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樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2013年5月5日(日曜日)
概況:
ゴールデンウイーク後半、今年も道路やスーパーはかなり混んだが、5日夕方にはめっきり人も車も減った。5月に入っても連日の最低気温は氷点下で観光や旅行の客は寒いのではないか。立夏の今日はようやく暖かくなり最高気温が20度近くまで上がった。自宅裏の泉の里別荘地から旧軽井沢を散歩中にキビタキを2度発見、オオルリの声も聞こえ、いよいよ夏鳥の到来である。エンレイソウやサクラソウが開花。春紅葉で色づく明るい林は美しい。
樹木:
アズマシャクナゲが開花。ヤマブキが開花。ユキヤナギが満開でいい香り。
軽井沢の各所ではカエデ類の初々しい葉が展開し、秋同様に赤や黄色で色とりどりに見える。こうした春紅葉(はるもみじ)が新緑に混じって様々に色づき、明るい林は光の差すステンドグラスのような美しさ。オオヤマザクラはもう終わりかけ、近隣のスモモの木が満開の白い花で覆われている。ウメもサクラもアンズもスモモも、今年はほぼ同時に咲いた。
リョウブの葉が開き始める。リョウブの薄黄色の葉が枝先に丸く開く様子は、まるで燭台に点々と明かりが灯るように見えるため、私は勝手に「森のボンボリ」と呼んでいる。リョウブの葉は食べられる(救荒作物)が、試しに食べてみたものの食感がぼそぼそして特段おいしくはなかった。それよりはマユミの新芽のほうが柔らかくクセもないため、軽く湯通しでおひたしにするだけで食べられる。(春はおいしいものに事欠かないので実生活では木の葉は滅多に食べないが、経験として試す程度)
山野草、山菜、園芸種の草花:
雲場池を散歩途中、近くのオープンガーデンの美しい苔庭を見ていたらエンレイソウが開花しており、びっくり。急いでソフィアート・ガーデンに行くと、こちらのエンレイソウも確かに咲いていた。そればかりかサクラソウも開花していた。このところ寒さが続き、山野草の開花はまだまだ先だろう、とのんびり構えていたら今日の暖かさで一気に山野草が開花したようだ。旧軽井沢の別荘地ではアズマイチゲが一面に咲いている庭があった。ソフィアート・ガーデンのアズマイチゲは今年は葉だけで、花は見られない。
スミレ広場は満開、庭だけでなく散歩中も各所にスミレのブーケが見られる。旧軽井沢を散歩中にエイザンスミレを見た。(自生ではなく栽培と思われる)
庭のコゴミは先日、春の味覚として少し新芽を食した。庭の山ウドが芽を出し、タラノメもあと何日かで食べ頃。サンショウの葉(木の芽)も出始め、お吸い物に香りを添えるものとして重宝する。ミツバもヨモギもワサワサと出てきた。フキノトウは白い綿毛をつけ、あたり一面からフキの葉が出だして、踏まずに歩くのは困難。
野鳥・生きもの:
自宅裏の泉の里別荘地から旧軽井沢を散歩中、黄色と黒のすばしこい鳥が横切る。とうとうキビタキが来軽した。散歩中に2度、別の場所で見かけたので、いっせいに渡ってきたのだろう。姿こそ見えないが、オオルリの、放物線を描くような音階の美声も聞こえた。いよいよ夏鳥の到来である。
雲場池にはいつものカモに混じってキンクロハジロ(白黒のカモ)が何羽かいた。
カラ類は営巣に忙しい。自宅とガーデンではそれぞれシジュウカラとヒガラが営巣準備の様子。複数の営巣候補地を吟味中なのか、巣箱に来たり来なかったりする。コガラやヒガラのさえずりが実に美しい。
自宅の薪小屋にエナガたちが出入りしている。たぶん蜘蛛の巣をとって巣材に使うのだろう。(エナガの巣は羽毛等の巣材を蜘蛛の糸で器用に編み込んで作る)
ソフィアート・ガーデンに行くと、ヤマガラやシジュウカラが車のそばまで迎えに来る。プレゼントを心待ちにしていた様子。立夏とはいえ5月に入っても最低気温が連日氷点下の軽井沢では、まだ虫も活発ではないため、小鳥たちは食べ物が不足する。わずかばかりではあるが、フィーダーにヒマワリの種や落花生のかけらを入れてプレゼントすると次々にカラ類、カワラヒワ、シメ、アトリ、ミヤマホオジロ、さらにはアカゲラまでやってくる。アカゲラはゴジュウカラのように、ヒマワリの種を樹皮に埋め込んで固定させ、嘴で殻を割って食べている。今年の春は野鳥にとっては酷な寒さである。 その他、フィーダーは利用しないがメジロ、エナガ、ウグイスなど。
虫:
暖かくなるとスズメバチやハナバチが飛ぶものの、最近は寒くてハチが飛ばない。アンズやスモモ、ウメの花の時期にハチが飛ばないと受粉が行われにくいため、結実に影響するのではないか。
その他:
先日、夜間に帰宅すると自宅庭の暗闇でイノシシの「ブフォ!」という音がして驚いたが、被害が結構あったのか近所にイノシシ捕獲の檻が仕掛けられているのを見た。5月1日には「今年は天候が不順でしたが、クマは例年どおりこの時期に目覚め始めました」というメール(軽井沢町の熊注意報などのメール)も来た。散歩や庭歩きの際にも気をつける必要がある。
何年か前のゴールデンウィーク中に泉の里別荘地を散歩中、すぐ目の前にニホンカモシカが現れ、別荘の草を食べていたことを思い出した。カモシカは牛の仲間であり、草をはむ様子は牛そのものであった。
樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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