|
|
|
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■二十四節気:霜降 2015年10月24日(土曜日)
概況:
軽井沢は晴天続きでとても過ごしやすい。平気気温は10℃前後、最高気温は20℃前後、最低気温は15日に1.8℃まで下がる。もうすぐ氷点下である。紅葉は例年より1、2週間ほど早いペースで進み雑木とカエデが同時に色づく。青空に錦秋の山がくっきり映え鮮やかな実が艶を添える。大地にはドングリの豊かな実りが落ち、それをカケスたちが冬支度でどこかにしまいこむ。ソフィアートガーデンは色とりどりの落ち葉で覆われ、歩くとサクサクと乾いた音がする。
樹木:
軽井沢の紅葉は今年は例年より1、2週間ほど早い印象を受ける。雑木とカエデ類が一緒に紅葉する年である。色づきは思ったより良い。ムラサキシキブ(紫)、ニシキギ(赤)、ニンドウ(黒)、コブシ(黒と赤)、ソヨゴ(赤)など、秋の雑木林に実がつやつやと光る。園芸品種の栗、ぽろたんが今年初めて収穫でき、数はまだ少ないが自生の山栗の何倍にもなる大きい実に感動する。コナラ、ミズナラのドングリがソフィアート・ガーデンにいっぱい落ちている。マルバの赤い花が咲く(マルバは葉を落とすこの時期に、マンサクに似た花をつける)。
豊田市の小原和紙の里の広大な庭では、コウゾ、ミツマタなどを見ることができた。コウゾはクワにそっくり(クワ科)、ミツマタは花のつぼみをたくさんつけていた(春に花が咲く)。ガンピは希少でほとんど自生が見られないとのことだった。
山野草、山菜、園芸種の草花:
三河からの帰路、高速道路沿いにはススキとセイタカアワダチソウの攻防が見られた。ほぼススキが優勢で、セイタカアワダチソウは小振りで劣勢な印象を受けた。
野鳥・生きもの:
ドングリを目当てにカケスがソフィアート・ガーデンによく訪れる。カケスの声はギャース、ギャースというダミ声である。イカルの澄んだ声もする。さまざまなカラ類も日常的に遊ぶようになり、私どもが水飲み場の水をきれいにすると、うれしそうに皆が寄ってきて次から次へと順番に水場で楽しむ光景が見られる。
虫:
10月10日に雪虫がちらほら飛んでいるのを見た。今年の雪予想はいかに。
その他:
10月11日に、東京大学白ばら会合唱団70周年記念祝賀会が学士会館で開かれたので行ってきた。私スタッフMは今から30年前、白ばら40周年の85年度に入団した(その年の定演はオーケストラ+白ばらでブラームスのドイツレクイエムであった)。今回、祝賀会の司会をしていた学生さんは同期のお子さんであるのは隔世の感がある。子供の世代にあたる現役団員さんたちとお話しでき、また同期の友人とも久しぶりにお茶を楽しんだり、同世代の方々とも四半世紀ぶりにお話しできて、幸せな楽しいひと時を過ごした。東大白ばら会の皆さんは音楽的にも知的にも大変レベルが高く(スタッフMはついていけない・・・)、人格も品行方正な良い人ばかりで、卒業後も社会的に活躍される方が多い印象である。今思えばすばらしい場であり、そのような環境で学生時代を過ごし、音楽にどっぷり浸かることができたのは良い思い出である。30年経った今でもよい仲間に恵まれており、そのことに心から感謝している。
10月中旬には三河地区の出張移動の途中、小原和紙の里にある山内一生工房を訪ねた。私どもは植物をモチーフにした同氏の作品(小品)を2つ所有しており、毎日眺めている。工房の作家さんに案内いただき解説や説明を受けた。楮(こうぞ)、ミツマタは繊維の長さが違い、この工房では主に土佐楮を使って作品にしているとのこと。和紙の原料のガンピは繊維が細く滑らかなため、主に書の紙として用いられ、この工房では使用しないそうだ。さまざまな化学染料をスポイトで和紙の原料に流し込み筆のように使って色を付け、絵を描き、紙にして漉く手法で、あの独特な霧のかかった様なニュアンスが生まれるようのだろう。作品は自然乾燥させるため、夏はあまり日差しが強いと急に乾いて縮みやすくなるが、今の季節は空気も乾いて日差しもほどほどで、乾燥が良いそうである(話をメモしていないためスタッフMの記憶間違いがあったらご容赦いただきたい)。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
|
|
| |