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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2015年4月11日(土曜日)沖縄本島(那覇)
概況:
沖縄のこの時期は「うりずん」と呼ばれ、植物もいきいきと潤い人も過しやすい気候である。しかし今回は29℃以上の日もあり結構蒸し暑かった。軽井沢では4月8日に6cmの積雪があり東京も真冬並みに寒く、旅の道中は服装の調整が難しい。那覇はスタッフMの生まれ育った土地であり、親との話を楽しみ、おいしいものを食べゆっくり過すと自然と元気になる。メジロやツグミ、シジュウカラの声が響き、シーサーで営巣中と思われるイソヒヨドリが見られた。
樹木:
トックリキワタがピンクの花を咲かせていた。街路樹のアダンに実がなっていた。同じ場所に街路樹としてオオバアカテツが植えられていた。インターネットの情報によると、オオバアカテツは花に悪臭があるため、あまり街路樹としては増やしていないそうだ。
山野草、山菜、園芸種の草花:
沖縄滞在の時にパートナーが楽しみに服を誂える那覇市内の老舗テーラーさんで、店舗の上にある屋上庭園を見せていただいた。植物好きでお詳しいご子息に案内いただいた。店を構えた初代のご夫婦(お二人とも100歳のご長寿)が造った屋上庭園は、井戸水をポンプでくみ上げ池を造り、元気な鯉が何匹も泳ぎアヤメが満開であった。国際通りの中心部に、このような大きな池のある屋上庭園があるとは全く想像もしなかった。駐車場にはめずらしいパイプカズラが花をつけていた。パイプカズラは食虫ではないが、花のゴージャスな彩りと虫を誘う壺の形が特徴的で、いかにも(亜)熱帯を思わせる花である。ソフィアート・ガーデンにおけるジイソブ(ツルニンジン)のような、一見、花とは思えない印象深い形状の花である。これから梅雨に向けて、たくさん咲くということである。またピンクの鮮やかな花がかわいらしいアサヒカズラも見せていただいた。ところで私どもは植物も好きだが、英国製や日本製の往年のヴィンテージも含めた服地を探したり眺めたりするのも趣味のひとつである。老舗のテーラーさんには、昔の丁寧に織られた時代の生地がたくさんあって、眺めているだけで楽しめる。
野鳥:
メジロやツグミ、シジュウカラの声が響く。ホテルの庭を散歩していると、オオルリに似た美しい張りのある声が響いた。ホテル壁面を飾る大きなシーサーの口から、イソヒヨドリのオスが出てきた(下の写真)。きっと営巣しているのであろう。イソヒヨドリはオオルリに似て青い。ツグミ科らしく美声である。糸満に行く途中、イソヒヨドリのメスと思われる地味な個体も見かけた。沖縄ではありふれた鳥なのだろう。以前、パートナーの故郷である鳥取県倉吉市に帰省した折り、近くでイソヒヨドリの写真を撮った。今回は私の帰省の折りにイソヒヨドリの写真が撮れた。私どもの故郷は、両方ともイソヒヨドリに好かれているようである。
その他:
いつも滞在するホテルは中国人団体客で驚くほど賑わっていた。昔から沖縄は台湾からの旅行客が多く、スタッフMも見慣れた光景ではあるが、今年はあまりにも多くいつもと様相が異なる。ホテル駐車場にも「888」などのナンバープレートのバスが並び、一目で中国系の団体だと分かる。血族を大切にし一族そろって旅行するのか、大家族型の客が多い。大らかで明るい国民性もあってたいへん賑やかで活気に満ちた人々である。ビュッフェ式の朝食で、多くの人は日本人と同じように行動しているが、時に男性は声も態度も大きくて、広い大陸ではふさわしくても、狭い場所では傍若無人に思われがちなところがある。例えば、狭いところですれ違うとき日本人のように体を斜めにして譲り合うことをしない。相手が譲るのが当然という雰囲気で、列の割り込みも平気でする。尊大で悪意を感じると言うより、そもそも譲ることを知らない、並んでいることに気づいてすらいない、自分の都合が何よりも優先される、という天真爛漫(別の言い方をすれば身勝手)な印象を受ける。そうした態度に、日本人は内心当惑しつつも押され気味である。逆に女性は、声と態度が大きいのは男性と同じだが、よく気がつく気さくで優しい感じの人が多い印象。まるで、ふた昔前の日本の田舎における男女の雰囲気に似ている。自国の経済成長が国民の自信につながっているように見えるし、また男性が過度に大切にされる(甘やかされる?)文化なのであろうか。サービススタッフへの態度は、欧米系外国人はフレンドリー、アジア系外国人は冷淡・無視あるいは恥ずかしがり屋という印象である。こうした外国人客に比べ日本人客は総じておとなしい。日本人客はビジネス利用や小人数の旅行客が多いせいか、静かである。等々、お国柄を観察するには食事のシーンは良い機会である。 那覇の街もレンタカー会社も中国人客が多く見られた。今までの沖縄には見られなかった変化である。人を観察した結果をこうして記すのは失礼ではないかと思うので普段はあまり書かないが、これだけ中国人旅行客が日本に押し寄せて、さまざまな社会現象を引き起こす今日、国民性と文化の違いを理解して接することも大事であろう。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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