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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2015年4月26日(日曜日)伊那〜豊田市、名古屋市
概況:
春の信州伊那から愛知県豊田市の旅。伊那は中央アルプスの山並みを背景に春の花と新緑で春の景色。垣内カツアキ氏の個人美術館である伊那アルプス美術館を尋ねた。伊那の風景を中心に描く穏やかで明るい絵に心が洗われた。豊田市では豊田市近代の産業とくらし発見館を閲覧、日本の産業を支える自動車産業の源流に触れた。整然とした街並みには低木のツツジが植栽され、高木(木陰)が少ない印象。個人宅の庭は松や花木の植栽が美しく手入れされていた。
樹木:
ソフィアート・ガーデンのウメやスモモの花が開花。伊那ではサクラ、コブシ、ウメ、モモなどが咲き始め新緑と相まって美しい。遠くに中央アルプスの山並みが雪を頂き、清い水のような景色である。
豊田市の挙母町の児ノ口社(ちごのくちしゃ:資料館の人の話では、昔、古墳があったところに建てられている神社で、古事記の垂仁天皇の子孫に由来するとのこと)では里桜が満開で散りかけ、コデマリの花が咲き、モミジなどの新緑が初々しい。ご神木のようなムクノキがあった。樹齢は不明だが胸回り4.4メートルの巨大な木である。挙母町の街なかは大きな道路が整備され、街路樹はあまり見られずツツジなどの低木や灌木が少し植栽されていた。広い道路にほとんど木陰がないので、暑い夏に道を歩く人は、木陰でほっと一息つくことができないのが気になる。それとも車社会なので、あまり歩かないのか。個人宅には、立派な松や花木の植栽が手入れされ、大きな庭を持たない家も鉢植えなどで植物を楽しんでいるのが感じられる。しかし町としては街路樹をそれほど重視していない印象である。そのためか、街なかで野鳥をほとんど見かけない(庭木が豊かな個人のお庭や神社にはいるかもしれないが)。
山野草、山菜、園芸種の草花:
ソフィアート・ガーデンではカタクリ、スイセン、スミレが開花。伊那では民家の庭先のスイセンやシバザクラが美しい。名古屋ではビルの植栽でクリスマスローズが咲いていた(この時期に咲くのか?)。名古屋駅近くのビルではガーデニングのイベントが催されるのか、様々な花で美しく植栽されていた。
野鳥・生きもの:
豊田市中心部や名古屋駅付近で見かけた鳥はハトぐらいだろうか。郊外には田園が広がるので、そのあたりでは沢山の種類が見られるだろうが。
その他:
豊田市は工業都市と思いきや、電車や道路の車窓からはのどかな田園風景が果てしなく広がるのが見えた。山らしい山は見えず平地が続く。矢作川からの治水技術により用水が発達し、田畑が広がる豊かな土地なのだと思った。
豊田市の駅の近くに、豊田市近代の産業とくらし発見館という資料館があったので観覧した。建物は登録有形文化財で、かつては養蚕取締所として、また後には図書館等にも用いられていた建物である。展示はわかりやすく、豊田市の歴史(用水や治水、交通)や主要な産業(鉱業、製瓦業、養蚕、ガラ紡、そして近現代の自動車産業)が一望できた。
豊田市の中心部にあたる挙母(ころも)は古くから繊維で栄えた街である。世界恐慌により繊維業が大打撃を受けたが、豊田喜一郎氏が、この挙母町の論地ヶ原の広大な原野を取得し、トヨタ自動車の母体である豊田自動織機の自動車部の挙母工場を建てた。町を挙げて自動車産業を築き現在のトヨタ自動車の拠点となった。かつて栄えた綿のガラ紡工場などを自動車部品工場に転換するなど、かつての主要産業の財産を近現代の自動車産業に生かすことができたと説明されていた。
ところで、豊田市にもたくさんの中国人旅行客の団体が訪れていた。自動車産業の中心地だけに道は広く整備されているものの、鉄道網が比較的まばらな印象。鉄道網は、他の都市に比べて、初めての旅行客にはわかりにくいし、駅員に尋ねようと思っても無人駅のため誰もいない駅もあり、ちょっと参った。仕事で移動する人は、公共交通機関よりも、タクシーをよく使うようだ(しかも長距離)。自動車も多く車がとても混む。余談であるが、豊田市の王将には「レクサス」「アルファード」などの定食メニューがあった。さすがお膝元である。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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