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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2013年12月8日(日曜日)

概況:
12月第1週は比較的暖かく、最低気温は氷点下4〜5度、最高気温は5度〜10度程度。しかし平均気温が氷点下になった昨日は、さすがに寒い!と感じた。ヒマワリの種を入れたフィーダーを設置したとたん、コガラ、シジュウカラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、コゲラなどが次々と飛来。ソフィアート・ガーデンの小鳥の大運動会が始まった。自宅庭の実生のキハダの木を堀り上げガーデンへ移植。木々は落葉し、南に広がる遠くの山並みが見渡せるようになった。

樹木:
樹木は冬眠に入ったので、これから春までの観察記録では、ソフィアート・ガーデン100種500本の木のエピソードを紹介していく。今回はキハダについて。 キハダはミカン科キハダ属の落葉高木。「黄檗(おうばく)」とも呼ばれコルク質の樹皮の内側は鮮やかな黄色、腹痛などに効く薬効の高い植物として有名。スタッフMも以前、夏にお腹を壊したときに、この黄色い樹皮だけで作られた「百草(ひゃくそう)」という薬で回復した、恩のある樹木である(参考:ソフィアート・ガーデン物語 第65話「黄蘗」)。そのほかにも「陀羅尼助(だらにすけ:陀羅尼経という長い経典を唱えるときの眠気覚まし)」とも呼ばれ苦い薬としても有名である。しかし百草は、スタッフMにとってはほろ苦さもあるが甘みさえ感じる好みの味の薬である。ソフィアート・ガーデンのキハダは20メートルを超える高木である。
昨日、自宅庭に実生で生えた木が2メートルを超え、車の出し入れに邪魔なので堀り上げてガーデンに移植した(作業はパートナーが担当)。以前そこに自生していたウルシ科のヌルデに似ていたため、ヌルデだとばかり思って少々乱暴に根を掘切りしたところ真っ黄色の根が現れて驚いた。根が黄色いのはクワかキハダである。葉は落葉しているため冬芽の様子から事典で調べると、まさにキハダであることが判明。キハダは移植に弱いと言われており、しかも薬木として貴重な木(注:軽井沢では自生しており珍しい木ではない)であるため、もう少し丁寧に根を掘り上げればよかったと深く反省。自然観察を続けてきたつもりでも、先入観で眼が曇る慢心を自覚した。常にまっさらな心で事実を観る大切さを、移植したキハダの木を見るたびに思い起こそうと思う。

山野草、山菜、園芸種の草花:
草も冬眠に入ったので、これから春までの観察記録では、ソフィアート・ガーデンの山野草や山菜のエピソードを紹介していく。今回はゲンノショウコについて。
ゲンノショウコはありふれた野草である。と同時に、すばらしい薬草でもある。フウロソウ科フウロソウ属だけあって美しい可憐な白い小花をつけ、地面を匍匐するように広がる。今年収穫して自然乾燥させ保存しておいたゲンノショウコをお茶にして飲んだ。スタッフMは毎朝、ゲンノショウコに限らず、庭の野草を乾燥した野草茶を飲んでいるが、ゲンノショウコはその中でも不思議なエネルギーを感じるお茶である。クセのない飲みやすい野草茶だが、ショウガのようなパワーがあるのか、飲んだ直後からお腹が温かくなるのを感じる。別にショウガのような味や刺激はないが、植物の持つ力が直ちに働き、お腹を温めるのかもしれない。さすがに「現の証拠」と呼ばれるだけある。注意点としては、ヤマトリカブトやニリンソウの葉にも見方によっては似ているので、採取の時には花を確認してからのほうが安全である。ニリンソウは食べられるがトリカブトは有名な猛毒植物である。ゲンノショウコとヤマトリカブトは花が全く違うし、ゲンノショウコの茎や葉には毛があるがヤマトリカブトにはほとんど毛がない、などの特徴があるので見分けは容易であるが念のため。
食用にする際の参考サイト:独立行政法人国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性」ゲンノショウコ データなし

野鳥:
野鳥たちのためのプレゼントであるヒマワリの種を入れたフィーダーを設置したとたん、最初にコガラがすぐに見つけて「ビービー」と騒ぎ、その声を聞きつけて四方の林からシジュウカラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、コゲラなどが次々と飛来した。ソフィアート・ガーデンの小鳥の大運動会が始まった。コガラはガーデンの近くの藪に住んでいるため、いつもガーデンの近くで活動している。そのため最初にフィーダーを見つけ、賑やかな広報係として皆にフィーダーの存在を知らせる。体が小さいため遠慮気味であり、他のカラ類に「邪魔、どいて!」と押され気味で、ヒマワリの種を取る順位もどんどん後回しにされる。それでも負けずに、かわいらしい真っ白、まん丸な体で機敏に飛翔し、鼻にかかった声で「ビービー!ビービー!」と鳴く元気な小鳥である。

虫:
数ミリの小さなクモが何日も飲まず食わず?で家の同じ所にじっとしている。生きているか試しにつついたら必死で逃げたので、捕まえて家の外に出した。クモはどのくらいの期間、飲食せずに生きるのだろうか。私自身の観察では、車の中で5ミリほどの小さなハナグモが一ヶ月ほど同じ場所でじっと獲物を待ち続けて生きてたのが最長である。見ていない間に車に入り込んだ蚊などを食べていたのかもしれないが、排泄物の跡もなく同じ場所でじっとしていたので、たぶん何も食べずに生きていたのではないか。

その他:
薪ストーブの楽しみ方として、今年は「干し果物」に目覚めた。きっかけは渋柿である。渋抜き不十分なままの渋柿を誤って一口食べかけて、その渋さに辟易し、捨てるわけにもいかず試しに薪ストーブの上で2,3日干したところ、グミのような食感が楽しめる、極めて甘い干し柿になった。失敗は発明の母である。
冬になり、朝夜は薪ストーブ、床暖房、灯油ストーブなどで室温は20度前後、湿度は30%ほど。毎週末は天然酵母を用いてパンを焼くが、室温が下がり発酵に時間がかかるようになった(夏は数時間で一次発酵するが冬は15時間ほどかかってしまう)。そのようなときは薪ストーブの近く(25度ぐらいの場所)に置いておけば発酵時間が短縮できる。

樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

12月だというのに浅間に雪は見られない 今年のフィーダーの一番客、コガラ ゲンノショウコで自家製野草茶
ゲンノショウコの花 キハダの実生木を家からガーデンへ移植 キハダの根と樹皮は鮮やかな黄色 この車は10年で数十本の木を運搬した働き者
キハダの冬芽は赤っぽく、対生につく。枝ぶりは荒く若い樹皮はサクラのよう ソフィアート・ガーデンのキハダの大木の樹皮 ソフィアート・ガーデンのキハダの実の様子 ヌルデの冬芽は白っぽく、らせん状につく
遠くの山並みが見えるようになった パン焼きにも薪ストーブが役に立つ
同じ場所から9月初旬の眺め(2013年9月2日観察記録より)


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures