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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2014年4月22日(火曜日)関西、中国地方
概況:
軽井沢から関西を経て、山陰まで往復1600kmの車の旅。道中は春から初夏の2ヶ月ほどの移り変わりを何時間かのうちにタイムトラベルできる。新緑や春紅葉、コブシやサクラ、ウワミズサクラ、フジなどの森林の風景が観察できた。中国地方の道の駅ではツバメたちが営巣中。島根の足立美術館にも訪れ、完成された庭園美を鑑賞することが出来た。4月の中頃は関西から中国地方にかけての自然が初々しく美しい。天気も穏やかに晴れて、過ごしやすい季節である。
樹木:
軽井沢から出張先の関西(大阪、神戸)は車で数時間。その間、中央道や名神自動車道沿いには、淡い桜色のソメイヨシノや白いヤマザクラが花の盛りを過ぎて葉桜になっていた。新緑が美しく、ミズキの黄緑やカエデ類の春紅葉、早い場所では藤の花の紫色が道中の森を覆っていた。高速道路の眼下に広がる田畑の合間に、民家の庭先では濃い桃色の源平桃や真っ白いユキヤナギ、菜の花やレンギョウなどの鮮やかな黄色などのパステルカラーがとても美しい。日本の高速道路沿いは森林ウオッチの好きな人にとっては楽しいところである(名古屋から関西は森林はなく、工業地帯が広がる)。関西から中国地方(鳥取、島根、岡山)方面は車で数時間足らずだが、中国自動車道沿いの森林は再び樹木ウオッチを楽しめる。道中のコブシやウワミズザクラ、ヤマザクラなど山地に入れば再び花の盛りを迎え、何度でも花見が楽しめる。
山野草、山菜、園芸種の草花:
鳥取県倉吉市では、紫色の可愛いスミレがたくさん咲いていた。同じく倉吉市の三明寺古墳のあたりを散策していて、道端で、さまざまな山野草をみつけた。スプリングエフェメラルのイチリンソウ(一輪草)、ホウチャクソウ(宝鐸草)。いずれも初めて見た。今はインターネットで調べると、初見でもたいていの山野草や樹木の名前をすぐに判別することが出来るのでありがたい。また、ソフィアート・ガーデンでもよく見かけるテンナンショウも見かけた。とても自然の豊かな場所である。
野鳥:
山陰の道の駅ではツバメたちが何つがいもせっせと営巣中。いずれの道の駅でも、糞で客が困らないように巣の下に傘を逆さに吊したり、糞の落下を防ぐ板を取り付けたりして、ツバメの営巣を暖かく見守っている様子が見られた。各所で、ウグイスやヤマガラやシジュウカラのおなじみのかわいらしい声が聞こえた。
虫:
多すぎず少なすぎず。
その他:
十数年ぶりに島根県の足立美術館に訪れた。足立美術館のホームページには「創設者 足立全康は庭園をこよなく愛し、91歳で亡くなるまで、自分の目と足で全国から植栽の松や石を蒐集し、庭造りに情熱を傾けました。枯山水庭をはじめ、50,000坪におよぶ6つの庭園は、四季折々にさまざまな表情を醸出します。」と紹介されている。そして実業家である足立全康氏が、若き日にふれ衝撃をうけて、生涯情熱をかけて収集し続けた横山大観の絵画も多く展示されている。足立美術館の庭造りと横山大観の芸術は、足立全康氏が生涯かけて追求するのにふさわしい対象であったのだろう。総合芸術としての意気込みと熱意が感じられる、鑑賞する庭として完成度の高いすばらしい庭園美術館である。庭には何羽かのスズメしか見られなかったが、館内に飾られた日本画の中には、名手によるさまざまな鳥たちが描かれていた。足立美術館は、木や石などの人工的自然に加えて、展示されている絵画の世界から導き出される鑑賞者の心象風景も含めた、リアル&バーチャルな庭園である。そういう意味で、自然と言うより芸術作品と呼ぶにふさわしい。スタッフMの理想とする庭は、あくまで小鳥や虫などが生き生きと遊ぶ生きた庭であり、こうした芸術的な庭とは異なるが、その情熱とスケールの壮大さ、完成度の高さは大いに勉強になった。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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