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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2013年9月16日(月曜日)一部、番外編 草津、長野市
概況:
台風18号が日本列島を通過。軽井沢では台風一過、夜には星が輝き気温は急速に下がり10度を切る。草津温泉の西の河原沿いでは、たくさんのリョウブの木が咲き終えた花穂をつけていた。上田や千曲の棚田では稲穂が金色に実り、一部は稲刈り後のはざかけが見られた。ソバ畑の白い花も見られる。夜は鈴の音のような秋の虫の声で賑やか。台風による庭の樹木の被害はなかった。しかし稲作や果樹栽培農家にとっては収穫前の台風は大変な痛手であろう。
樹木:
この台風でヤマボウシの実はほとんど落ちた。ヤマザクラの葉が赤く紅葉し始めた。ハルニレの葉が黄色みを帯びてきた。 先般、草津温泉に行った折り、西の河原付近を散策した。この辺りは強い酸性の湯が蕩々と流れる。川沿いにはリョウブやネジキ、ミツバツツジなどが見られた。自生しているのだろう。特にリョウブは土地の性質に合っているのか元気が良い。 長野市付近では「信濃(シナノ)」に関係の深いシナノキが植栽してあった。佐久の一部の道路でもシナノキが植栽されているのを以前見かけたが、庭木を含めて植栽されることは少ないようである。ソフィアート・ガーデンにはシナノキが3本ある。西洋シナノキは有名な「リンデンバウム」である。日本のシナノキは樹皮から繊維を取る材料として知られている。シナノキへの関心から、シナノキとガマで作られた「がま細工」の籠(岡山の蒜山で購入)を所有しているが、白く柔らかくて水に強い繊維である。
山野草、山菜、園芸種の草花:
長野県は山が多いため、ドライブをしていると棚田の田園風景がよく見られる。上田や千曲の棚田では、金色に実った稲穂が、すでに一部は刈り取られ、天日で干すはざかけが見られた。ソバ畑の白い花も見られた。草津温泉の西の河原には、ところどころ、自然に生えたスギゴケが覆っていた。酸性の草津温泉沿いの土壌と川霧がスギゴケに合っているのか、ふっくらと見事であった。
野鳥:
庭の小鳥の水飲み場に、見慣れない野鳥のツガイが来ていた。コジュリンかもしれない。鳴き声は確認できなかったが、家の周りで優しい声でホオジロが鳴いていると思ったのは、(コジュリンだと仮定すれば)この鳥の声かもしれない。
台風の前日には、カラスが集団で鳴いていた(あまり軽井沢ではカラスはメジャーな存在ではなく、普段はその声を意識しないのだが)。そして、台風がほぼ過ぎ去ったと思われる16時前に、静まりかえった空にカラスが、少しほっとしたような声で鳴いていた。たいてい、嵐が過ぎたことを真っ先に知らせるのは、鳥の声である。嵐が去ったことを告げる鳥の声が聞こえると、風や雨が収まり、まもなく空から一条の日が差して青空が見え、人間もいつものように活動し始める。
虫:
長野県民文化会館付近の公園を散歩しながらカヤノキなどの針葉樹を観察していると、知らぬ間にヤブ蚊に10カ所以上刺されていた。この時期は、緑があるところにはヤブ蚊が潜んでいる。
その他:
9月初旬に届いた鳥取県の20世紀梨は、一箱ほとんど食べ終わってしまった。長野県はこれから本格的なりんごの季節、現在は「つがる」が店頭に並ぶ。佐久地方の名産プルーンも、真打ち「サンプルーン」が登場した。安くて品質も安定して味も良く(生でもジャムでも)、時期も長く楽しめる王道のプルーンである。
久しぶりの草津温泉は夏の観光シーズンで賑わっていた。西の河原の出店で「花豆1キロ500円(新豆)」として売られているものを購入した。新豆とは言っても、今年採れた豆ではなく、去年の豆だという。ストーブの季節なら煮豆は毎日のことだが、久しぶりに花豆を食べてみたくなった。(冬と違って固いかもしれない)
昨日はヘルベルト・ブロムシュテット+NHK交響楽団の演奏会に行った(ホクト文化ホール=長野県民文化会館)。曲目はブラームスの「大学祝典序曲」「ハイドンの主題による変奏曲」「交響曲第1番ハ短調」。ブロムシュテットは今年86歳の高齢である。衰えのないまっすぐな姿勢と、音楽は幸福で楽しいもの、という心境がにじみ出る指揮ぶりである。この後の東京でのプログラムも行く予定である。パートナーは去年、九州でブロムシュテットのコンサートに行き、そのパワフルで円熟味のある演奏が、とても良かったと言っていた。ある意味、一期一会の覚悟で聴きたい演奏である。
樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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