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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2014年10月13日(月曜日)
概況:
大型で強い台風19号が日本列島を通過。このところ毎週大きな台風が日本列島を覆う。
最低気温は毎日10℃を下回るようになった。9日には雪虫を初めて見た。雑木の黄葉が始まりオオカメノキの紅葉は終盤となる。カツラの黄葉の良い香りが漂い草は茶色く枯れ白いススキの穂が揺れる。藪蚊も出なくなり屋外活動が楽しい。ソフィアート・ガーデン近くでヤマドリのつがいが歩いていた。連休には軽井沢の街は車も人も大混雑。秋のリゾート地は賑やかである。
樹木: オオカメノキの紅葉は終盤。ハクウンボクは薄黄色に色づき、急速に茶色くしなびた。ハクウンボクの黄葉はあまり美しくはない。ヤマボウシは渋い紅葉である。カツラの黄葉は茶がかった黄色で、綿菓子かほうじ茶のような薫がすばらしい。ソフィアート・ガーデンには北から北東にかけて大きなカツラの木が3本あり、この時期はカツラの香りがごちそうである。
山野草、山菜、園芸種の草花:
自宅庭のゲンノショウコに小さな赤い花が咲いていた。ソフィアート・ガーデンのゲンノショウコは白い花なので、めずらしく思った。
蚊も出なくなり草刈りしたこともあって、ガーデン内の歩く場所はすっきりした姿である。草刈りしていないエリアは、種をつけた草が茶色く枯れた葉を揺らせている。ススキの穂も白い種をおおかた飛ばし終えて、箒を逆さにたてたような軸を残している。すっかり冬眠支度である。もうすぐ氷点下に近くなり、霜が降りると草はスゲやリュウノヒゲなどの常緑を残して、溶けてなくなったかのように消えてしまう。大地は雪や氷で覆われて深い眠りに入る。
野鳥:
ソフィアート・ガーデンに向かう小道でヤマドリのつがいがいた。キジはよくいるが、ヤマドリ(山鳥 yamadori)は初めて見た。日本の固有種であり、名前はよく知られているが、めったに見られない鳥としても有名である。 ソフィアート・ガーデンは標高1000メートルの山であり、まわりは見渡す限り広大な山林である。クマもイノシシもシカも出るので、ヤマドリがいたとておかしくはない。しかし、実にきれいな鳥である。オスは茶色とオレンジ、煉瓦色か混ざったような赤のグラデーション。メスは地味な色。この小道は私どもの車ぐらいしか通行しないので、そのままじっと止まってヤマドリ夫婦の行動を車内から観察した。つがいは最初草陰に隠れたが、すぐに出てきて、車を一瞥した後、危害を加える生きものではないと判断したのか、つがいで悠々と仲良く歩いて南側の広大な原野に去って行った。
ピッキオのホームページでも2011月12月6日の記事としてメスのヤマドリのきれいな写真と報告があって「これからの季節、ヤマドリを探しにくる欧米のバードウォッチャーが大勢いるのですが、
なかなかその姿を見てもらう事ができないのです」と書いている。ピッキオのホームページでは他にも、4月に見たという記事がある。軽井沢のヤマドリ生息地では、春にも冬にも、そして私どものように秋にも観察できるということになる。なぜ、冬にわざわざ海外からバードウオッチャーが来るのか、と思ったが、草がない方が発見しやすいので冬になるのであろう。軽井沢の一日中氷点下の冬に、あてどなく原野でヤマドリを探すのは、鳥好きといえども大変であろう、と思った。
虫:
10月9日に今年初めて雪虫を見た。ソフィアート・ガーデンをふわふわと飛び交っていた。例年10月の中旬ほどに見かけるが、今年は少し早いようだ。(参考 ソフィアート・ガーデン物語 第95話「虫の物語」 )
カマドウマが室内をうろうろ。一日、数匹は捕まえて外に出している。寒くなったので暖かい屋内に避難してくるのであろう。
その他:
毎週のように大きな台風が襲来する。台風が去るごとに、秋晴れと寒さで一段と秋らしくなる。軽井沢の紅葉シーズンは人出が多く賑やかである。今月末10月26日(日)のリゾートマラソンを控えて、おしゃれなスポーツウェアを着込んで町を走る人の姿も見られる。日、一日と木々も鮮やかに染まり始め、連休などは駅前の商業施設やスーパー、中軽井沢のハルニレテラス周辺などは、どこも大混雑である。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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