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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2013年11月30日(土曜日)一部、番外編 東京

概況:
軽井沢に寒い冬がやってきた。庭に設置した小鳥の水飲み場は朝は氷が張り、ガルバリウムの金属屋根や畑地には白く霜が降りる。木々はすっかり落葉し、大量の落ち葉掃除に忙しい。土も霜柱でぼこぼこと浮き上がる。浅間山には何度も雪が乗っているが軽井沢での降雪はまだで、晴天続きのため路面の凍結もしていないが、いつ降って凍結してもおかしくない。東京はイチョウの黄葉やカエデ類の紅葉が美しい。街路樹などでサザンカの花が咲いている。

樹木:
落葉広葉樹林は落葉して明るい。ソフィアート・ガーデンで大量の落ち葉を掃除すると、小一時間ほどでへとへとになる。結構な運動量である。カラカラに乾いた落ち葉といえども、大量になると重いものである。スタッフMにとっては、体力増進というより体力消耗である。
さまざまな樹木の葉が落ちると、来春の新芽を包む冬芽があらわになる。冬芽は葉の側についていたり、葉柄の内側に包まれるようについていたりと樹種によってさまざまである。同時に花芽も見られる。樹木の、来春に向けての準備はとうに始まっている。
東京では庭園や街路樹の彩りが美しい。イチョウの黄色い並木とカエデ類の紅葉、トネリコなどの常緑、そして各種の園芸種の草花の植栽。軽井沢はすでに葉も(一部園芸種を除いて)花もない季節になったので、東京の色彩豊かな植物風景との差を感じる。

山野草、山菜、園芸種の草花:
東京で滞在したホテルの庭園で、サザンカの花が咲いている中にホトトギスの花がひょっこり顔を出していた。軽井沢では10月頃に見ることがあったので少々驚いたが、暖かい東京では今頃に咲くのだろう。

野鳥:
まだフィーダー(野鳥の餌台)を設置していないので、シジュウカラやヤマガラなど、毎年の常連客が窓越しにこちらを覗いて「何か忘れていませんか?」というメッセージを投げかけてくる。毎年、霜が降りて野鳥たちが食べ物に困る時期になると、少しずつヒマワリの種をプレゼントする。今年もそろそろその時期が到来した。
水場は毎日新鮮な水を入れておくが、空気が乾燥した晴天続きなのですぐに水の量が減るうえ、朝は水場に氷が張る。いまのところ日中には氷は溶けるが、もうすぐ一日中水場に厚い氷が張るようになり、水を入れる先から凍ってしまうという、泣く子も黙る(というか涙さえ凍る)「こおりさわ(軽井沢の名の由来の一つ)」の季節になる。

虫:
ソフィアート・ガーデンの高いカラマツの樹(25メートル級)のてっぺんに、スズメバチの巨大な巣がかかっているのを見つけた。カラマツが葉を落としたため、いままで隠されていた巣が見えるようになったわけである。すでにスズメバチは繁殖の活動期を終えているので、この蜂の巣は役割を終えた空家であろう。見事な巣が風当たりの強い高所にかかって落ちずにいた、ということに驚かされる。ハチの営巣技術はすばらしいものである。また、蜂の巣の営巣場所によって気象を占う言い伝えがある(高所に架けるときは台風は来ないが洪水は多い、など)が、その真偽はともかく、結果的には今年は巨大な台風が軽井沢を襲うことがなかった証にはなる。
家を歩き回るカメムシの捕獲(生きたまま捕まえて、家の外に放つだけだが)はまだ続いている。発生源と思われる薪を部屋に置いておかずに、ストーブにくべるたびに外から入れるようにしているが、たまにブーンと家の中を飛んでいたり歩いていたり。いったい今年のカメムシは、どこから入って来るのだろうか。
ソフィアート・ガーデンの小屋は、出張後に久しぶりに行くと、たいていカマドウマが何匹かキッチンや洗面の水場で息絶えている。さほどに水が好きな虫である。以前、水色のプラスチックのバケツを床に置いておいたら、バケツとはいえ水もない状態で保管しているのに、カマドウマが皆、その中で息絶えていた。まるでカマドウマの墓場である。「水色」と呼ぶだけあって、その色には水に似た波長?があり、水が好きなカマドウマが集う場所になるのかもしれない。(誰かこの謎の理由がわかる方がいれば、ぜひ教えていただきたい)

その他:
開館一周年になる軽井沢の千住博美術館に、初めて行ってみた。軽井沢の自然と建築物と千住博の芸術の融合を目指している美術館のようで、ホームページでは「軽井沢の森の中に千住作品が一体となるイメージで鑑賞することが出来る空間」とある。スタッフMの芸術の理解や好みはここでは述べないが、自然観察記録という視点から観て、軽井沢の森の中をイメージしているはずの庭の草木が、なぜか外来種がメインであることに違和感を覚えた。
日本画の洗練された世界は、もともと日本の建築や自然に溶け込むものであろう。そして軽井沢の自然植生(にならった庭)は、高原の山野草や適度に手入れされた明るい落葉広葉樹林の雑木林など、印象深い四季の美のシーンを演出し、本物の芸術作品と美しく調和する、と思うのだが・・・。興行的には、カラーリーフなど外来種で構成された庭の方が話題性があるのだろう。

11月28日に東京で縦の虹を見たので写真に収めた(場所は国道4号線を上野から日本橋方面に向かう車中にて進行方向(東京湾方向?)に出現)。その日の夜、千葉県北西部を震源とするM4.8の地震があり、滞在中のホテルでも揺れを感じた(千代田区では震度3)。気になったのでインターネットで検索すると、縦の虹は「縦虹」と呼ばれたり、あるいは太陽の方向と並ぶ場合は「幻日」と呼ばれるなどの断片情報は得られた。ところでネットで検索する際に「縦虹 地震」というキーワードが紐付けされて表示されるのが気になるところ。現象と地震の因果関係はよく分からないので、ひとまず撮った写真を記録しておく。

樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

落葉した枝とソフィアート・ガーデンの空 落葉後のソフィアート・ガーデン 落ち葉掃除は体力勝負 カラマツの高所にスズメバチの巨大な巣
浅間に何度か雪がかぶる サザンカの花 ホトトギスの花
東京駅のイチョウ黄葉 縦虹:撮影日2013年11月28日 注意:カーナビの時間は15分早い


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures