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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2015年3月28日(土曜日)一部、東京
概況:
軽井沢は春到来。28日前後は最低気温-7.2℃から最高気温18.6℃に至り24時間で25℃以上の温度差がある。東京都心は桜が開花し3月最終週は花見日和。軽井沢の木々の芽吹きはまだだが、大地にはフキノトウやアサツキが顔を出し、スイセンの葉が芽吹き、クロッカスやクリスマスローズが開花。上信越道沿いのコブシやウメは満開、関越道沿いのユキヤナギやレンギョウも咲き始めて春色に染まる。野鳥も朝早くからさえずり、ガビチョウの早朝の歌合戦まで始まる。
樹木: 埼玉や東京都心に何度か往復する。道中、上信越道沿い(群馬県)ではコブシの花が満開、実を取るための梅の木を栽培している農地ではウメの花も満開である。民家の庭先のミツマタもきれいに咲いていた。群馬県の山中はスギ林が多く、ウメの香りを楽しもうとつい車の窓を開けるとスギ花粉の直撃を受けて涙とくしゃみで苦しむことになるので、車窓からガラス越しに眺めるにとどめる。東京は23日に桜の開花宣言。何度か所用で訪れたが、まだチラホラと咲いているだけであった。今年は東京都心なら3月最終週から4月第一週が花見日和であろう(スタッフMはソメイヨシノなら散りかけの頃が好きであるため)。ケヤキの芽吹きはまだ先だが、早くも街路樹のシダレヤナギやカエデ類(ヤマモミジ、トウカエデ)は初々しい黄緑色の若葉が萌えだしていた。
山野草、山菜、園芸種の草花:
ソフィアート・ガーデンの大地には早くもフキノトウが出る。21日に若干を収穫。同日、日当たりの良い場所にはアサツキもたくさん芽吹いていた。またクリスマスローズも開花、クロッカスも第一号が開花。スイセンの尖った葉が落ち葉を押し上げて芽吹いている。春が来た、と実感するシーンである。
東京の皇居お堀沿い(日比谷から大手町あたり)では、日当たりが良いのか延々とツクシが群生していた。まだ小さいが青々とスギナも混じっていた。
野鳥: ソフィアート・ガーデンにはエナガが多い。小屋のデッキにかかる長い軒庇の内側で、近くに人(スタッフM)がいるのもお構いなく、何やら夢中でつついている。蜘蛛の子や蜘蛛の巣などを取っているようだ。そういうわけで、小屋の軒や壁にかかる蜘蛛の巣はいつもエナガによってきれいに取り除かれ、こちらとしても有り難い。 ガビチョウが早朝から一人歌合戦で賑やかである。もともとは「中国南部,海南島,台湾,香港,ベトナム北部,ラオス北部」に生息する鳥(独立行政法人国立環境研究所のサイトより)が、ペット業者などの違法な放鳥によって日本国内で増え、特定外来種に指定されて各地で駆除などの対策が取られている(人の都合で連れてこられて駆除、とはひどい話であるが)。軽井沢でも増えている。私どもの自宅庭やソフィアート・ガーデンは沢山の野鳥のみならず彼らにも気に入られてしまったようである。水飲み場で水を飲むのは構わないが、フィーダーには決して近づけないようにしている。一応、他の鳥の邪魔にならないように手を軽く叩いて長居させないようにするが、繊細な鳥ではないため追われても気に留めない。性格はかなり楽天的で陽性である。ツグミの仲間であり、物まねが得意である。毎朝、キビタキ(トットリー、トットリー)やカラ類(ツンツンピー)、ヒヨドリ(キョロン、キョロン)などの物まねレパートリーを延々と繰り広げる。遠くで聴けば美声ではあるが、近くでは元気が良すぎてうるさいほどの大声である。(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第36話「鳥の歌合戦」 )
所用で訪れた東京では日比谷公園から皇居のお堀沿いを歩いたが、日比谷公園の池に白サギが一羽、お堀には白鳥2羽やキンクロハジロの数羽の群れがいた。
3月30日にソフィアート・ガーデンでウグイスの初鳴きを聴いた。
虫: 軽井沢でも日中は15℃以上になる日も多く、小さな蛾や羽虫が普通に飛んでいる。屋内で小さなクモの姿を見かけるようになった。夜間、家の出入りで光に誘われて蛾が入り込まないように気をつけるシーズンの到来。
その他:
スタッフMは冬の間は外出はもっぱら車で、散歩もほとんどしなかった反動で、このところ毎日アクティブに歩き回っている。もともと歩くのが好きで満員電車が嫌いなため、東京在住時はわざわざ電車を使わずに毎日何キロも歩いて通勤した。早春の軽井沢は天気が良い日が多く適度に寒いため、早足で散歩するには快適である。最近の散歩コースは、軽井沢駅前の大規模商業施設やプリンスホテルの広大な庭園をめぐるコースである。疲れたらホテルの喫茶などで気楽に休憩できるし、一般の車両が通らないため安全である。樹木も下草(芝生庭)もよく手入れされ、人工的な感じもあるが美しく、この時期は藪蚊も出ないため最高に気持ちが良い。夏は自宅から離山通りの裏の別荘地を通り雲場池を経て旧軽井沢の別荘地を歩くコースが定番だが、早春は根雪やぬかるみで道がひどいし、ひとけがないため冬眠から覚めた熊に遭遇する危険もある。また別荘地を抜け道として歩行者に配慮せずにスピードを上げて飛ばす工事車両も多いため埃っぽい。軽井沢は散歩に最適な場所に恵まれているが、散歩を楽しむには車両や野生動物との危険な遭遇を避ける工夫がいる。
東京都心に何度か所用で行ったが、中国人観光客を大量に載せたバスが銀座の大通りで路駐する光景がまだ見られた。軽井沢の駅前のショッピングプラザも、土日に限らず日本人以外の買い物客はさらに増えている。旧軽井沢銀座、と呼ばれるあたりは日本人やアジア人の客がチラホラ見られる程度。土日の日中になると車の渋滞が局所的に見られるようになった。軽井沢はようやく冬眠から目覚め、これから人口が10倍になるハイシーズンがやってくる。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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