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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■二十四節気:立夏 2016年5月5日(水曜日)
概況:
軽井沢は26日に最高23.7℃、30日に最低氷点下2℃と気温の差が大きい。雨の日もあるがおおむね晴れて陽光が美しい。ゴールデンウイーク前半は軽井沢のスーパーは別荘で過ごす人々で大混雑するも、交通混雑はそれほどでもない。4月末にはコブシは散り桜もピークを過ぎ新緑の時期を迎える。今年の春は植物の生長が例年より2週間ほど早い気がする。春の山菜や山野草が大地を彩りキビタキやオオルリなど夏鳥も飛来。軽井沢の萌えいづる春は初夏へと向かう。
樹木:
この期間の樹木はまさに生長期真っ盛り。すべての樹木が勢いよく水を吸い上げてつぼみが膨らみ一気に葉や花が展開する。木の芽が開く音が聞こえてくるようである。みずみずしい新緑が春の陽光に透けて明るい光を放ってキラキラと輝く。なんと美しい世界であろう!気が付くと一日中庭に出て手入れしてしまう。やめられない、止まらない。庭仕事が楽しくて仕方がない。スタッフMもパートナーも庭に出るのが「中毒」のようになってしまった。小鳥たちのしぐさがかわいくて、樹木が美しくて、余りに楽しいので、スタッフMは庭で一人、木漏れ日を見上げて口を開けて笑ってしまう。まるで『虔十公園林』の虔十のようである。小鳥達の楽しいさえずりと美しい空、明るい光に輝く草木はスタッフMの宝である。幸せをさずけてくれる大自然に心からの感謝を捧げたい。ヤマブキやアズマシャクナゲ、クロモジが満開である。早春から庭を黄色い光で明るくしてくれたサンシュユはピークを過ぎた。
山野草、山菜、園芸種の草花:
大地は一気に明るい黄緑に覆われた。ウバユリやユキザサ、クリンソウ、ドクダミ、イネ科やスゲなどが葉を広げて文字通り見る間に育つ。
ソフィアート・ガーデンのタラの芽はゴールデンウイーク前半に採取して、フキの若葉やヨモギの若芽とともに天ぷらにして食べた。コゴミは採取するのを忘れているうちに大きな美しいシダになってしまった。まだウドは出てこない。自生のアサツキも半分ほど収穫、自生のミツバも次々に出る柔らかい葉を摘んでお吸い物に使う。カキドオシも紫色の花が咲いたので採取してカキドオシ茶にする。これからはもっぱら草食動物のようにガーデンの野草や山菜を食べて生活する時期である。シイタケ原木のシイタケは次々と顔を出すが、雨や霧が少ないためかなかなか大きくならない。シロバナエンレイソウは早くも満開、サクラソウは開花スタート、ヒトリシズカ軍団も見られる。園芸種のシバザクラやツルニチニチソウも満開である。
野鳥・生きもの: すでに営巣時期なので、自宅庭にはヤマガラ、シジュウカラ、コガラが一つがいずつが訪れる(それ以外の個体はつがいに追い出される)。彼らの営巣の応援に、気持ち程度にほんの少しのヒマワリを入れたフィーダーをまだ置いている。早朝からシジュウカラが気合を入れて「ピツピツピツ!ピツピツピツ!・・・(以下繰り返し)」とさえずり、自宅の2階ベランダに設置した巣箱にせっせとフワフワの苔や絨毛をくわえて敷き詰める。コガラがつがいでやってきては「ピペ!ピペ!」と雛のような声で鳴きながらフィーダーに入ってそのヒマワリで求愛給仕する。メスは自分がフィーダーからとったヒマワリをポイと捨てて、オスからのプレゼント(これも同じヒマワリだが・・・)を受け取る。たまにヤマガラ(つがい)が来て、プレゼント(ピーナツのかけら)の催促はしないものの弊社の人が手を出すと受け取る。カワラヒワの「ジュビーン」が聞こえる。自宅から離山の別荘地を通って雲場池まで散歩するとオオルリの声がする。ソフィアート・ガーデンの南に低く開けた藪や周りの森からアオジやヒガラ、メジロ、ウグイス、そしていつものカラ類をはじめとする幾種類ものさえずりが森を満たしてこだまする。カラスが小鳥たちを狙っているのか低空飛行する。アカゲラやアオゲラが高い木でドラミングする。キジが歩き、時々ケーンケーンと鳴く。4月の末にはソフィアート・ガーデンにもキビタキが飛来して黄色と黒の目立つ姿で縄張りを確認中であるが、まだあの美しいさえずりは聞こえない。
虫:
アリやクモなど様々な虫が活発に活動。カエデの瑞々しい新緑の先にはアブラムシが固まって付き、それを頼りにアリが集まる。
その他:
ゴールデンウイークは、前半後半とも軽井沢の道路混雑はあまりなく(軽井沢駅のプリンスショッピングプラザを除く)、まちなかは拍子抜けするほど人が少ない印象である。
軽井沢から車で50分ほどのところにある上田市には用事などで行くことも多いが、このたび初めて上田城を訪れた。NHKの大河ドラマで真田幸村が取り上げられている関係で混雑しているかと懸念したが、桜が終わりかけで連休の前であったため比較的すいていた。新緑が美しく藤棚に白藤が香りよく満開であった。上田城の土塁やお堀などに鬼門(北東)の角を切り落として隅欠(すみおとし)とする構造や、城北の太郎山麓への抜け道がある真田井戸、本丸西櫓の武者窓(突き上げて素早く開ける戸)や低い位置の狭間(矢や弾丸を放つための窓)など、戦いの城としての工夫が示されていた(スタッフMは戦いの城には興味がないのであまり覚えていないが)。帰路に東御の「蜂天国」というスズメバチの巣を集めた資料館に立ち寄った。入館料は無料であるが内容はすごいの一言。圧倒される蜂の巣の芸術とオーナーである塩澤義国館長の蜂への尊敬と愛情にあふれたユニークな館である。近くに行くことがあれば足を運んでみて損はない。スタッフMも蜂に対しては尊敬の念をもって(愛情はあまりないが)いるので共感する部分もあるが、ここまでするかという熱意(執念?)に驚いた。ギネス認定の蜂の巣もあり、世界で唯一のユニークな蜂の巣資料館ではなかろうか。(注:展示物の写真は施設の方に許可を得て撮影している)(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第24話「蜂の芸術」)
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート スタッフM( 竺原 みき )
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