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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2014年1月20日(月曜日)一部、番外編 千葉幕張

概況:
20日は大寒。全国的に寒い日々が続く。軽井沢の最低気温は氷点下14.2℃。地面は凍っているが風がほとんどなく、寒さに体が慣れたためか、それほど寒さは感じない。一方で出張先の関東では、乾いた空気と強い北風で軽井沢より寒く感じる。徐々に日の入りが遅くなって明るい時間が長くなり、季節が春へ向かう兆しが感じられる。この時期、東京では梅が開花、さらに沖縄では桜祭りが開かれ、桃色の緋寒桜(ヒカンザクラ)が北部の山間部から咲きはじめる。

樹木:
ソフィアート・ガーデン100種500本の木を紹介していく。今回はアラカシとシラカシについて。 アラカシ、シラカシはブナ科コナラ属の常緑広葉樹。本来は、日本の照葉樹林を構成する樹種であり、寒冷地以外が生育に適している。軽井沢より標高が低く、気温の高い近隣地域(御代田、小諸、佐久、上田)では、植栽や庭木としてよく見かける。8年ほど前、上田市の園芸店でアラカシの若木を購入した際には「軽井沢では難しいかもしれない」と言われた。そしてシラカシの方が寒さに強い(シラカシなら大丈夫かもしれない)と言われた。シラカシは西日本の低地に多い木という認識であったため、そのアドバイスは意外であった。いろいろな木を育ててみたかったこともあり、また自宅は軽井沢の中でも古くからの住宅がある日当たりの良い温暖?な場所なので、アラカシには悪いが、まずは試しに植えてみたところ、今やたくさんのドングリをつけて元気に生長している。ただし、本来の自生地と違って寒い気候風土に我慢しながら育つためか、成長は遅い。自宅より標高が50メートルほど高く、森の中にあるソフィアート・ガーデンにもアラカシを植えた。こちらは小さい苗から育てた。最初は元気がなかったが、徐々に気候に慣れてゆっくりと育ってくれている。いきなり大きなものを植えると多分育たなかっただろう。
ガーデンにはアラカシの他に、シラカシも植えている。シラカシは特に西日本でよく見かける木である。葉の幅が、アラカシは太めでシラカシは細め、葉の色は、アラカシは濃い緑でシラカシは涼しげな白っぽい緑である。ソフィアート・ガーデンでは、アラカシよりシラカシの方が成長が早い。シラカシは数年で1メートル以上樹高が伸びている。案外シラカシの方が寒さに強いのかもしれない。上田の園芸店から、アラカシよりシラカシの方が寒さに強いとアドバイスを受けたとおりである。
軽井沢で生育可能な常緑広葉樹としてソヨゴやシャクナゲがよく知られているが、ソヨゴ程度の背丈でソヨゴより葉が密生するため目隠しにちょうど良い木である。なお、植木として購入する場合、ソヨゴより樹木の価格が低めである。
アラカシは、民家の庭に植える際には、大きくなりすぎないように「ボウガシ」として強く剪定した樹形で植栽されることが多い。しかし軽井沢では成長は遅いため、「ボウガシ」にする必要はなさそうである。自宅の庭も、ソフィアート・ガーデンも、2,3メートルほどのアラカシを複数植えているが、数年経ってようやく50センチほど枝が伸び、実がつくようになった。軽井沢という寒冷地の気候風土に慣れるまで時間がかかったのかもしれない。
昨年の秋はドングリの実なり年で、自宅の庭のアラカシにもたくさんのドングリが実った。そのため、青い羽根の強面のカケスが庭に頻繁に訪れた。カケスは森の鳥で、特にドングリが好きなようで、ソフィアート・ガーデンでは常連客だが、自宅庭にはたまに来る程度でしかなかった。それでもアラカシの木があることをちゃんと覚えていて、ドングリの実りをしっかりチェックしているのはさすがである。

