>> ホーム
 >> 会社概要
 >> 事業内容
 >> ソフィアートの研修
 >> 代表者プロファイル
 >> 研修雑感・コラム
 エッセイ
 >> ソフィアート・ガーデン物語
  全120話はこちらから


 樹木・山野草・生きもの
 >> 日々の観察記録一覧
 >> 樹木一覧
 >> 山野草一覧
 >> 野鳥・動物・虫一覧

 >> 連絡先
 >> Coffee Break


軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2014年3月17日(月曜日)一部、番外編 東京

概況:
軽井沢も春の兆し。最低気温は氷点下10℃を下回る日もあったが最高気温は12℃を超える日もある。冬と春の間を往来しながら季節は確実に春に向かっている。日差しがとても明るく小鳥たちの声も美しいさえずりに変わってきた。東京は八重の梅が美しく咲く。朝は晴れているのに急な大雨が降ったり、暖かくてコートがいらないほどの日もあれば急に冷え込む日もあり、天候の変化や寒暖の差が激しい。もうすぐ全国各地でサクラの開花が話題に登る季節になる。

樹木:
ソフィアート・ガーデン100種500本の木を紹介していく。今回はハクウンボク(白雲木)について。 ハクウンボクはエゴノキ科エゴノキ属 。軽井沢のレイクニュータウンにはハクウンボクの名を冠した小道があったと記憶している。そこに自生のハクウンボクがあるのかどうかはわからない。旧軽井沢のとあるホテルの駐車場にもハクウンボクが複数本、植栽されている。
このハクウンボクの実は、エゴの実とならんでヤマガラの大好物である。私どもはヤマガラのために、ソフィアート・ガーデンに5メートルほどの大木と3メートルほどの中ぐらいのハクウンボクを植えている。花も美しいが、私どもは純粋にヤマガラへのプレゼントとしてハクウンボクとエゴを植えている。
ハクウンボクの実のほうがエゴの実より大きめである。枝振りはすっきりとして横枝が張るので、小鳥たちが止まり木のようにとまるのに格好の枝である。冬芽は細かな綿毛にくるまれ、本来の芽の傍に副芽とよばれる予備の芽をもっている。枝先は皮が薄く剥がれ、特徴的である。花はエゴの花を大ぶりにした星形の白い花が、びっしりと下向きの 房状に咲き、美しい。花は受粉後、ぽとりと下に落ちる。木の下に白い星型の花が散り敷かれているのを見て、花が咲いていたことに気づくこともある。
ハクウンボクの実生苗は、木がまだ小さいというのに不釣り合いなほど大きな葉をつける。丸みと不整形なとんがりがある特徴的な葉である。別荘地を散歩していると、石垣の隙間から、この葉が飛び出ているのを見かけることがある。これは、ヤマガラが大好きなハクウンボクの実を貯食するために石垣や木の根元に隠したものが育ったのであろう、と推察する。別荘地でハクウンボクの大きな葉をつけた苗を見つけるたびに、ヤマガラが喜んで貯食に励んでいる姿を想像し、思わず微笑んでしまう。 エゴの花には芳香があるが、ハクウンボクの花にはあまり香りを感じない。花の時期にハチが盛んに群れ飛ぶので、きっと蜜はおいしいのだろう。大きな木の高い枝を覆うように咲く白い花の様子から「白雲木」と名付けられたと聞く。壮大で優雅な感じがする木姿である。花が白くけぶるように満開に咲く年と、ほとんど花を付けない年とがある。のびのびとした姿がそのままで美しいので剪定などはしない。大きな敷地でないとあまり良さが発揮されない木だろう。ヤマガラ以外でも、キジバトがこのハクウンボクの実を食べる。東京の北の丸公園内にハクウンボクの大木があり、私スタッフMの定点観察ポイントでもあるが、その木の下ではキジバトをよく見かける。実を食べに来ているのだろう。
(参考: ソフィアート・ガーデン物語 第32話 「一流の庭師」  )

