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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2014年7月29日(火曜日)

概況:
日本列島は記録的な暑さで、7月24〜27日は全国的に猛暑が続き熱中症にかかる人が続出した。軽井沢も25日から27日まで30℃を超えたが、27日の夕方からは一転、最低気温16℃まで下がった。滝のような夕立もあったが、おおむね安定した晴天続きで梅の土用干しに最適であった。ツリバナ、マユミ、ヤマボウシには未熟実が見え、キキョウやユウスゲ、ハギが咲き、ヤマユリやウバユリも咲き出した。朝夕にはヒグラシの「カナカナカナ」という音色が涼しげ。

樹木:
ヤマアジサイは咲き終えた花がらが緑や赤に色を変えた。町中でみられるアナベルはまだ真っ白。ツリバナの丸い実が下がり、マユミの実が赤く染まってきた。ヤマボウシの丸い緑の実も葉の上に立ち上がってきた。  

山野草、山菜、園芸種の草花:
青く冴えた色でキキョウが咲く。民家の庭先でハギ、ユウスゲ、ヤマユリが咲く。ソフィアート・ガーデンではオカトラノオが咲き、ウバユリも咲き始めた。レンゲショウマの丸い蕾が細い茎の先にぶら下がる。

野鳥:
自宅の東側の巣箱でシジュウカラが営巣して雛の声で賑やかだったが、いつの間にか巣立ったのか、すっかり静かになった。巣立ちを見逃してしまった。
ソフィアート・ガーデンのハクウンボクで営巣中のメジロは雛が孵っていた。雛は二羽、いるように見える。つがいが交代で虫を獲りに行っている間、残る親鳥が巣の上の方でふっくらと蓋になっている。巣の中の雛が重くないように、体を浮かせて蓋になっているようだ。親鳥が巣に戻ると、首を伸ばして口を大きく開けた雛が賑やかに催促する。メジロにしては大きな細長い虫を一羽の雛に与えて、排泄の入った白いカプセルをくわえて飛び去った。望遠鏡やカメラのズームで視ると、親は雛をよく観察しながらも、しかし平等にではなく、より大きな口でせがむほうに虫を与えているように見える。自己主張の強い生命力の強い雛が優先されるのであろうか。
スタッフMが小屋の中から望遠鏡でじっと覗いていると、両親とも虫を獲りに(あるいは休憩か?)飛んで行ってしまい、巣には無防備な雛だけが残されてしまった。まるでメジロから「ちょっとそこの監視員さん、留守を頼んだわよ!」とでも言われているようで責任を感じ、スタッフMは親鳥が戻ってくるまでの間、捕食者が来ないように見張らざるを得なかった。親は10分ほどで戻ってきたが・・・。育てる親鳥たちも大変だろうが、営巣を見守るほうもなにかと落ち着かない。早くしっかり育って、無事に巣立ちを迎えてほしい。

虫:
こう暑いと虫が活発に動く。家の中に巨大カマドウマがいたが、ジャンプして逃げる動きが速くてなかなか捕まらない。やっと捕まえて外に出した。ムカデもいたが、あまりの俊足ぶりに獲り逃がしてしまった(足も多いためか、本気で走ると速い)。
マイマイガの幼虫が庭に一匹いた。インターネット版の日本農業新聞(2014年7月25日)で「長野県や北陸地方の一部で、7、8月にかけて羽化するマイマイガが大発生している・・(中略)・・10年に1度の周期で大発生し、数年間は継続する傾向がある」と報じている。そういえば、当地に引っ越した2004年頃はベージュ色の繭玉(綿)のような卵や特徴のある漫画のような顔のカラフルな毛虫をよく見かけたが、最近は全くと言って良いほど見なかった。今年見かけた(たかだか一匹だが)と言うことは、軽井沢でも発生周期に入っているということか。
また、同時にアシナガバチ(下の写真)も居た。アシナガバチやスズメバチなどの肉食のハチはチャドクガなどの天敵といわれ、野鳥同様にせっせと毛虫を食べてくれる。私どもはこちらに引っ越して10年、野鳥が好む木を植えて鳥たちに安心して過ごしてもらえる庭造りをめざしてきた。大切な友達(鳥たち)の食べ物に毒を盛るようなことになるので、庭には薬剤を一切使わない。虫も多いが、蝶や蛾などの幼虫は、たくさんの野鳥や肉食昆虫たちの餌食になって、いつの間にか全くみかけなくなってしまう。また幼虫たちは植物の弱ったところを適当に伐採してくれる係でもある(とスタッフMは思っている)。人間も、適宜草刈りや樹木の枝葉を剪定するが、虫たちは込み入って風通しの悪くなった部分の葉をせっせと食べてくれるので、こちらとしては木の世話をお願いしているという気持ちで眺めている。
商品となる樹木や農作物を扱う人にとっては、虫の放置は困難だろうが、個人の庭であれば薬剤に頼らず、野鳥や肉食昆虫などを味方に付けて生態系のバランスを整えるように庭造りをすれば、虫の被害はそれほど気にしなくても良いのではないか。自宅の庭とソフィアート・ガーデンという、ここ10年来の庭造りで得た観察と経験からそのように考えている(スタッフMのテーゲーな性格上、気がついたらそうなっていた、ともいえる)。
(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第24話 「蜂の芸術」、 第95話 「虫の物語」

その他:
今頃は、梅雨明け後に訪れる猛暑とともに一年のうちで最も暑い。土用の丑の日に鰻を食べる云々も、こうした暑さで体力が弱りがちな故の慣習であろう。
今年は土用入り後の暑さが記録的で、7月24〜27日は全国的に猛暑が続き、熱中症にかかる高齢者などが続出した。26日(土)には猛暑日(最高気温が35度以上)の地点は日本全体の四分の一の数に達した。軽井沢でさえ暑さが厳しかった。また、1度だけ激しい夕立はあったものの、霧もなく安定して晴れたので、6月に塩漬けしておいた梅を3日間土用干しして梅干しに仕上げることができた。
当地は寒冷地なので暖房設備は充実しているが、逆に冷房の設備がない家が多いため、外気温と室温はほぼ同じ(むしろ家の中の方が暑い)と考えた方が良い。この猛暑の中、自宅もソフィアート・ガーデンの小屋も室温が26℃を超え、上昇熱がこもる自宅の2階は29℃近くになってしまった。自宅には天井用のファンが一台あり、主に冬場に利用する(薪ストーブで暖まった熱が二階に上がるため、これを階下に拡散するために用いる)が、真夏には扇風機として使うこともある。さらにエアサイクル工法で屋根裏の熱い空気を逃がすための小屋窓を開ける装置を使って熱気を逃がし、家中の窓を開けて東西南北の風を通して暑さをしのいだ。冷房がなくても、こうした工夫だけで室温は2℃ほど下がり、風の流れがあることで同じ室温でも涼しく感じる。
今年は上昇熱がこもる2階の事務スペース用に小ぶりな扇風機を一台購入した。一年のうち数えるほどしか使わないので、安価なものを選んだが、静音タイプではないため風より騒音のほうがすごい。
27日の夕方からは急速に気温が下がり、夜は窓を開けると肌寒いほどになった。現在は室温23〜24℃ほどに戻り、湿度もなく涼しく過ごしやすい。

軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

ギボウシの花 キキョウ ヤマアジサイ(白妙の咲き終わり)
レンゲショウマの蕾 7/28正午の自宅の気温と室温(涼しくなった) 梅干し作り(土用干し) アシナガバチ
メジロ親と二羽の雛 虫をもらう雛 虫をもらう雛
おまけ:今週の自家製パン


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures