>> ホーム
 >> 会社概要
 >> 事業内容
 >> ソフィアートの研修
 >> 代表者プロファイル
 >> 研修雑感・コラム
 エッセイ
 >> ソフィアート・ガーデン物語
  全120話はこちらから


 樹木・山野草・生きもの
 >> 日々の観察記録一覧
 >> 樹木一覧
 >> 山野草一覧
 >> 野鳥・動物・虫一覧

 >> 連絡先
 >> Coffee Break


軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2013年11月15日(金曜日)

概況:
最低気温は氷点下4度になった。紅葉のフィナーレを飾るカラマツの金色の葉が小雨のように降り注ぎ、紅葉が比較的長く続いたカエデ類もほぼ落葉した。軽井沢の森林は落葉樹の葉を落として明るい日差しが林床まで差し込むようになった。各地で初雪のニュースも聞かれ、浅間山にも初冠雪が見られた。本格的な冬支度に入り、車をスタッドレスタイヤに履き替え雪に備え、薪小屋の薪の束も満員御礼。凍結による破損防止のため水道栓の水抜きもスタートした。

樹木:
今年の秋は、色づきは鮮やかではないものの、カエデ類の紅葉は比較的長く続いた。秋も終盤になると、しみじみとした色になり、「秋の夕日に照る山もみじ」を体現した色合いになる。カラマツの金色の葉が、風もなく静かなソフィアート・ガーデンに小雨のように降り注ぎ、「サラサラ」とちいさな音を立てて乾いた落ち葉の上に積もっていく。黄金の雨は紅葉のフィナーレである。軽井沢の森や林の落葉樹は葉を落として枝をあらわにし、モミの濃い緑とともに、明るい青空を背景に影絵のように見える。厚く積もった落ち葉の上を歩くとさくさくと乾いた音がして、シナモンやジンジャーのような香りが漂う。
休みの日には自宅庭で伸びた庭木の剪定や枝すかしなどの庭仕事をした。高枝剪定の道具で出来る範囲ではあるがウラジロモミの枝を少々払ったり、隣地に伸びた枝を剪定したり、まとまった作業を一通り済ませた。ソフィアート・ガーデンは別荘地で、隣地との境には十分な余裕があるが、自宅は軽井沢の中でも実質的な住宅地にあるため、こじんまりとした庭にせざるを得ず、樹種や剪定作業などに気を配る必要がある。自分たちで選んで植えた木は、住宅地で大きくなりすぎないよう最初から樹種を配慮しているが、家を建てる前からこの土地にあった10メートル近いウラジロモミなどは隣地との境界木のような感じで植わっているため、近隣家屋の邪魔にならないように強剪定する必要がある。
街づくりにおいて樹木を重要視しているはずの軽井沢でさえ、住宅地で樹木を育てるにはとても制約が多い。土地にあった樹木は季節感を豊かにし、小鳥がよく訪れる庭となる。そのためにも、私どもにとってソフィアート・ガーデンはなくてはならない場である。

山野草、山菜、園芸種の草花:
まぶしい日差しが林床まで差し込むようになった。シダの枯れ葉が茶色くなり、リュウノヒゲだけは緑の葉を茂らせているが、山野草は春までの深い眠りに入った。草は霜で溶けたようになくなり、晩夏には草が茂って見晴らしが悪かった林床が、すっかり見通せるようになった。クリやナラ、そのほかの落葉樹の落ち葉で厚く覆われ、その間からウバユリやギボウシの種を詰め込んだ背の高い茎が林床からニョキッと伸びているのが目立つ。