山野草、山菜、園芸種の草花:
ソフィアート・ガーデンの山野草や山菜を紹介していく。今回はシバザクラについて。 シバザクラはハナシノブ科フロックス属。北米原産の園芸種で、ピンクや紫、白などの鮮やかな桜のような小花をこんもりと咲かせ絨毯のように広がるため、軽井沢の民家の庭や石垣などで好んで植栽される。水はけが良く日当たりのよい石垣のような場所が適地である。また、近隣の東信地域でも、日当たりの良い段々畑の境目や石垣などに植えられているのをよく見かける。自宅では日当たりの良い南向きの石垣に植えている。挿し芽で増えるが、赤を植えても白い花になってしまう、と近隣の家の方から聞いた。私は挿し芽で増やしたことがないので、その現象を確かめたわけではないが、確かにそのお宅のシバザクラは白ばかりが広がって、それはそれできれいであった。ソフィアート・ガーデンのような湿潤な森の中では育たない。そのため、別荘地ではあまり見かけず、日当たりの良い民家の庭先などでよく見かける。純和風の庭には、色目がきついので似合わないかもしれない。むしろ洋風の庭や、純朴な感じの田舎の民家の庭などで見かけると、ほっとするような穏やかな印象を受ける。初夏のある日、散歩中と思われる親子が、私どもの自宅の道沿いに賑やかに咲くシバザクラを見て「あー、サクラソウ!きれいねえ」と大きな声で褒めていたのが聞こえた。サクラソウはサクラソウ科サクラソウ属であり、シバザクラとはまったく種が異なるが、確かに、サクラソウに花が似ていると思う。散歩中の人を楽しませ「きれいね」と喜んでもらえる、かわいらしい植物であり、私も好きな草花である。

野鳥:
ソフィアート・ガーデンの遠くの森からツグミの一人歌合戦(さまざまな鳥の鳴き声をまねる)が聞こえてくる。同様に物まね歌合戦をするガビチョウとはひと味違う、陰影のある深い美声である。特定外来生物のガビチョウに駆逐されることが懸念されている「クロツグミ」であろうか。ふつうのツグミは、ガーデンでも自宅の庭でも、枯れ葉をポイポイとかき分けている姿をよく見かけるが、クロツグミの姿は最近見かけない。どこかでひっそりと、がんばっていることを願う。
エナガが「カチカチ」と警戒音を立てながら群れて忙しそうに飛んでいる。雄のキジが雪解けの地面で静かにじっとしている。キジは枯れ葉や地面の色に紛れて、じっとしているとほどんど存在に気づかない。キジは一見派手な色合いであるが、林や枯れ草の中では保護色となって目立たない。
ソフィアート・ガーデンに新入りの(と思われる)ヤマガラが、臆病な様子でフィーダーに近づき、何度も順列に入り込もうとするが、いつもは序列が後回しにされがちなコガラたちにさえも負けてしまい、なかなかヒマワリの種を取れずにいる。ガーデンを縄張りとしているヤマガラのつがいはそのときは近くで見かけなかった。ヤマガラの縄張りは他のカラ類より比較的広いため、春の営巣シーズンを前に、縄張りチェックで遠征中の時は姿が見えないのである。もし、いつものヤマガラが戻ってきて、この臆病な新入りヤマガラを見つけると大変な騒ぎになる。徹底的に追いかけ脅かされるだろう。カラ類はスズメと違って普段は群れることはせず、縄張り意識が強い。しかし食料が乏しい冬の間は、生きるための混群を形成する。混群中は同種に対しても比較的鷹揚だが、春に近づくと同種が縄張りに入ろうものなら徹底的に追い出しにかかる。小鳥の激しい追いかけっこが見られるようになると「ああ、春が近いな」と感じる。小鳥にとっては真剣勝負で大変だろうが、私にとっては一種の風物詩ともいえる。

