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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録− >>前の記録へ >>次の記録へ
■2014年4月7日(月曜日)一部、東京
概況:
寒の戻りで4月7日の最低気温は氷点下7.3℃。小鳥の水飲み場が久々に凍結した。しかし春は止まらない。フキノトウは3月下旬から出始め、クロッカスやクリスマスローズも咲き、木の芽も動き出している。軽井沢から東京に向かう自動車道沿いには梅やコブシが満開。東京も桜が満開を過ぎ、花の舞い散る美しい季節。関東は一気に春爛漫から初夏へと向かいつつある。ソフィアート・ガーデンの近くの小川ではカモがゆったり泳ぎ、野鳥のさえずりが美しい。
樹木:
自宅の庭やソフィアート・ガーデンでは、すでに木の芽が動き出し、サンシュユやダンコウバイ、キブシなどの黄色い花が咲き始めた。アブラチャンは黄色い蕾が見え始めた。今年はアブラチャンよりサンシュユやダンコウバイの方が開花が早い。バラの新芽が展開し、マユミの新芽の緑色が見えている。ミズキはポトポトと水を滴らせ、木の下に雨でもないのに水が染みている。
4月頭に東京に滞在しており、千鳥ヶ淵で満開の桜の花見を楽しむことが出来た。今すでに桜は満開を過ぎ、桜吹雪が舞う寒の戻りである。軽井沢から東京に向かう自動車道沿いには、標高が下がるごとに梅やコブシ、桜が順々に満開になっていく。軽井沢から東京までの車での移動時間は2時間ほどであるが、この時期の上信越自動車道や関越自動車道は早春から初夏に向かうひと月ほどの景色を早送りで観ることが出来る。
山野草、山菜、園芸種の草花:
ソフィアート・ガーデンの「山野草広場(と名付けている場所)」と「スミレ広場(と名付けている場所)」に厚く積もった落ち葉のふとんは、ようやく片付けた。山野草やスミレの芽吹きには間に合った。一輪だけ、スミレが咲いているのを見つけた。スイセンの芽は蕾がたちはじめた。日本シャクヤクの芽が出て、クロッカスも咲き、数年前に植えたクリスマスローズの苗が育ち、今年初めて花が咲いた。
千鳥ヶ淵で花見をした際に、下草で植えているクリスマスローズが満開で美しかった。軽井沢と東京という、かなり気温の異なる土地で、同様のタイミングでクリスマスローズが咲いていたのが印象深い。千鳥ヶ淵の桜の下草としては、シャガも美しく咲いていた。皆の目はもっぱら桜の花に注がれ花に酔うかのよう、あまり目を留める人のいない足元の花は静かで可憐に咲いていた。土手に群れ咲くムラサキハナナの紫色とナノハナの黄色、そして満開のソメイヨシノの淡いピンクとの対比で、パステル画のようである。
野鳥:
ソフィアート・ガーデンの近くには千ケ滝を水源とするきれいな農業用水の小川がある。そこではいつも、カモのつがいや数羽の群れが泳いでいる。ウグイスの「ホーーー、ホケキョ!」がガーデンに隣接する東の藪から響き、寒さの中にも春らしさが感じられる。ゴジュウカラの「フィフィフィフィ!」という元気で強い、美しいさえずりが遠くまで透る。コガラがフルートのような柔らかい美声で「フィーフー、フィーフー」とさえずる。ガーデンで私どもの姿を見つけたときの、鼻が詰まったような甘えた「ビィー、ビィー」という地鳴きとはずいぶん違う。エナガがガーデンの小屋の軒先や木の樹肌などを何かを探すように飛び回っている。私どもがいても気に留めていない様子で、夢中になっている。巣材のクモの巣や苔を探しているのだろうか。エナガは羽毛や苔などの巣材を、小さな嘴でクモの糸を使って編み込み、かわいらしい巣を作る。おかげで小屋の軒下は蜘蛛の巣の掃除をしなくても、毎年きれいにエナガに掃除してもらえる。
先日、パートナーが自宅の庭で庭仕事をしていると、目の前でシジュウカラが取っ組み合いのけんかをしていたとのこと。周りで応援する(もしくは止めに入る)シジュウカラ数羽が見守る中、パートナーの存在には目もくれず、あの小さな小鳥が組んずほぐれつの迫力ある取っ組み合いをしていたそうで、縄張り争いであろうか。この時期の小鳥たちは、自分の縄張りを侵す同種の鳥に対しては、容赦ない振る舞いを見せる。自宅の庭は、もはや混群は解消され、シジュウカラ、コガラ、ヤマガラの各一つがいずつが訪れる。ヒガラだけは、つがいではなく一羽で訪れる。ヒガラはしたたかで、毎年この庭で営巣するので、そのうち、ちゃっかり巣箱を我が物にしてしまうだろう。私どものかけた巣箱に狙いを定めている小鳥たちのために、早く巣箱の手入れを済ませなければならない。
虫:
虫たちが弱々しくも地面で活動を始めている。羽虫が飛ぶ。
その他:
ガーデンのフキノトウを摘んで天ぷらにしたり、パスタに少し入れてフキノトウパスタを楽しんでいる。さわやかな苦みと香りの春が味わえる。冬眠から覚めたクマも食べたいだろうが、早い者勝ちである。
軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの− 有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4 文章と写真:スタッフM
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