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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2014年9月28日(日曜日)一部、東京
概況:
秋分の日を過ぎ日差しがとても明るい。軽井沢ではこのところ雨もなく空気もすがすがしい。ユキザサやアマドコロなど草の実が木漏れ日で宝石のよう。ススキも白くふわふわと揺れる。オオカメノキが美しいサーモンピンクに紅葉し、カツラの香ばしい黄葉が始まる。御嶽山が登山者の多い土曜日の昼に突如噴火し、大災害になった。噴火や地震の脅威を目の当たりにすると大自然の恵みと脅威の微妙なバランスの上で生活しているという事実を改めて実感する。
樹木: オオカメノキの紅葉が美しい。ミナヅキの白い花がピンクの色を帯びてきた。ヤマアジサイの花がら(花が咲き終えてドライフラワー状に残ったもの)もピンクがかってきた。一種の紅葉である。野ブドウの実が紫がかってきた。日当たりの良い塩沢のカツラ並木やプリンス通りなどでは黄葉が始まり、綿菓子をつくる時やほうじ茶を煎る様なカツラの甘いカラメルのような香りがする。
山野草、山菜、園芸種の草花:
ユキザサの赤い実やアマドコロの黒みを帯びた濃い紺色の実が宝石のようである。ミズヒキやイヌタデの赤やピンクの花、アザミやツリフネのピンクの花と、夏の終わりから初秋の花は鮮やかな赤ピンク系が多いように思う。
野鳥:
毎日ヤマガラのつがいが遊びに来ては、水場でよく水浴びする。通常、水浴び好きはシジュウカラのほうであるが、今年のヤマガラは誰よりも水浴び好きで、本当に幸せそうに水に浸かっている。庭には複数の水場があるが、その中でもリビングの窓の近くの水場にわざわざ来て、スタッフMが窓から見守る中で窓に背を向けて水浴びする。そのほうが背中が守られて安心なのだろう。
虫:
夜には鈴虫の音。
その他:
御嶽山が噴火した。秋晴れの好日、登山者の多い土曜日の昼12時前の噴火であり、そのとき火口付近には大勢の登山者がいたとされる。予兆もほとんどなく(小規模の地震動は観測されていたが)まさに青天の霹靂である。まだ救助活動は難航しており被害の全貌は見えていない。たくさんの被害者が出ている様子を報道で知るたびに気の毒になる。浅間の麓に住んでいる私どもも、いつなんどき噴火するか分からない山から遠くないところで寝起きしているので他人事には思えない。実際、ここ10年の間に浅間山の噴火や噴煙被害も体験した。また2009年の秋には、浅間山2000メートルの地にある「アサマ2000パーク」で開催されたインタープリターなど浅間山麓のガイドを養成するための講習会(浅間山麓国際自然学校)にも参加し、そこで東京大学名誉教授の荒牧重雄先生の講義や登山実習(登山はパートナーのみ)を受けた。大自然は人間よりあまりにも大きくて強い。自然を畏れる気持ちを忘れず災害に備えるとともに、時には諦めることも必要であろう。 (参考:ソフィアート・ガーデン物語 第13話「学びの場」、 第81話「自然の脅威」)
自宅の玄関から駐車場にかけて伸び放題であった白モッコウバラを1/3ほどの枝の量に大剪定した。10年ほど前に植えた時は小さな苗であったが、今や幹が太くひび割れしてまるで古木の梅の木のような風情である。植えて数年で玄関を覆うほどに成長し、何も誘引しなくても勝手に軒裏に枝を這わせて自分自身を固定してしまう。まるで生きもののようで、玄関先が占拠されそうな勢いであった。またクレマチスもそれに絡み合って、花の時期は美しいが段々玄関が暗くなってしまうので、この際クレマチスも大きくカットしてみた。スッキリした。
また生け垣のソヨゴにもたれかかっていた巨大なバラのアンジェラなども1/2の量に大剪定した。あまりにバラの勢いが強すぎて、もたれかかっている木が45度に傾いてしまう有様であった。バラは植えるときはかわいらしいが、怪物のように育つので、植える場所は相当考えておかないとあとで手を焼くことになる。
東京では所用を済ませた後、日本橋三越で日本伝統工芸展を鑑賞して、ついでに屋上のチェルシーガーデンに立ち寄った。山野草がたくさん展示されていた。図鑑などで名前と写真は知っていても、百聞は一見にしかずで、実物を見ることはとても勉強になる。いつもスタッフMが観察しているのは、自然の中にある、名札のない草や木ばかりなので、園芸店は名札のついた山野草をチェックできる良い学びの場である。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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