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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2015年5月5日(火曜日)
概況:
ゴールデンウイーク後半の軽井沢は晴天続きの穏やかな初夏の日差し。車の混雑はピークで、国道18号はいつにも増して長蛇の列。ソフィアート・ガーデンではウグイスを始めさわやかな野鳥のさえずりで賑やか。今年はコブシやオオヤマザクラの開花と終わりが特に早い。コブシは当たり年でどこも真っ白であった。木々の新芽も一気に展開。サクラソウやエンレイソウ、ヒトリシズカなどの山野草も開花。軽井沢の春は5月の初めで一気に初夏に切り替わった。
樹木:
アズマシャクナゲは満開のピークを過ぎた。今年はコブシが当たり年で、普段は花をほとんどつけない木まで真っ白である。すさまじいほどの咲きぶりであった。それらも白い花弁を散らし、終了。オオヤマザクラは満開を過ぎ、こちらも終わりつつある。そしてヤマツツジが日当たりの良い場所では満開である。黄色が美しいヤマブキもそろそろ終盤。早くから黄色い花を賑やかに咲かせたサンシュユもようやく終了。クロモジも新緑の緑が花の黄色に勝っている。今年は気温が高めで晴天続き、日当たりも良好のため、花の始まりと終わりが早く、木々の新芽も一気に展開して、軽井沢の春は一気に初夏に変わった感がある。
山野草、山菜、園芸種の草花:
ソフィアート・ガーデンではサクラソウ、シロバナエンレイソウが咲いた。ヒトリシズカも白い小さなブラシのような花をつけた。カキドオシに花がつき、クマンバチがその蜜を求めてブンブンと飛び交う。カキドオシ茶にするために花ごと収穫した。瑞々しいので天ぷらやおひたしにしてもおいしい。また毎日、ミツバが伸びるのでこれも収穫してお吸い物の具にする。アサツキも収穫。ヨモギのふわふわと柔らかな新芽も沢山収穫して天ぷらにする。タラノメも収穫して天ぷら。フキの小さな葉も天ぷらや味噌汁の具にする。すでにフキノトウの綿毛が飛ぶ時期になり、毎日見る間にぐんぐん育ち、フキの葉も掌ほどの大きくなってきた。今年はウドが消えてしまったと思ったら、他の山菜を食べ終わった頃、今日になって地面から見えているのを発見。今年は他の植物や山菜類は1週間以上早い気がするが、ウドの芽吹きだけは遅かった。 4月の終わりに離山の市村記念館の庭園を散歩したら、スプリングエフェメラルのヤマエンゴサクが沢山咲いていた。ネコノメソウやアカネスミレ、ホソバノアマナも咲いていた。雨宮池がなぜか水抜きされていた。ここはガマなどの水草が豊かに茂る野鳥の憩いの場であったはずだ。かつて、オーナーであった方が「この池は鴨が卵を生む場所なのよ」と嬉しそうに教えてくださったのを思い出す。その方は、この場所の豊かな自然を残して活用してほしいと思いを託して軽井沢町に寄贈したと、生前に伺った。いったいどのような理由で水抜きされているのだろうか。ミズバショウの白い花が、水のない池にぽつんと咲いている姿が切なかった。
野鳥・生きもの:
離山通りを散歩するとオオルリの声が聞こえたような気がした。ソフィアート・ガーデンでも4月後半に一度、オオルリの声を聴いた(ような気がする)。しかし、キビタキのさえずりはまだ聞けない。キビタキはソフィアート・ガーデンで姿こそ見えるが鳴かない。同じ場所で、ガビチョウがキビタキの真似を大音響で繰り広げているためであろうか。そうだとすれば、困ったものである。ウグイスは盛んに鳴く。アイガモたちも、ガーデン脇の農業用水路でのんびりしているのが見える。自宅の庭では、ガビチョウのつがいが庭のモミの木に営巣しているのか、入り浸って大声で物まね歌合戦をする。そのせいか春先はいつも自宅庭で美しく鳴いていたウグイスもカラ類も、自宅庭から駆逐されてしまったかのようである。ただし、ガビチョウが庭に居ないときはシジュウカラ夫婦やヤマガラ夫婦、ヒガラ、メジロなどが来る。朝4時40分頃「ピツピツピツ」と恒例のシジュウカラの縄張り宣言、そして朝6時前にガビチョウの大音響の縄張り宣言。そしてヤマガラが「スィスィ!(スタッフM訳:ヒマワリの種のプレゼントが切れているよ!)」と鳴いて催促する。自然界に虫が出だしたので、フィーダーにはヒマワリを入れる時期ではないが、定期的にヤマガラ夫婦がやってきて挨拶代りに、この「スィスィ!」で催促する。そのたびに、ほんの数粒のヒマワリの種をフィーダーにのせる。彼らはそれをせっせと貯食なぞしている。鳥との友情の証として、まあこの程度のプレゼントは仕方あるまい。 この時期は、鳥同士の婚約の証として何度も求愛給餌が繰り広げられる。本来は虫のプレゼントを口移しでオスからメスへあげるようであるが、まだ肌寒い軽井沢では虫が足りず、時には私どものフィーダーから取ったヒマワリの種も使ってプレゼントしている。 ソフィアート・ガーデンでも、フィーダーにはシジュウカラやヤマガラ、ゴジュウカラ、コガラなど一つがいずつが立ち寄る程度である。この時期、同種同士は縄張りを追い払い、異種についてはあまり気にしないようであるが、先日は、ヤマガラがフィーダーに来たシジュウカラやコガラを追い払っていた。そのうち営巣が本格化するようになると、誰もフィーダーに見向きもしなくなる。
虫:
庭にズジグロシロチョウがとまっていた(下の写真)。よく見かける蝶である。
ソフィアート・ガーデンで、洗剤をつかわない水だけの洗車をしていたら、水を浴びた白い車に次々と小さなハエのような虫やガガンボが寄ってくる。乾燥した天気続きで、虫も水を欲しているのだろう。ついでに藪蚊かブヨに3カ所ほど刺されてしまい腫れた。もうすぐ苦手な藪蚊の季節がやってくる。今のうちに、庭での植物観察やデッキでのお茶を十分楽しんでおかないと、そろそろ屋外活動が困難な季節になってしまう。
その他:
今年の軽井沢は、ゴールデンウイーク前半は人も車もまばらで、いったいどうしたのだろうと思ったが、やはり後半は、例年の大混雑が見られた。 スタッフMの恒例行事として、5月連休の初日に、軽井沢内の別荘地をドライブして別荘人の様子を観察した。春から初夏にかけて、来る夏の本稼働を前に、別荘開きを兼ねて訪れる別荘人たちの姿は、スタッフMには一種の渡り鳥に見える。冬の間ひとけのなかった別荘地にコブシやオオヤマザクラの花が咲き、緑が芽吹き、人々がウキウキと楽しそうに訪れて明々と灯りがともる。あちらこちらの別荘や保養所で、皆でバーベキューや会食をしている様子が、軽井沢を一巡りするドライブの道中に垣間見える。人々がそれぞれの別荘で幸せそうに団らんしている様子を見ると「天気も晴れて暖かで自然も美しくて、よかったね!」と、こちらまで嬉しくなる。羽の生えた野鳥たちだけでなく人間の「渡り鳥」も次々と軽井沢に飛来してうきうきと明るく賑やかになる様子は、眺めていてとても楽しい。彼らも野鳥たちも、皆、軽井沢が大好きなのだ。もちろん私どもも同意である。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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