山野草、山菜、園芸種の草花:
ソフィアート・ガーデンの山野草や山菜を紹介していく。今回はギボウシについて。
ギボウシはクサスギカズラ科リュウゼツラン亜科ギボウシ属。ソフィアート・ガーデンにはたくさん自生している。ギボウシの新芽の葉柄は美味な山菜「うるい」として知られる。私どもはギボウシの葉や花が美しいのを観賞したいため、葉柄を食べないが、以前、勝手に入ってきた山菜採りに乱獲されたことがある。山菜採りは、ソフィアート・ガーデンのギボウシのいくつもの新芽を勝手にもぎ取り、葉柄だけを持ち帰り、要らない葉をむしってそこら辺に捨てていた。私どもはちぎられて捨てられたたくさんのギボウシの新芽を見て、てっきり猿の仕業かと思ったが、たまたま一緒だった植木屋さんが「これは、猿ではなくて人間の仕業だね」と言ったことを思い出す。勝手によその土地に入り、山菜採り(盗り)をすることは、その土地を愛し手入れすることなく、宝だけを奪うことである。幸いギボウシは多年草なので、芽を折られても次の春にはまた芽吹き、毎年美しい葉を茂らせ紫色の花を咲かせてくれる。

野鳥:
またもや関東地方の出張が続き、数日ぶりのソフィアート・ガーデン。それでも小鳥たちは、私どもを忘れずに、車をみつけると皆が集まってきてくれる。仕事が忙しいとはいえ、フィーダーの必要な季節にプレゼントが出来ないのは本当に心苦しい。しかし、小鳥たちはそんな私どもを眺めながら、「遊びに来たよ!」という余裕の表情で生き生きと羽ばたく。つやつやで丸々と美しい小鳥たち。何を食べれば、そのような美しさと元気が保てるのだろう。大地は固く凍って、虫などどこにもいない。草もない。ガーデンに豊富に実った木の実も、この時期までには、ほとんど食べ尽くされている。それなのに全く、厳冬期の小鳥たちの美と健康は不思議であり、奇跡としか言いようがない。みんな元気で生き抜いてほしい。冬が好きなスタッフMであるが、寒く食べ物もない軽井沢の厳しい冬を身一つで生き抜く小鳥たちのことを思うと、早く冬が去ってくれないか、と祈る気持ちになる。

虫:
虫はみかけない。

その他:
先日、千葉の幕張を訪れた。スタッフMは幕張に行くのは十数年ぶりである。コンベンションの街であり、ビジネスマンを中心に外国人の姿も多い。少しだけ樹木や野鳥のチェックをした。海浜幕張駅周辺は常緑のボックスツゲやツツジやサツキ、サザンカのかっちりとした刈り込みが、ビルの林立する景観に緑の色を添えていた。立木としてシュロの木や常緑広葉樹のソヨゴやシマトネリコ、スダジイ、タブノキ、クスノキ(遠くから眺めた程度なので樹種は不明)、落葉樹のカツラ?やイチョウの木などが見られた。落葉樹は葉を落としているため、樹種は定かではないが、若干、弱っているように見えた。 刈り込みで手入れの行き届いている常緑の方が元気に見える。埋め立て地であり海に近いため潮風に弱い木もあるだろう。
下草にフッキソウやオカメザサ、アガパンサス、またサワラの園芸種であるオウゴンヒヨクなどが見られた。
ところでフッキソウは戸隠に多く自生している。(参考:「日々の観察記録」 2013年5月23日 戸隠神社
湧き水の出るようなところで、ニリンソウの群生やミズバショウの群生とともに、フッキソウの大群生が見られた。幕張の自然はだいぶ戸隠とは異なるが、フッキソウは意外と元気よくグランドカバーのようになっていた。(注意:「下草」と書いているが、フッキソウとオウゴンヒヨクはいずれも常緑の木であり、草のように小型で地を這うように低く茂るため下草として用いられることが多い)
海辺らしく、ハクセキレイがチョコチョコと歩き回っていた。またサザンカの常緑の植え込みの中から、メジロのチーチーというかわいい声が聞こえた。メジロはサザンカの蜜を舐めているのだろうか。サザンカの花がたくさん咲いていたので、メジロも嬉しいだろう。常緑の木の下にはたくさんの鳥の痕跡(排泄)があったので、夜はこれらの木を集団でねぐらにする鳥がいると思われる。(ムクドリやコムクドリなど )
電車から見た景色では、千葉みなとは海が近いためかクロマツが多く植栽されていた。こちらは土地に合っている木なのか、元気に見えた。


軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

雨樋の下はつららができる ソフィアート・ガーデンのコガラは元気いっぱい 自宅庭のアラカシ アラカシの葉 アラカシのドングリ
幕張のホテルから見た海 幕張の常緑広葉樹の街路樹 海浜幕張駅付近の下草の植え込み 幕張のホテルの植栽(常緑の刈り込み)
海浜幕張駅付近の下草フッキソウ(富貴草) おまけ:通り雨ならぬ、通り吹雪(1/21)


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures