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樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2013年6月6日(木曜日)

概況:
梅雨入りしたと思いきや、先週末から連日晴天が続く。明るい日差しとエゾハルゼミの声は、まるで梅雨明けの様相。あちらこちらでエンジン式の草刈り機の音がする。カッコウやホトトギス、イカル、ミヤマホオジロ、キビタキの声が響き、先週は静かに思えたカラ類のさえずりも再び活発に。日当たりの良いところではアヤメやジャーマンアイリスが咲き、別荘地ではルリソウが美しく、モミや花々の甘い芳香が漂う。庭のフキを収穫してキャラブキや煮物にする。

樹木:
花も終わったので、ツツジ類は花後の剪定を始める。
コナラやヤナギの花穂が地面にいっぱい落ちている。ハルニレの種も至る所に降り注ぐ。こんなにハルニレが軽井沢町内にはあったのかと驚く。
ハナイカダの雄木(雄花)と雌木(雌花)が咲いている。ハクウンボクの白い花が咲いて、一部散りかけている。エゴやナツツバキのつぼみが膨らみ開花が近い。
白モッコウバラやクレマチスの花がピークを迎え、そろそろクレマチスが散り始める。他のバラも蕾が膨らむ。バレリーナ(バラ)の蕾には白い小さなアブラムシ(&その蜜を舐めるアリ)がついているが、そのうちテントウムシの幼虫(大食漢でアブラムシ退治)が全部食べてくれるので放置。他のバラにもいろいろな虫の幼虫がいるが、ちょうど営巣時期の小鳥たちやスズメバチが虫取りしてくれるので、こちらも放置。

山野草、山菜、園芸種の草花:
街中の日当たりの良い民家の庭先ではアヤメやジャーマンアイリス、キショウブが紫や黄色、白などの鮮やかな色で咲いている。ソフィアート・ガーデンでは自生のノハナショウブの蕾が紫色になってもうすぐ開花。
トキワハゼやクワガタソウも薄紫の小花を咲かせている。駅近くのショッピングモールの芝生はトキワハゼの花で紫の絨毯状。
穏やかな光の差す別荘地ではルリソウが見頃。毎年のチェックポイントである離山別荘地や雲場(くもば)池、旧軽井沢を散歩すると、青や紫、ピンクのルリソウが群生している。日当たりの良い幹線沿いや他の地域では、ほとんど見かけないので、ルリソウが生育する土地は軽井沢の中でも限られているのではないか。
別荘地の散歩道や庭はとても良い香りがする。モミやカラマツの葉、モッコウバラやクレマチス、ツツジなどの花々、足下のカキドオシやヨモギなどの香草が混ざって、白檀やバニラのような深くて甘い香りがする。
フキの収穫第一陣終了。キャラブキや煮物にした。暇をみつけて第二陣、第三陣と出陣しなければならない。6月はかなり忙しい。

野鳥・生きもの:
カッコウやホトトギス、イカル、ミヤマホオジロ、キビタキの声が響く。旧軽井沢の雲場池付近では、以前に撮影した個体と思われるキビタキのさえずりが聞こえた。自宅付近やガーデン周辺のキビタキと微妙に音程の違うメロディーでさえずる。キビタキにおける雲場池付近の方言であろうか。
5月末は、営巣場所を悟られないよう静かにしているように思えたカラ類のさえずりも、梅雨の晴れ間で再び活発に。ソフィアート・ガーデンの巣箱に営巣中のシジュウカラはさかんに餌を夫婦交代で運び込む。オスが巣箱に入って雛に与えている間、メスは近くの枝で「フレー、フレー」と応援をしているかのように、ずっと羽を震わせている。オスが出るとすぐにメスが入り給餌。ひっきりなし。
自宅の巣箱では営巣中のヒガラが何度も虫をくわえて出入り。巣箱からは雛らしき声がかすかに聞こえたような気がした。例年はもう巣立ち始める頃なので今年は遅めなのか。

虫:
エゾハルゼミの声が緑濃い山に響く。春蝉とは言っても高原の夏に涼しげな音で鳴く。青空を背景にトンボが飛び、雲場池にはミズスマシがスイスイと走る。まるで梅雨明け夏本番のようである。
ソフィアート・ガーデンにオオスズメバチがうろうろしていた。大概のスズメバチは特別なこと(こちらから攻撃や危害を加えるなど)をしなければ大丈夫だが、オオスズメバチだけは刺されたら命に関わるので静かにしゃがんで、様子を見ながら走って逃げる。
雲場池を散歩中、池の川面にミヤマカラスアゲハ(もしくはカラスアゲハ)が腹を上にして浮いているのが見えた。水に浮かぶアゲハの上をミズスマシが闊歩していた。夏では自宅の庭やガーデンで も見かけ、地面で水を飲んでいたりする。生きて飛んでいる時のカラスアゲハやミヤマカラスアゲハは、背中側はとてもあざやかな光沢のある青で宝石のように美しい。

その他:
5月末の週末は鳥取県産らっきょうがスーパーの店頭に並んだため、早速購入して塩漬けにした。今年は控えめに2kgほどだが、それでも下処理に何時間かを要した。塩漬けで10日ほど乳酸発酵させた後、甘酢で本漬けする予定。出回る時期が例年より10日ほど早いような気がする。
某企業の保養所(泉の里)の池の側を散歩していると「コロコロ、コロコロ」というカエルの鳴き声を聞いた。シュレーゲルアオガエルだろうか。

樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

カラマツの緑が濃くなった(泉の里 企業保養所) オニシダがそよ風で揺れる(泉の里) ベニドウダンツツジ
コーネリア(バラ)の蕾 風にそよぐ稲科(スズメガヤ?)の花 ヤマブキ収穫中
池に浮かぶミヤマカラスアゲハの上にミズスマシ ルリソウの花はピンクや紫に変化する(旧軽井沢雲場池付近) ハナイカダの雌花、雄花(複数花が咲いている方)
巣箱に入るシジュウカラ雄(ガラス越しの撮影で不鮮明) ショッピングモール内の雑草扱いのトキワハゼ コナラの花穂とハルニレの種(シダの上)
 
 
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