虫:
網戸にテントウムシが止まっていた。冬眠から覚めたのか?
何年も地面に放置して半分朽ちかけた薪を、ちょっと使ってみようかと持ち上げたところ、無数(数百?)ものワラジムシが「なんだ?なんだ?」という慌てた風体で、ぞろぞろ出てきた。安らかに眠っているのを起こして悪かったと思い、元に戻しておいた。何年もの間、薪を直接地面におけば、朽ちてワラジムシの住処になるのは当然である。そのまま火にくべてしまわなくて良かった。
こうした朽ち木は虫の冬眠に使われたり、キツツキがつついて虫を食べたりする場所になる。ソフィアート・ガーデンでは、木の朽ちた枝を剪定して捨てずに、自然の中でどのように利用されるかを観察するためにあえて残しておくことがある。そのような枯れ枝はキツツキやコガラの巣に使われたりするので、結構面白い。

ソフィアート・ガーデンの土地に、昔、切り倒されて土の中で埋もれたままになっていたコナラの古木の大きな根があり、それをバックフォーで掘り出してもらったことがある(地元の人は根をドッコと呼んでいた)。それは掘り出してくれた植木屋さんによれば樹齢何百年ということで、不思議な霊力を感じる姿であったため、廃棄せずに庭の片隅に置いてもらった。今やその「ドッコ」はいい味を出し、ガーデンの守り神のようになっている。窪みに溜った枯れ葉が腐葉土になり、そこに自然に草木が生えてきて、風情ある盆栽のようになっており、春は薄紫のスミレがブーケのように咲き、ちいさなギボウシがみずみずしい葉を伸ばし、コナラの実生苗が生えている。根元のほどよい空間は、森の小動物たちのねぐらになっているであろう。コナラが芽吹く姿を見て「400年の深い眠りから覚め、再びよみがえった・・・」などとドラマを妄想して楽しんでいる。
ソフィアート・ガーデンを訪れた、若いのに風流な知人が、この自然盆栽を気に入りとても感心してくれた。後に、八ヶ岳のポール・スミザーが手掛けたピクチャレスク・ガーデン(南軽井沢の塩沢)にも、倒木や根っこを組み合わせたガーデンコーナーがあることを知った。また私どもがよく滞在する東京のホテルニューオータニは、四季折々の手入れが行き届いたすばらしい日本庭園を有しているが、その庭園の一角に流木や枯れ木の窪みに植え込んだ盆栽があり、鑑賞を楽しめる。朽ち木は、決して捨てる存在ではなく、虫や鳥や動物、そして(クリエイティブで風流な)人間にとっても魅力ある素材となるものである。

その他:
最近の暖かさで雪が溶け、昼夜を問わず、しとしとと雨のような雪解けの音がする。庭に積み上げられた雪(氷)は膝の高さまで残っているが、それらをスコップで崩して、毎日、庭の日当たりの良いところに投げておくと、どんどん溶ける。しかし地面はまだ凍結しているので、水たまりと泥で足元がひどくぬかるんでいる。日陰の厚い氷、雪解け水、シャーベット状になった雪、泥のぬかるみといった悪条件が重なり、車のタイヤもとても滑りやすい。スタッフMは自宅の車庫入れの際に、タイヤ(もちろんスタッドレス)が横滑りして、危うく車庫に車体をぶつけるところであった。町なかの道路は凍結や雪については全く問題ないが、別荘地や日当たりの悪い場所ではこの時期、真冬のドライロードより滑りやすいので、歩行や車の運転には細心の注意を要する。

軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

凍結路は滑る ハクウンボクの冬芽 白梅紅梅(東京のホテルニューオータニ庭園)
朽ち木に寄せ植え(東京のホテルニューオータニ庭園) 朽ち木に寄せ植え(東京のホテルニューオータニ庭園) 桜の花を添えて(東京のホテルニューオータニ庭園)
ヤマガラの後ろ姿 アオゲラの後ろ姿 ヒガラの後ろ姿 ヒヨドリの後ろ姿
おまけその1 今週の自家製パン おまけその2 5月のシジュウカラ夫婦


 
 
Copyright (C) 2014 Sophiart Inc. All Rights Reserved.
Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures