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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2014年11月11日(火曜日)沖縄本島(那覇〜名護)
概況:
沖縄滞在の記録。11月の沖縄は天候も安定しているが、まさかの台風接近。しかし風が強い程度で好天に恵まれ、気温も20〜25℃ほどであった。街路樹のトックリキワタにピンクの花が咲き、サガリバナも咲き始めていた。メジロがチーチーと飛び交う。城岳小学校近くでリュウキュウマツの街路樹を、そして開南小学校にはオオゴマダラの食草ホウライカガミを見かけた。南風原のかすり会館(琉球絣工房)を見学し、名護の公立大学法人名桜大学を訪問した。
樹木: 那覇市の街路樹トックリキワタはピンク色の花が咲いていた。パレット久茂地のビルの前にあるサガリバナも、たくさんの蕾と一部の花が咲いていた。城岳小学校前の街路樹はリュウキュウマツであった。スタッフMが子供の頃は、街路樹と言えばフクギやデイゴ、モクマオウなどの樹種を覚えている。フクギはもともとの地元の在来種なので、現在でもよく見かけるものの、デイゴやモクマオウは新たに植えている様子をあまり見かけない。デイゴは幹が太り根が大きくなりすぎて道の舗装がそれによって壊れているためか、無残な根の切り方をされている姿を見かけた。また以前タクシーの運転手から、デイゴは虫害でここ何年か花が咲かないと聞いた。デイゴの真っ赤な花は美しく、私の好きな木であったため、現在の様子がかわいそうである。新たにトックリキワタという外来種が植栽されていることが多い。これは幹がトックリ状に膨らみ、しかもトゲトゲがある。酔っ払いがこの木に抱きついて痛い思いをする、と誰かから笑い話で聞いた。私はそのとげとげしい風貌があまり好みではない。リュウキュウマツの街路樹はちょっと面白いと思ったが、濃い常緑なので少し暗い感じもする。同じ常緑でもフクギの緑は美しく明るいが、これも、オレンジの実(コウモリが食べる)が落ちると美観を損ねるのでその点が舗装された街の街路樹としては難しいと聞いた。街路樹として列植される木ではないが、ガジュマルの大木はあちらこちらでシンボルツリーとして見かける。これはキジムナー伝説の木であり、沖縄県民なら皆が?好きな木であろう。もちろんスタッフMも好きである。しかし根が広がるし強いので、建物の近くでは植えない。個人の庭と言うより公共施設や公園などの広々とした庭に向く木である。ガジュマルの大木は沖縄らしくて格好良い。
山野草、山菜、園芸種の草花:
植栽の花はさまざまに咲いているが、野原ではもっぱらススキ。どこの道路端もススキ原である。外来種セイタカアワダチソウは全く見かけない。とうに駆逐されてしまったのだろう。毎年の台風で塩害もあるだろうが、ススキというのは沖縄も含め、日本の風土にとても合致した植物であろう。
野鳥:
メジロがチーチーと飛び交っている。県庁前では、ほっそりとした(暖かい気候で羽毛が膨らんでいないため、ほっそりと見えるが、別に痩せているわけではない)ツグミの仲間をよく見かけた。
虫:
県庁近くの開南小学校の道沿いに、葉が厚く丸いつる性の植物があり、「ホウライカガミ オオゴマタラの幼虫の食草です」という説明があった。オオゴマダラとは日本最大の蝶として有名で、沖縄南西諸島に生息する。このホウライカガミを食べることで毒を体に蓄えるため鳥に補食されにくいとインターネットの各種サイトに紹介されていた。ホウライカガミはキョウチクトウ科、沖縄のキョウチクトウ(ミフクラギ)はスタッフMは子供の頃に毒だと教わった。キョウチクトウは木の汁などで目が見えなくなると言われ「めくら花」などと呼ばれていたので、子供心に恐ろしい木という印象が強く残り、大人になっても消えない。東京でも街路樹のキョウチクトウを見ると、ぎょっとして今でも避けてしまう。
その他:
名護の公立大学法人名桜大学にて、パートナーがインタビューを行った(ちなみに公的な研究活動ではあるが、旅費は全額を個人で負担している)。その内容は別途報告書としてまとめた上で、当ホームページでも掲載する予定。名桜大学の近くには「宮里(みやざと)そば」という、地域に愛されている素朴な店があり、名護に行くときはたいていこの店で沖縄そばをいただく。また「はい菜!やんばる市場(ファーマーズマーケットやんばる)」も、農業の盛んな北部の新鮮でおいしい県産品が安く販売されており多くの人で賑わっている。沖縄は、親や親戚などスタッフMの源である先祖からつながる親族に会い、楽しく過ごし、子供の頃から学び遊んだ学校や場所を散歩して、楽しい学校生活や友達を思い出したりすることで心からリラックスできる大切な場所である。沖縄に帰省するとゆっくりしたリズムで一日を過ごすので、つい本来の沖縄的な性格が表に出てくる。パートナーも、生来の性格(のんきで楽天的)がさらに増幅する。二人とも、そんな緩んだ南国的な状態で軽井沢に帰ると、その差(違い)に心身ともにどっと疲れてしまう。軽井沢も沖縄も、どちらも私どもにとっては大事な場所ではあるが、気候風土、県民性、空気感など、およそ同じ日本とは思えないギャップの大きな場所でもある。ソフィアート・ガーデンの小屋で落葉した庭を眺め薪ストーブで暖をとりながら、つい先日のことなのに、異国の地で遠い故郷を思うような、なつかしい心境になる。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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