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樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2013年7月5日(金曜日)
概況:
先週に続き雨で軽井沢は涼しいというより肌寒い。室内は気温21度、除湿器なしで湿度65%程度。他の地域では真夏日を迎えているところもある。雨の中、ナツツバキやヤマアジサイの白い花が濃い緑を背景に目立つ。7月に入り、自宅付近では夏鳥アカハラの声が聞こえだした。キビタキやオオルリ、ウグイスの声が美しい。町内の畑では麦の穂が刈り取られ、近隣の地域ではキャベツやレタスを収穫する様子。トウモロコシや夏野菜がすくすくと育っている。
樹木:
ナツツバキの白い花が毎日咲いては、地面に花を落とす。樹木が茂って雨で薄暗い庭に、ヤマアジサイの白い花がくっきりと見える。エゾアジサイが背丈程度に大きく育っている。ヤマアジサイ(クジュウサン 九重山)は斑入りの葉に水色の花で涼しげ。他にもアカガクアジサイ(赤額)や紅(クレナイ)、藍姫、黒姫、シチダンカ(七段花)などが咲いてきた。
アナベルも大きくなり花が緑から白になってきた。 つるバラは終盤。雨で花が痛み見頃を過ぎた。しかしミニバラ「雛あられ」は、これから開花。一緒に植えているアジサイとの、ピンクと青のコラボレーションが楽しみ 常緑広葉樹のソヨゴが白い小花を咲かせている。ソヨゴは関西の山地でも自生種としてよく見かけるが、軽井沢のような寒冷地でも生育し、秋にはかわいい赤い実をぶら下げ、美しい。実はヒヨドリが好んで食べる。 ムラサキシキブやヤブムラサキシキブの花が咲いてきた。「ヤブ」のほうは自生ではなく植
えたもので、葉柄に細かな毛があり、花も実も濃い紫色。自生のムラサキシキブは日当たりの柔らかいところに生え、花も実も明るい紫色。 ヤクシマシャクナゲの新芽がのび、綿毛で白い葉がウサギの耳のよう。
山野草、山菜、園芸種の草花:
クリンソウの実がついている。
鳥:
自宅付近(離山)では7月1日からアカハラ(軽井沢町の町鳥で夏の渡り鳥)が「キョロン、キョロン」と鳴く声が聞こえた。この声を聴くと、いっきに夏のムードが高まる。特に朝は、静かな森に響いて、これからの避暑地の賑やかな夏を予感させる。(>> ソフィアート・ガーデン物語 第66話「避暑地の夏」) 同じく自宅付近のキビタキが、美声で「トットリー、トットリー」(最後の「リー」は長くビブラートで消え入るように)と鳴く。この地域のキビタキのさえずりは、旧軽井沢やソフィアート・ガーデンより(観察者にとって)優雅で美しく鑑賞できる。10年近く観察していると、さえずりには方言(音階やリズム、音質の違い)があり、もちろん個体差による違いはあるが、同じ縄張りでは方言が代々受け継がれているように感じられる。 最近、自宅の庭をウグイスが縄張りとしているようで、庭を一回りしながら「ホーーー、ホケキョ!」と鳴く。ときどき「ケキョ! キロロロ・・・、キ、ケ、キョ。キ、ケ、キョ。」と谷渡り鳴き。単に歌の練習をしているだけなのか、ずいぶんのんびりした口調で鳴く。(本来は警戒鳴きなので、もっと緊張感があっても良さそうだが・・・)
虫:
生育の良い巨大な(数センチ)カマドウマがおとなしく室内を歩いていたので、虫キャッチャー(透明なカップと厚紙で自作)で捕獲して外に出す。室内はこの程度だが、外は虫の王国。
その他:
梅シロップは仕上がった。梅干し用に塩漬けしていたものが、すっかり梅酢が上がって梅の実が全部梅酢に浸るほどになった。あとは梅雨明けの土用干しを待つばかり。
町内の畑(古宿 ふるじゅく)では麦の穂が刈り取られていた。御代田や小諸、佐久あたりでは、畑でキャベツやレタスなどの高原野菜を収穫しているのが見られた。トウモロコシや夏野菜も、すくすくと育っている。
樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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