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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■二十四節気:白露 2015年9月8日(火曜日)
概況:
8/25には平均気温が13.6℃と涼しさを通り越し肌寒いほど。室温は20℃を下回り、26日には薪ストーブと床暖房の慣らし運転をした。サンプルーンやリンゴつがるが店頭に並ぶようになった。庭のヤマボウシも赤く実り鳥やスズメバチたちが集まる。石垣島で観測史上最高の瞬間最大風速71メートルを記録した台風15号は、九州四国、中国地方などにも多大な被害を及ぼす。台風18号の記録的大雨で茨城、栃木では甚大な水災害が起こるなど台風シーズンの到来でもある。
樹木: 秋の返り咲きで庭の白バラがたくさん咲いている。日光を求めて生垣の高い木をクライミングし、3メートル以上の頂上で咲いている。クライミング性のつるばらなので登るのが得意である。自宅からはほとんど見えないが近隣からはきっと楽しめることだろう。
ヤマボウシの実は今年は早くも8月の中旬ごろから実り、ポトポトと庭に多量に落ちる。庭のヤマボウシは大きくて実りが良い木で、枝の広がりが直径数メートルにもなるため近隣にも少々実が落ちる。その近隣の掃除を毎日パートナーがしてくれた。デッキから手を伸ばして収穫できるきれいな実は、ヤマボウシ酒にしてみた。ヤマボウシの実はジャムにしてもおいしいが、作るのは少々面倒である。その点、ヤマボウシ酒はお酒に漬けるだけなので簡単、数年前に作ったものはきれいな赤ワイン色で柔らかな甘さも加わり、なかなかおいしい。
ソフィアート・ガーデンのマタタビの実の虫エイ(ちゅうえい)が毎日たくさん落ちる。そのたびにパートナーが拾って丁寧に洗い、マタタビ酒にしている。スタッフMは知らないことを調べたり、改善したり、考えて試行錯誤する実験的な試みは好きであるが、同じことにはすぐ飽きてしまう。その点パートナーは一度やり方を覚えると、まだ続けているのかとこちらが驚くほど、飽きずに(懲りずに?)継続するところがある。ジャム作りもパートナーのほうが丁寧で、美しくおいしいものをつくる。弊社の仕事では、そういう才能を発揮する機会はないが、コンポートやコンフィチュールなどの果物加工は(たぶん)かなりの腕前かも、と身びいきのスタッフMは思う。
山野草、山菜、園芸種の草花:
紅白のミズヒキの実があちらこちらから伸びる。歩くとズボンにつくので、通路沿いは切ってしまうが、自然の妙、美しい大地の飾りでもあり、増えるに任せている。一部、草紅葉も見られる。ゲンノショウコの小さな白い花が咲いている。咲き残りの青いツユクサが点々と咲いている。ススキの赤い穂が出てきた。ガーデンに自生しているツルニンジン(ジイソブ)の花が咲いている(9/4)。ウワバミソウも茂っている。ウワバミソウは赤ミズなどと呼ばれる山菜で、葉や花実を除いて瑞々しい茎を油炒めなどにすると癖もなくおいしい。当地に住み始めた十余年前は食べたが、春とは違ってこの時期の山菜は、やぶ蚊もいるので採取が面倒になり放置している。ガーデンには赤ミズより味が良いといわれる青ミズもある。人気の高い山菜を食べずに放置しているのは宝の持ち腐れと言われそうであるが、この時期は山菜採りに興味がわかないほど、おいしいものに事欠かない。
野鳥・生きもの:
庭はカラ類の混群の巡回ルートになっていて、毎日10羽ほどのかわいいにぎやかな団体が訪れる。今年生まれた幼鳥なのか、薄いネクタイのシジュウカラ、コゲラ、最近はコサメビタキなども混じっている。コサメビタキは目のぱっちりしたかわいらしい風貌で、物おじせずにいろいろなことをするので面白い。机に向かっていたら、窓をごそごそする音がするので、何事かと外をのぞくと、コサメビタキが窓の霧除けに乗ってなにやら探している様子。霧除けに何かいいものでもあるのだろうか、蜘蛛の巣か?それを真似てシジュウカラも同じことをするようになり、小鳥たちの鳴き声や好奇心に満ちた小さな活動音で庭は賑やかである。
虫: 雨や曇り続きでストーブをつけるほど肌寒い中、8/27は少しばかり日が差した。その日差しにすがりつくようにミンミンゼミが命の限りに鳴いている。もう夏は去り、秋が静かに押し寄せるこの時期、ミンミンゼミの一人取り残されたようなソロを聞くと、少し物悲い気持になる。もっともセミにとっては余計なお世話だろう。夜は秋虫の音が降るように、窓を閉じていてもよく聞こえる。
その他:
パートナーの故郷から20世紀梨が届いた。東郷産で、特に今年はとても出来がよく、甘くてみずみずしい最高品質の梨である。スーパーの店頭にはリンゴつがるやサンプルーンも並ぶようになった。果物の季節である。
関東北部を記録的な豪雨が襲い、降り始めからの雨量が400-600mlとなり、鬼怒川の堤防が決壊、常総市などで広範囲の住宅などが水没した。軽井沢も毎日ほとんど大雨続きで湿度が高く、薪ストーブを焚いたり除湿機を使って湿度を下げる工夫をしないと屋内にカビが発生する。台風は風、雨ともに日本における自然の猛威である。その他、火山の噴火、地震など、9月は防災を意識するシーズンで何かと落ち着かない。早く秋晴れのカラリとした明るい天気のもとで散歩したいものである。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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