野鳥:
青い羽根に強面が特徴のカケス軍団が頻繁に庭に出入りする。今年は、10年前にはまだ小さかったアラカシがドングリをたくさん実らせているからか。近くの草原でなにやら野良仕事をしている音や、それを嫌ってかキジが「ケーン、ケーン」と鳴いている声がする。ソフィアート・ガーデンに行くと、めずらしく森のカラスが数羽、周囲の高木にいた。法令や条例を守らず管理のよくない建築工事現場が近くにあるため、現場の人が食べ物の始末をきちんとしているか、少々気になる。ガーデン付近にカラスの群れがいると、小鳥たちがソフィアート・ガーデンで安心できないので、手を叩いて追い払った。すると、それを聞きつけて同時に小鳥たちが喜んだ声を出しながら来てくれた。普通は人が来て手を打ち鳴らすと小鳥は逃げるが、ソフィアート・ガーデンでは私どもが来ると小鳥が歓迎してくれる。お互いに、良きパートナーシップ(小鳥は私どもが来るとカラスがいなくて安心できる、私どもは小鳥がいると心底幸せである)を築いていると言えるかもしれない。

虫:
雪虫は、夕方などはたまに見かけるが、晴天が多いためか出現頻度は多くないようだ。大きなスズメバチが窓にぶつかってきた。冬越しのための場所を探す女王バチだろうか。薪から出てきたカメムシが暖かい家で目覚めて家の中で飛び回り、虫キャッチャーで捕らえて外に出すこと何度か。薪に潜り込んでいる虫をよく落としてから部屋に入れないと面倒なことになる。

その他:
雪に備え車のタイヤをスタッドレスタイヤに交換した。自宅の薪小屋もナラや雑木など300束を用意した。いつ冬が来ても大丈夫である。
氷点下が続くようになると、ソフィアート・ガーデンの小屋は夜間の水道凍結による破損を防ぐため、帰宅時に水道管の水抜き作業を行う。今週から最低気温が氷点下4度ほどになり、重ねて出張が続くため、念のため水抜きをスタートした。また、トイレ用水タンクの凍結防止ヒーター(室温が零度になると自動的にタンクの電熱線が入り凍結を防止する)をセットした。これから12月に入り最高気温も氷点下になる真冬日が続くようになると、厳冬期には小屋の室温が零度以下まで下がることもあるため、毎日、帰る前の水抜きと、来たときの水出し作業が恒例行事になる。慣れたとはいえ、昨年は小屋の水道栓を凍結で壊してしまうなど、けっこう神経をつかう日々である。自宅は寒冷地向けの建築を徹底しており日常使っているため水道が凍結することはなく、厳冬期でも水抜きの必要はない。

史上最大規模の台風30号がフィリピンのレイテ島などを直撃し、その甚大な被害が日々報道されている。自然災害の恐ろしさは、予告なく(本来は予告・予兆があるのだろうが見過ごされて)襲ってくることにある。人の社会生活は、よって立つ基盤がひとたび揺らげば、もろく崩れてしまう。浅間山の麓に住み、地震や津波や台風の多い日本という国土を基盤に生活する者としては、決して人ごとではない。
大自然の営みを常に意識して観察し続けること、見えない力に敏感になり、わずかな兆しを感じ取る力を養うこと、自然の威力を決して軽んじないこと、時にはあきらめなければならないこともあると覚悟しておくこと、など様々なことを考えさせられる。


樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

ソフィアート・ガーデンの紅葉終盤(オオサカズキモミジ) ソフィアート・ガーデンの黄葉終盤(カラマツ) ソフィアート・ガーデンの紅(黄)葉終盤(ヤマモミジとダンコウバイ)
ソフィアート・ガーデンの紅葉終盤(カラマツ、モミと落葉後の木の枝) クワの落葉後 カラマツの落葉後、道に金色の絨毯が敷かれる
薪小屋には薪が満杯 常緑樹のアセビには来年の花芽 落葉樹のクロモジにも来年の花芽
庭木の剪定 浅間初冠雪(夕方なので溶けている) 碓氷軽井沢インターからの眺め 蕾のまま終わった秋バラを切り花にする


 
 
Copyright (C) 2013 Sophiart Inc. All Rights Reserved.
Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures