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樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2013年6月30日(日曜日)
概況:
21日の夏至も過ぎ、本格的な夏を控えて梅雨の晴れ間にはさわやかな青空がのぞく。葉の生長のピークを迎えたマユミの葉が少しずつ落ちる。ナツツバキの白い花が次々と一日だけの花を咲かせる。各種のヤマアジサイが咲き始める。民家の庭先にはムラサキツユクサが咲く。レンゲショウマの丸い蕾が見えてきた。巣立ちを終えた幼鳥が大きな体で親から餌をねだる様子が見られる。キビタキやオオルリの声が美しい。ヤブ蚊が多いため庭仕事より屋内が楽しい。
樹木:
夏至を過ぎると、落葉樹に一種の変化が始まるように見える。大きく葉を広げ、繁っているマユミの葉が、ちらほらと落ちはじめる。早い年には、ツリバナが7月に紅葉を始めた。ソフィアート・ガーデンのナナカマドも、一部紅葉している葉が見られる。これから本格的な夏だというのに、軽井沢の落葉樹には、生命活動のピークを迎えてやがて下り坂にさしかかる兆しが見え始める。
ナツツバキが次々と一日だけの花を咲かせては、ぽとりと白い花を落とす。 各種のヤマアジサイが咲き始め、葉が茂って薄暗いほどのガーデンの中で白く涼しげに見える。
また、この時期(半夏生の時期)になるとマタタビの葉が一部、白くなる。
山野草、山菜、園芸種の草花:
民家の庭先にはムラサキツユクサが咲く。レンゲショウマの丸い蕾が見えてきた。 キバナヤマオダマキが清楚なうす黄色の花を咲かせる。ユキノシタが白い花を大の字に広げて咲いている。マンネングザの黄色い花が咲く。
ガーデンに自生しているツルニンジン(ジイソブ)がいつもの場所から蔓をのばして木に這い上ってきた。この植物は朝鮮人蔘同様に、高価な漢方薬になると言われる。晩夏には、いつものように不思議な釣り鐘型の花を咲かせることだろう。
鳥:
親と同じか親より大きな体格の(しかし、しっぽは短く色も薄い)幼鳥たちが、ガーデンの大きなウラジロモミの上で「メメメ!メーメーメー!」と盛んに金属音のような独特の鳴き声で親に餌を催促する。必死で虫探しをして痩せこけて小さな親は、その雛たちに虫を与える。やがて、雛たちは、きょうだいで水浴びしたり、自分でも虫を捕ろうとしてみたり、いろいろ自然の中で学んでいる。親は私どもを見つけると、春までフィーダーのかかっていた木に集合して、なんとなく甘えた声を出してこちらを見る。子育ての疲れを癒やしてもらおうと、「子育てお疲れ様!」という気持ちでヒマワリの種を少しだけ籠に入れて木にかける。春まで顔なじみだったカラ類(ゴジュウカラやヤマガラ、シジュウカラたち)が久しぶりに集まって、しばし小鳥のカフェ状態であった。
キビタキが「ジジクェ!ジジクェ!」と凄味のあるダミ声で鳴いている。縄張り争いか。オオルリが、ガーデンの中で日本三鳴鳥にふさわしい美声でさかんに鳴く。
虫:
梅雨の晴れ間はヤブ蚊が多い。庭仕事をしようとすると蚊に刺されるため、庭仕事をやめて屋内に避難する。網戸は必需品である。
その他:
イノシシが鼻先で土を掘った後が何カ所かあった。ギョウジャニンニクは臭いがきついので嫌いなのか、また山野草は有毒なものが多いので避けるのか、そうしたところは掘られていない。
近くの農業用水の土手は週末に水利権者たちによって草刈りが行われて、すっきりと草がなくなった。 80過ぎの地元の年配の女性が、ソフィアート・ガーデンに(公道だと勘違いして)散歩で入ってきたので、声をかけ、いろいろ話を聴くついでに雑談した。文書には残されていない、この周辺の昔の話(明治時代以前)が聞けて、なかなか興味深かった。軽井沢の土地の歴史はかなり調べたが、郷土史家の書いたもの以外は文書として残されている史料が少ない。地元のお年寄りの話を聴く機会があるごとに(少々、都合良く編集されてはいるが)いろいろと興味深い歴史が聴けて勉強になる。
樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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