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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2013年9月30日(月曜日)一部、番外編 東京

概況:
彼岸を過ぎ暑さも収まる。軽井沢では27日に最低気温3.5度になり、秋晴れ続きで明るいものの朝夕はかなり寒い。もっと標高の高いところでは霜も降りた様子。カエデやナツツバキの紅葉が始まる。栗の実が次々と落ち、静かな別荘地で時々トタン屋根に栗の実が当たって鳴る音がする。ヒヨドリやガビチョウ、オナガの小集団が庭木の実をついばみに来る。東京も涼しく過ごしやすい気候で、ホテルの庭園ではトンボが飛び、庭師による松の手入れ風景が見られた。

樹木:
軽井沢の幹線沿いの日当たりが良い場所では、カエデが色づき始めたところもある。庭のナツツバキの紅葉(橙色)が始まった。栗の実が次々と落ちる。今年は栗の実なり年だろうか。山栗なので小粒だが、つやつや、丸々とした栗の実を見てしまうと、ソフィアート・ガーデン内の栗は、特に使うあてがなくても、つい拾ってしまう。ひとけのない静かな別荘地で、たまにトタン屋根に栗の実が当たって「コーン!」と鳴り、また静寂に戻る。まるで日本庭園で懸け樋の水が鹿威しを鳴らす音のようである。
東京ではイチョウの木が実を地面に落とし、独特の臭いがした。本郷の東大前のイチョウとクスノキの並木も、毎朝ジョギングする人や散歩する人がイチョウを拾う場所になっている、と東大の近所の人に教えてもらった。
東京で滞在したホテルの庭園では、庭師による松の手入れ風景が見られた。ハシゴは現代的なスチール(鉄?)の長い梯子の他、伝統的な木の梯子(添える木を含めて三本の足で立つもの)であった。10メートルほどの高所での作業は経験と慣れがあるとはいえ、度胸がないとできない特殊な技能であろう。

山野草、山菜、園芸種の草花:
秋の花シュウメイギク(秋明菊)が咲き出した。
最低気温3.5度にもなると、草が枯れ始める。背高く繁茂した草が、自然に倒れて小さくなり、やがて霜で溶けたように消えてしまう。先日、少し草を刈ってみたが、この時期は早晩霜で枯れて消滅するので、自然に任せた方がよさそうだ。

野鳥:
庭木にはヒヨドリやガビチョウ、オナガの小集団が集う。特に、マユミの木は人気がある。実が好みなのであろう。ガビチョウはツグミと似た習性があり、地面の小石や落ち葉を嘴でポイポイとかき分けて(投げ捨てて)虫などをついばむ姿を目にする。その習性のためか、自宅の駐車場の雨樋に溜まった落ち葉を、ガビチョウ何羽かが等間隔に並んで、一心不乱に投げ捨てていた。観察しているスタッフMからは「雨樋の掃除」をしてくれているように思える光景である。たまにシジュウカラも同じように雨樋の枯れ葉をポイポイと捨てては、虫などを探している。ちなみに駐車場の屋根の枯れ葉は、雪が降って屋根から滑り落ちる時に一緒に落ちて、春にはきれいに跡形もなくなる。鳥といい雪といい、人の代わりに掃除をしてくれる、とてもありがたい存在である。

虫:
ソフィアート・ガーデンは寒いぐらい涼しいが、ヤブ蚊の勢いはいまだ衰えず、栗拾いする人(スタッフM)めがけて集合してくるので長時間外で作業するのは困難。
東京で滞在したホテルの庭園では、ススキの間をトンボが飛びまわっていた。

その他:
ソフィアート・ガーデンではリコボウというキノコがたくさん育っている(去年よりは少ない)。この辺りでは人気のあるキノコだが、食べる趣味がないため、溶けて消えるに任せている。
先日の花豆は、さっそくおいしく食べている。固いかもしれないと心配したが、重曹で一晩水につけ軟らかく煮てから甘味で仕上げた。白インゲンや小豆餡の好きな人なら大好物であろう。売っていた年配の女性が「柔らかく煮えるので心配ない」と言っていたが、実際、安いうえに柔らかくおいしく煮えて、とてもお買い得であった。
リンゴ秋映(あきばえ)が登場した。真っ赤で美しい、おいしいリンゴである。

蛇足:
先日の長野に引き続き、東京でもヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)+フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)+NHK交響楽団の演奏会に行った(渋谷のNHKホール)。曲目はブラームスの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」と「交響曲 第4番 ホ短調」。久しぶりにツィンマーマンを聴いた。
久々のN響でのコンサート風景を観察して思うのは、高齢社会への対応がまだまだ足りないということである。もともとN響のコンサートの休憩時間は短すぎると思っているが、年々、高齢の客が増え、それに対して洗面所などの施設設備が足りない(特に男性)ためか、休憩後の開演直前まで高齢者で長蛇の列になっていた。
N響は休憩時間を長くするなど、対応をしないと、これではコンサートに行きたくても、心理的な(生理的な)恐れから敬遠してしまう高齢者が増えるのではないか。
人生の秋冬に当たる老齢期を過ごす高齢者が、芸術という人生の実りを楽しむために肉体的、精神的な時間のゆとりに配慮するのが成熟した社会のあり方だろう。芸術は効率化とは無縁の「無駄」を楽しむ文化だと思う。それにはあまりにも休憩時間が短すぎる。

樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

紅葉の始まりつつあるモミジと秋バラ ガビチョウが3羽、雨樋で虫探し シュウメイギク(秋明菊)の花
栗の実 小諸から佐久にかけての田 リコボウ
東京のホテル庭園の手入れ風景 秋のトンボ 東大前のイチョウ並木
花豆の甘煮と秋映(あきばえ:リンゴ) 日当たりの良い幹線沿いのカエデは色づき始め


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures