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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2013年10月23日(水曜日)
概況:
またもや台風が二つも接近。そのせいか気温は最高18度まであがり、最低気温も7.8度程度。暖かい気象のせいか紅葉が遅く、今の段階では色づきが悪い。雨が多く水遣りの手間が省けるので、庭木や育った挿し木苗の植え替え作業を行う。ソフィアート・ガーデンでは、雪虫がちらほら漂っているのを見かけた。季節外れの暖かさで藪蚊も相変わらずいる。最近カラスが群れで騒ぐ声がよく聞こえる。気象の変動は動物にもいろいろと影響があるのであろうか。
樹木:
オオカメノキの紅葉が柔らかい桃赤色に染まる。イタヤカエデはオレンジと黄色の混ざった明るい色に紅葉しつつある。町中の日当たりの良い場所のドウダンツツジは真っ赤。軽井沢に多いイチイの生け垣の緑色とのコントラストが美しい。 今年は雑木の紅葉が遅く色づきも悪いように思うが、個々の木は美しく紅葉しているものもある。一ヶ月以上前に最低気温が8度を下まわり紅葉のスイッチが入った後で、10月半ばに台風が来て気温が季節外れに上がったり、急激に寒くなったり、という繰り返しであるため、木の色づきにも影響するのだろう。比較対象として2007年の同じ頃の紅葉写真を下記に掲載している。この年、軽井沢は9月に台風の直撃を受け倒木や浸水など町内の被害が甚だしかったが、紅葉はとても美しかった。
毎日、夜から午前中にかけては霧が立ちこめ、濃霧が多く9月の初め頃のような気象である。
山野草、山菜、園芸種の草花:
毎年、何種類ものヤマアジサイの挿し木苗をパートナーが趣味で育てている(ヤマアジサイは樹木に相当するが園芸という意味でこの欄に記す)。今年も10個以上のポット苗を育てており、季節外れの暖かさと雨の多さで植えるのに丁度良い頃合いとなったので、久々の休みにせっせと植えた。パートナーは品種を記さずに挿し木をするため、また品種が分からなくなってしまったが、そのうち何年か後に花が咲けば分かるだろう、という気の長い趣味である。ついでに自宅庭に勝手に育つ実生苗を抜いてソフィアート・ガーデンに移植する作業も行った。今回はイヌシデ。ヤマボウシ、エゴ、ケヤキ、クワ、イヌシデ、シラカバ、モミ、バッコヤナギ?などが毎年次々と実生で生えてくる。切るに忍びないし、面倒なのでそのままにしておくと、何年かすると1メートルを超えてしまうため、早めに抜いてソフィアート・ガーデンに移植している(ここ数年間で、たぶん数十本は移植したと思う)。移植した実生苗は今では2,3メートルに生長している。そのうち植える土地がなくなってしまうのではないかと心配である。なぜ樹木は、そんなにもたくさんの実をつけ、増え続けようとするのだろう。豊穣はありがたい反面、少し面倒でもある。
野鳥:
このところ、めずらしくカラスが群れで騒く声がする。普段は、どちらかといえばカラスの仲間のオナガのほうが騒ぐ声がよく聞こえる。またこの時期はドングリなどを拾い集めているのか、カケスがよく自宅の庭やソフィアート・ガーデンにいる。こちらも鳴き声は「グェー」のような濁った強い声である。オナガやカケスに比べると、カラスの「カァー」という声の方が澄んだ響きがする。 軽井沢ではカラスはいるが、山のカラスなので人間を恐れるし、あまりゴミをあさる姿を見かけない(市街地やゴミ出しのルールが徹底していない地域では、学習してあさっているかもしれない)。 カラスは当地では(私の見かける範囲では)人間に迷惑を掛けないし、賢い鳥だし、 軽井沢の峠町の熊野皇大神社の縁起(八咫烏 ヤタガラス)にも登場するので、それなりに敬意を払っている。しかし小さな鳥や雛を補食したりする(カラスがエナガの巣を壊した場面に実際に遭遇したし、カラ類と思われる鳥をさらっていった、という話を近所の人から聞いた)ので、自宅庭やソフィアート・ガーデン付近で見かけると手を打ち鳴らして「ここに来てはいけない」と話しかけて、追い払うようにしている。
虫:
相次ぐ台風のせいか季節外れの暖かさで、いったん居なくなったかに思えたヤブ蚊が、数は少ないものの再び飛んでいる。ソフィアート・ガーデンでは10月中旬以降、雪虫がちらほら飛び交うのが見えるようになった。おなかに白い卵を抱えて、ふわふわと頼りなげに漂う雪虫は、あまりにも小さくはかない。たくさん飛ぶようになると、雪も間近なのだろうが、まだこの気象ではだいぶ先の話である。
薪ストーブを日常的に使うようになると、薪に冬眠モードで潜んでいる虫をよく落としてから火にくべるのが習慣になる。そうしないと暖かい家の中で目覚めてカメムシなどが飛び交う困ったことになる。
樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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