガーデンでもおなじみの野鳥たちが生き生きとした姿を見せていた。丸の内の街路樹でカラスが二羽、細い枝を嘴でむしり取っていた。営巣に用いるのだろうか。千代田区のニューオータニの庭園樹でもカラスが枝をむしっていた。こちらも営巣準備であろうか。同じ枝に、至近距離でなぜか猫が寝ていたが、お互いに無関心であった。どちらの庭園でも、シジュウカラのさえずり声が響いていた。
その他:
東京都心、皇居の庭は花見の人々で大いに賑わっていた。皇居周辺は電線、鉄塔や高い建造物がないので、視界を遮るものがない。穏やかに晴れた青空が頭上に広がり、薄ピンクのソメイヨシノなどがよく映える。日本人も外国人も、ビジネスマンも旅行者も、皆、楽しそうに春の短い桜の旬を楽しんでいた。上智大学沿いの土手の桜並木もソメイヨシノが満開で、穏やかな風に時折花ふぶきの舞い散る中、新入生と思われる大勢の若い学生や、職場の仲間といった雰囲気の宴会で盛り上がっていた。上智大学らしく、外国人の学生らしい集団も楽しそうに宴会していた。上智大学のホームページに、創立100周年の記事として「上智大生が植えた眞田濠土手の桜」というタイトルで、当時(1959年)上智大学外国語学部英語学科の4年生だった佐竹章夫氏が殺風景だった土手に60本の桜の苗を購入し、当時佐竹氏が主将を務めていた空手部の部員たちと一緒に植えたことが記されていた。その後老舗料亭・福田家の福田彰氏から千代田区に桜の苗100本が寄贈され、こうした志ある人々の温かい心と手入れの賜で現在のような美しい姿に育ったことが記されている。 (参考:http://www.sophia.ac.jp/jpn/content/download/25896/249097/file/websophia33.pdf) 上智大学の卒業生であるパートナーも、社会人になってから上智大学で学ばせてもらったスタッフMも、この花の下を幸せな気持ちで歩いてきた。木を植える人は、幸せの種を人々の心に蒔く人である。ソフィアート・ガーデンも、いつの日か、誰かの心に幸せの種を撒くことができるかもしれない。そうであれば幸いだが、そうでなくても、すでに私どもの心には、ソフィアート・ガーデンに植えた100種500本を遙かに超える木、そしてその木に集う野鳥たちから、無尽蔵の幸せを頂いている。生きものすべてを幸せにしてくれる樹木達に心から感謝する。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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