|
|
|
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2015年1月5日(月曜日)
概況:
元旦から2日にかけては最低気温が氷点下13.7℃、三が日は真冬日と、ようやく冬らしい寒さになった。曇りで初日の出は見られなかったが、夜は穏やかに晴れて、風もなく、とても静かで星空が美しい。こういう日は放射冷却で冷え込む。この冬は日本海側は積雪量が多い。気象庁によれば「エルニーニョ現象」が発生しているらしい。全国的には暖冬と言うよりは寒い冬だが、軽井沢では虫の様子や小鳥の水場の溶け具合から意外と寒さは強くないのではと感じる。
樹木: ソフィアート・ガーデン100種500本の木のエピソードを紹介していく。今回はヤマコウバシについて。ヤマコウバシはクスノキ科クロモジ属の落葉低木。名の通り枝や葉に良い香りがある(コウバシ:香ばしい)。厚めの葉は秋に鮮やかなオレンジ色に紅葉し、その後、黄土色になって枯れ葉のまま冬の間は枝にとどまる。初夏の新しい葉が展開する頃にやっと古い葉が落ちるので、落葉樹ではあるがほぼ一年中葉がついた状態である。濃い常緑と違って涼しげで山の風情の樹にマッチするため、自宅の目隠しとして日当たりの良い西側に日よけ兼、冬の目隠しとして植栽している。軽井沢での生育は順調で、よく背が伸びて枝も暴れないので庭木として重宝している。
山野草、山菜、園芸種の草花:
ソフィアート・ガーデンの山野草や山菜のエピソードを紹介していく。今回はツルニンジンについて。ツルニンジンはキキョウ科の多年草。ジイソブとも呼ぶ。「爺そぶ」があれば「婆そぶ(バアソブ)」と呼ばれる種もある。「そぶ」はソバカスの意味で、花の中にソバカスのような模様があることに由来するらしい。なぜ「爺」、あるいは「婆」かという名前の由来は、葉に綿毛(髪の毛の例えて)があるかどうか。ジイソブの葉には綿毛がない。またバアソブはジイソブに比べて花が小ぶりである。ツルニンジンは、ソフィアート・ガーデンでは6月頃にいつもの場所につるを巻き付けて生えてきて、9月初旬に花を咲かせる。いわゆる朝鮮人蔘同様に(あるいはそれよりも)貴重なものらしく、滋養強壮に珍重されるとか。以前、ソフィアート・ガーデンの土を掘っていて、ツルニンジンの根と思われる大きな朝鮮人蔘状の根っこを見つけたことがある。その当時はツルニンジンのことを知らなかったので、適当にそこら辺の土に埋め戻した。そのうち増えてくれればいいと思うが、希少種だけあって増える気配はない。 ちなみに、ソフィアート・ガーデンではコブシ大のトリュフそっくりのジャガイモのようなキノコがコナラの大木の根元に転がっていたこともある。保存しておこうか迷っているうちに見かけなくなった。よく庭を歩いているイノシシが食べてしまったかもしれない。またフランスの珍味モリーユ(アミガサタケ)もよく生える。ソフィアート・ガーデンはグルメに珍重される食べ物や希少な生薬がある面白い場所なのではないか、と妄想を楽しむ。
※2018年4月21日追記 ここで記載したトリュフに似たキノコは「イモタケ」ではないかと思う。その後もたまに地上に転がっている。 参考サイト:群馬県 野生きのこの紹介 イモタケ
野鳥:
ルリビタキのメスがしっぽを上下にふっていた。目がぱっちりとしている。
虫:
ソフィアート・ガーデンの小屋を氷点下から20℃近くまで薪ストーブで温めたら、数は少ないものの、またカマドウマが暖かい室内に避難してきた。もちろん、氷点下の外界に返す。
その他:
年末は私スタッフMの大学時代の友人が我が家に遊びに来てくれた。友人は学生時代から今に至るまで、忙しい仕事の傍ら、ずっと歌を続けている。娘さんも器楽を習っておられ、音楽の話題で楽しんだ。別の友人も、ご子息が音大で彼女自身も音楽好きである。私の友人は音楽好きな人が多く、家にお迎えして音楽を一緒に聴いたり、音楽を共通の話題として楽しむことができて幸せである。パートナーは、音楽に対する豊富な知識(本人は否定するが)と感性を携えて私の友人達を暖かく歓待してくれる。いつまでも変わらぬ友人達に心から感謝するとともに、常に私の世界を一緒に広げてくれるパートナーにも感謝したい。
正月は甘い花豆や、鳥取県倉吉市の栃餅と小豆でぜんざい(雑煮)を作った。甘い煮豆の好きなスタッフMにとって楽しい食生活のスタートとなった。新そばの季節に入ってからは、信州蕎麦ばかり食べている。信州の新そばは、おいしくて全く食べ飽きない。今年もいろいろな事に対して、地道に苗を植え種まきをして手入れをするとともに、同時に豊かな実りに感謝できる一年になりますように。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
|
|
| |